表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/5

記憶を失いました。

(仮)設定が確定していないので仮のまま

朦朧とした意識の中、目に映るのは豪華なベットの天蓋。


クラシックな手編みのレースの敷き布に上掛け、清潔なリネンにどうやら私は寝かされているようだった。


ズキンズキンとした痛みに耐えきれずポロリと零れる涙を拭ういとまもなく、私は意識を手放した。


次に目覚めた時は近くに人気(ひとけ)があった。


視線を向けると私より若く柔らかい雰囲気の女性が、水差しを片手に近づき水を飲ませてくれた。


その水は優しく甘く喉を通り過ぎ、苛む痛みを和らげてくれる気がした。


「あり…が…と」


お礼を最後まで言えたかどうか分からないが、私は再び睡魔に(あらが)えなく意識を手放した。


次に目覚めた時は体のダルさと、覚えのない喪失感が私を襲った。


視界に入るのは自分の白い長い髪。小さな手のひら。


「わたし?」


わきわきと自分の意志で動く小さな手のひら。


白い髪を持ち上げ凝視する。


『鑑定レベル1を習得しました。』


頭にメッセージが届いた。


銀髪じゃなくて白髪だ。


引っ張ると痛みが走るので地毛確定。


「鑑定」



ミラ・エルク

人族?

10才

状態 心因性記憶障害 栄養失調衰弱 心因性味覚障害 心因性視覚障害

レベル1

体力 2/4

魔力 ∞

スキル

光魔法▼ 時空魔法▼ 鑑定▼ 全言語理解▼

称号

異世界転移者→異世界転生者

×××××の加護▼

×××××の祝福▼

ギフト

絶対防御▼

世界辞典▼

ドロップ自動回収▼

無限収納▼

×××××からの贈り物▼



...どこから突っ込みを入れたらいいのかな。


手の平を奥にして目の前にステータス画面が浮かんで見えた。


まずは名前に違和感を覚える。


誰?私なの?


自分のミラ・エルクという名前にしっくりこない。


それに人族の後に疑問系の「?」って何さ!


しかも私10才って所も違和感しかない。


感覚的には「そんなに若くないよ!?」って感じてる。


レベルやスキル、称号、ギフトって何?


『サポートスキルを獲得しました。』


サポートスキルってなんぞ?


『サポートスキルとは×××××からの贈り物に属するスキルの事です。×××××の知識から情報を取得することが可能です。』


正直、先程から×××××がよく聞き取れないし表示も読み取れない。その内分かるようになるのかな。


そしてこの丁寧に説明してくれるのがサポートスキルさん。


×××××からの贈り物というギフトを持ってる人に(まれ)に発動するスキルらしい。


なんだか何も思い出せないから頼らせてもらいましょう!


鑑定では何が分かるようになるの、サポートさん?


『鑑定とは、レベルによって対象の状態を調べる事が出来るスキルの事です。レベルが高いほど詳細に理解する事が可能です。』


ふーむ。分からないことはとりあえず鑑定していけばいいや。


今の私の状態が心因性記憶障害、栄養失調衰弱に心因性味覚障害、心因性視覚障害となっている。


確かに骨が浮き出て薄っぺらいガリガリに痩せている身体に腕、髪の色もおそらく元々は白ではなかったのかも…。


味覚は何かを口にしてみないと今は分からないし、視覚はぼんやりとしか見えていないのは眼鏡を掛けていないからだと思っていた。


記憶障害ということは何かを忘れているのだろう。


心因性ってことはその内治るはずだから気長に考えよう。


何気に▼が気になり指先をそこを持っていくと詳細表示に変化した。


うん。


細かい表示は後で確認しよう。


この衰弱した身体は少しの間の活動もしんどい。


体力が2/4になってるから最大が4で今が2ってことは、体力が今は半分しかないってことで、普通の人はどれくらいなんだろうか?


もしかして私は障害のせいで常に瀕死に近いのでは?


状態確認中にコンコンというノックの音が扉の方からする。


「はい」


反射で返事をしていた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ