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這い寄る者  作者: ツヨシ
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しかし経験豊な刑事が二人もいて、おまけに住人もこれまで以上に目を光らせているというのに、不審な人物は見つかりませんでした。


にもかかわらずまゆちゃんは「やっぱり見張られている」と言い続けたのです。


それはどこかに忍び寄る者が存在しているということになります。


それなのに怪しい人影は、一向にその姿を現そうとはしません。


これほどの警戒網の中、さして大きくないこの空間で一人の女子高生を追い回していながら、誰にも見つからないとは。


いったいそれは、どのような人物なのでしょうか。


考えてはみましたが、皆目見当がつきません。


現状維持と言うか、何の進展もないまま一週間ほどが過ぎたある日、誰も予想をしていなかったことが起こりました。


まゆちゃんが突然その姿を消したのです。


みな襲われるとかそういったことは胸中にあったようですが、まさか拉致されてしまうとは。


予想外にもほどがあります。


前にも言いましたが、本人が充分に注意をし、警察が本気で警護に当たり、両親は勿論のことマンション中の人間が子供もふくめて目を皿のようにして監視続けていたにもかかわらず。


両親は涙に暮れ、マンションの住人は怒り心頭。


そしてマスコミはこれでもかと騒ぎ立てました。


面目丸つぶれの警察は、これ以上はないと言うくらいに必死に捜査をしましたが、犯人はおろか消えた女子高生も見つけ出すことが出来ませんでした。


ただむなしく時が過ぎてゆくだけです。



そんなある日、我が家にも思いもかけない大きな不幸が襲い掛かりました。


なんと私の夫が仕事中に事故死してしまったのです。

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