プラネット
プロローグ
気が付くと僕は、見たことのない世界にいた。
頭上には一面の星空、目の前には巨大な地球。圧倒されて声も出なかった。まるで月の上に立っているかのようだった。
ふとあたりを見回してみると、普段からそこにいるかのように、彼女は座っていた。彼女は、視線に気付いたのか、こちらへ振り返った。
目が合った。
僕はあわてて視線を外した。すると彼女は立ち上がり、こちらへ歩み寄ってきた。そして彼女は口を開いた。
「こんにちは、初めまして。ここに人が来ることはほとんど無いので驚きました。もしよかったらお話しませんか?」
「・・・はい。」
これが彼女との出会いだった。
第一章
「star sky好きなんですね!!」
『star sky』(スタースカイ)・・・結構古い歌手グループで、マニアックな人にしか知られていない。
彼女とは話が合った。二人とも本が好きで、偶然にも同じ歌手が好きだった。ただ一つ違っていた点は、運動がすきかどうかだった。彼女は運動が嫌いらしい。
彼女は優しく穏やかな人だった。話が止まると、気を使ってほかの話題に変えたり、僕の話に対しても真剣に聞いてくれたりした。ここまで一緒に過ごして楽しいと思える人に出会ったのは初めてだった。そんなわけか、時間が過ぎるのもあっという間だった。
「そろそろ時間ですね、またお会いしましょうね。」
返事をしようとした瞬間、空間が歪み暗闇から目覚めたときは、見慣れた天井が目に入った。
「夢か・・・」
突然の現実世界に少し戸惑いを感じながら、先ほどの夢を思い返す。
❘やけにはっきりした夢だった、自分好みの女性の夢を見るなんて、どれだけ女性に飢えているのだろうか。❘
と、自分の脳みそに嫌気を感じながら、登校する支度を始める。
僕は大学二年、佐久間章人、農学部でぼちぼち勉強中。当然、彼女などおらず、独り暮らしを満喫中。
第二章
―これはデジャヴか?―
一週間前と同じように目の前には地球があり、空には一面の星空があった。
「またお会いしましたね。」
「え?」
背後からなんとなく聞いたことのある声がし、おそるおそる振り返ってみると、そこに彼女がいた。
「え、あ、えっーとー・・・どなたでしたっけ?」
「あ!私たち、お互いの名前知りませんね。私の名前は伊藤和葉って言います。」
「僕は章人です。佐久間章人。」
「改めましてよろしくお願いします。」
「いえいえ、こちらこそ。」
一週間前たくさん話したにもかかわらず、お互いに緊張していた。
『・・・・・・』
二人とも口を閉じたまま、シンとした時間が流れた。
「あの和葉さん、呼び方は和葉さんでいいですか?」
「あ、はい。じゃあ、わたしは章人君でいいですか?」
僕はうなずき、次の質問を口にした。
「単刀直入に聞きますけど、この世界はどういった世界ですか?」
彼女は少し考え、いったん、間をとってから答えた。
「えーと、私はこの世界を夢の世界と呼んでいます。私がお伝えすることができるのは、この世界は毎週日曜日しか入れず、特定の人にしか会えないということです。あ、あとこの世界と現実世界はつながっています。」
「え⁉じゃあ、現実世界でも会えるんですか?」
「そういうことになりますね。」
衝撃だった。ところどころ変に感じる部分もあったけど、今まで自分の思い描いている世界だと思っていたし、ましてや特定の人が彼女だということに驚いた。
その日の夢はかなり短かった。
第三章
現実世界と夢世界がつながっていることを知った日以来、僕は彼女のことを強く意識するようになった。会うたびに彼女に惹かれていき、現実世界で会いたいと強く思うようになった。
僕は彼女に惚れた。
この言葉が最適だった。
彼女と初めて会ってからひと月ほどたったある日
「現実世界で会いませんか?」
僕は、彼女を誘った。
彼女はうつむき黙り込んだ。
「駄目ですか?」
「次会う日まで待ってもらえますか?」
少し困った雰囲気で断れそうな予感がしたが、彼女の言う次の日に期待を寄せた。
一週間後、彼女の口からでた言葉はこうだった。
「この間の件ですが、いつ会いますか?」
それを聞いた瞬間僕は、天にも昇るように嬉しかった。そこから僕たちは、来週の日曜日に予定を決め、待ち合わせ場所や服装の話をした。
デート当日、僕は少しはやめにつくように、家を出たものの、彼女はすでに待ち合わせ場所に来ていた。夢の世界の雰囲気とはまた違った雰囲気の彼女に戸惑いながらも、声をかけた。
「い、伊藤和葉さんですか?」
彼女は少し驚いたような表情で頷いた。
「あ、僕です。佐久間章人。」
彼女は何かを思い出したような表情へと変わり、彼女は言った。
「伊藤和葉です。今日はよろしくお願いします。」
口調は、夢の世界と同じで丁寧だった。
そこから僕たちは、軽い挨拶を交わし、予約していた映画館へと移動した。
「ポップコーンは塩派ですか?キャラメル派ですか?」
「んー、キャラメル派です。章人さんは?」
「僕もキャラメル派です。」
「敬語、やめませんか?ちょっと距離があるというか…。」
「・・・そうですね。じゃあ、買ってきま、あ・・・買ってくるね。」
僕たちの間には緊張があったものの、見た映画が僕たちの趣味にベストマッチしたため、映画館を出る時には、その緊張もほぐれていた。ちょうどお昼時になり僕たちは、近くのイタリアンレストランに入った。
「映画面白かったねー。章人君はどこに感動した?」
彼女はメニューを注文するとすぐに僕に感想を求めた。
「ラストシーンの主人公の行動にはびっくりした。あそこが一番感動したかな。」
「だよね!やっぱり?あの映画見てよかったー。」
彼女の満足ぶりに、僕はほっとした。二人とも納得できる映画で安心した。
半熟卵乗せカルボナーラを半分ほど食べたところで彼女は、唐突に話し始めた。
「章人君が悪い人だったらどうしようと思ってた。」
「え?そんなことするような人に見えた!?」
「みえるみえる」
彼女は笑いながら言った。僕たちは、冗談も交えながら、日が暮れるまで話した。駅まで歩くことになり、彼女の歩幅に合わせて歩いた。唐突に僕は言った。
「あのさ!君のことが好きです。付き合ってくれませんか⁉」
思ったより声が出ていた。周りに誰もいなかったからよかったものの、誰かいたら僕は逃げ出していたかもしれない。
「え、うん。お願いします。」
彼女は少し頬を赤らめながら、頷いた。
この時から僕たちは付き合い始めた。
「今日は楽しかった~。また会おうね。さようなら。」
僕たちは、駅のホームでお別れをした。彼女はいつもと変わらない言葉を残し、帰っていった。僕は家に帰っても、興奮は収まらなかった。
今日の夜も夢の世界で彼女と話せると思っていたが、彼女は夢の世界に来なかった。
第四章
次の日曜日、彼女は普段通りに夢の世界にいた。
「ごめん、この間はこの世界に来れなかった。こんなこともあるんだね。ってことで、今日はこの間話せなかった分も話そう!」
そうして僕たちは、いつもと変わらない雰囲気で、話し出した。
「この前食べたカルボナーラおいしかったな~。今度もまたあの店行こうね。」
「え、また?他の店も食べてみようよ。」
「え~。じゃあ、いつか絶対あの店行こう。今度じゃなくていいから。」
「こだわるなぁ~。」
あの店が本当においしかったようで、彼女は絶対に行くと言い張っていた。反対しても押し切られてしまいそうだ、と思いながら、今度があることに少し喜びを感じていた。
「あ、そうだ。この間の映画さ、どこに感動した?」
「え、最後のシーンの主人公の行動だけど・・・え、これ、このまえも聞かなかったけ?」
「え、あ、そうだっけ?ごめんごめん、忘れてた。」
彼女はこの前と同じことをまた聞いた。この時は、何の疑問にも感じなかった。
第五章
それから何度か現実世界で彼女と会った。現実世界で会ったその日は、必ず夢の世界に来なかった。現実世界のことを話すとなぜか彼女と話がすれ違った。彼女との雰囲気はどんどん悪化していった。
「もう会うのやめる?」
この雰囲気に耐えきれなくなった僕は、彼女に話を切り出した。
「え・・・。そっか、分かった。」
彼女は、何も聞かずにうなずいた。
「ごめんね、私のせいで。今までありがとうね。いろいろと話せてよかったよ。やばい、泣きそうだから、も行くね。バイバイ。」
彼女は僕の見えない方向へと走っていった。引き止めたい自分がいたが、引き止めたところで何も変わらないことに気付いていた。このまま一緒にいても、僕が彼女を傷つけてしまうんだと・・・。
彼女と別れて、すぐに後悔した。
あんなこと言わなければよかった、話を切り出さなければずっとあのまま続いていたんじゃないか?
いろんなことが頭によぎった。
毎週日曜日、夢の世界で彼女に会えることに期待した。でも、彼女の姿を見ることはなかった。
もう会えないんだ。彼女のことは忘れよう。
そう心に決め、彼女に会う前の日常に戻そうとした。でも、何か新たな発見をするたび、彼女のことを思い出し、忘れることができなかった。
第六章
彼女と会わなくなって三か月が過ぎたころ、駅で彼女の姿を見つけた。遠くにいた彼女を見失わないように、急いで彼女の後を追いかけた。彼女に追い付いたころには息が切れていた。
「和葉‼今から少し話そう!?」
突然声をかけられた彼女は驚いていた。状況を呑み込めたのか、少ししてから彼女はうなずいた。
近くの喫茶店に入って、話すことになった。
「ごめん、この間は僕が悪かった。もう一度付き合ってくれませんか?」
息を整え、コーヒーを一口飲んだ後、僕は言った。
「その言葉は本当?本当の私の姿を見てもそれ言える?」
彼女は意味の分からないことを言った。僕は思わず彼女に聞き返した。
「本当の姿って何?」
「本当の私の姿、見に行こうか。」
僕たちは、会計を済ませ店を出た。お店には迷惑だったかも、と思いながら、彼女の後について行った。
彼女に連れられてやってきた場所は、県内で最も大規模な病院だった。
「え、なんでここに?」
彼女は質問に答えず、通いなれた雰囲気で静かに歩いていった。
三〇一号室
彼女は部屋の前で止まり、僕に向けて話した。
「私の本当の姿。驚かないでね。」
彼女は静かにドア開けた。
病室のベッドに横たわっていたのは彼女だった。僕の目の前には彼女が二人いた。病室にいた彼女は、様々な機械・装置がつけられ、眠っていた。あっけにとられ目を丸くしていると、案内してくれた彼女が語りだした。
「私、本当は和葉じゃないんだ。伊藤乙葉、これが私の本名。和葉は私の姉、この人のこと。私たちは一卵性双生児で、双子なんだ。よく見間違えられてたよ。でも和葉は、二年前、交通事故にあって植物状態になった。もう話せないんだって思ってたけどね、夢の世界で話せるようになったんだ。だから、毎週日曜日、その週あったことを話してた。最近は頻度も減って、時々話してたんだけど、この前、男の人と話せたつて興奮気味に話してね、その男の人ってのが、君、章人君だったんだ。デートに誘われた時にはもう、すごかったよ。私の代わりに会ってきて、悪い人じゃないからって。今まだ見たこともないくらいにお願いしてきた。受けるしかなかったよ、和葉の頼みだからね。いざ、会ってみると、まあ、悪い人じゃなかったね。まあそこらへんは置いといて。君となにしたか全部その日の夜に話したよ。だから、その日の夜は会えなかったでしょ?で、やっぱり伝えられない部分もあったから、話の合わない部分もあったよね?その部分が君とすれ違う理由になったんだよね?」
乙葉、そう名乗る彼女は今までのことをすべて話した。僕が違和感に感じた部分もすべて重なった。驚きで声も出なかった。
「驚いて何も言えないよね。今日はもう帰って、頭の中整理してきて。私から夢の世界で会えるようにしとくから。」
僕は彼女に言われるがまま、病院を後にした。家についてからも僕は驚きを隠せなかった。
現実を受けられないまま時間が過ぎ、日曜日となった。
第七章
彼女はいつもと同じ場所で、地球を眺めていた。彼女は僕に気付き、手を挙げた。僕は戸惑いながらも、手を振り返した。
「久しぶり。だましててごめんなさい。乙葉が言ったこと、全部本当だから。」
彼女は話を切り出した。
「僕の方こそごめん。何も知らずに。」
「仕方ないよ、何も言わなかったんだから。」
『・・・』
二人とも黙り込んだまま、時間が過ぎた。
「あの、乙葉から聞いたんだけど、何か伝えたいことがあるって。何?」
僕は黙ったままだった。この前、乙葉に言ったことだとすぐにわかった。
「え、えーと・・・」
言うかどうか悩んだ。でも自分の心に嘘はつきたくなかった。
「・・・僕は和葉が好きです。だから付き合ってください。」
彼女は口を開けたまま、驚いていた。
「え、えっと・・・。付き合うって?私がいつか、どこか行くかもしれないのに?それでも、付き合うの?」
僕はうなずいた。
「私は章人君を悲しませたくないよ?いつの間にか私がいなくなって、苦しくなってもいいの?」
「・・・それでもいい!僕は、和葉と一緒にいたいし、いつか現実世界で話したい。」
彼女はうつむいた。
「ありがとう。」
彼女の言葉は涙交じりだった。
また、僕と彼女は毎週日曜日の夜に、会い始めた。
第八章
彼女と再び付き合い始めて、僕は病院へと通うようにになった。
週に一度、お見舞いに行き、一時間程度話しかけて帰ることが習慣となっていった。
目を覚ますはずはないとは思いながらも、どこか頭の片隅で彼女が起き上がることに期待していた。
だが、目を覚ます気配は一向になかった。
ある日、いつも通り、病室に入るとそこには先客がいた。それは彼女のお母さんだった。
驚きあまり、病室のドアを開けたまま立ち止まってしまった。
「え、えっと・・・」
「こんにちは、乙葉から聞いてますよ。こちらに座って話しませんか?」
仕草から話し方まで彼女にそっくりだった。彼女は母親に似たのだろう。
「佐久間章人です。えっと、和葉さんとお付き合いさせていただいてます。」
「和葉の母親です。乙葉から聞いたときは信じられませんでした。ですがこうして会えたということは本当なんですね。」
彼女の母親は、不審がる様子もなく僕の存在を受け入れてくれた。それから、和葉の小学生時代や、乙葉のことを聞いた。
「ちょっと話しすぎちゃったかな。乙葉に怒られちゃう。私はもう帰りますね。これからも和葉のことをよろしくお願いしますね。くれぐれもお体には気を付けてくださいね。それでまた。」
彼女の母親は、そう言って病室を出て行った。僕はいつもより少し早く話を切り上げ、病室を出た。病院の外に出たときは、何か幸せな気持ちでいっぱいだった。
そして次の日の夜、彼女にそのことを話した。
「えー!お母さんにあったの!?なに話したの?教えてもらったこと全部話して!」
彼女のお母さんに教えてもらったことすべて話した。すべて話し終えると、彼女は少し不機嫌そうな表情をしていた。
「お母さん、余計なことをおしえるんだから~。でもまだまだだね。教えないけど。」
彼女は、どこか満足そうだった。少し落ち着くと彼女は、話を切り出した。
「あのさ、ちょっと報告があるんだけどさ」
「何?」
彼女のテンションはさっきと打って変って、沈み込んでいた。
「私、もうこの世界に来れないかもしれない」
「え、え?」
衝撃だった。状況を飲み込めなかった。
「なぜかわかんないけどね、ここにもう来れない気がするんだ。迎えがくるっていうか、力がないというか。だから、伝えとこうと思って。」
「わかった。」
言葉では言っておきながらも、頭の中の整理が追い付かなかった。
「もう、多分会えないと思う。だから・・・。今までありがとうございました。章人君と出会ってからの三か月間、本当に楽しかった。なんかいろいろあったけど、それもいい思い出だよ。あ、もしよかったら、乙葉をよろしくね。乙葉にもありがとうって伝えといてね。そろそろ、今日も終わりそうだね。ほんとにありがとね。あ、言い忘れてたけど・・・・・・・・・・・・・。」
目が覚めた。最後の言葉が聞き取れなかった。よりによって、最後の最後で・・・。
泣いていた。泣きたくなかったけど、大粒の涙が、頬をつたっていた。
何とか大学に行ったが、講義の内容は全く、頭に入ってこなかった。昼食をファストフード店で済ませようと席に着いたとたん、着信があった。
それは乙葉からだった。
「章人君、早く病院に来て!」
たった一言で切られた。正直、行きたくなかったが、することもなかったので、病院へと向かった。
到着すると、病院の玄関で乙葉がまっていた。乙葉の言葉で世界が変わった。
「和葉が目を覚ました!」
モノクロだった視界が一気に鮮やかになった気がした。急いで、和葉のもとに向かった。病室には、彼女の両親がいた。
そして、目を覚ました和葉が。
第九章
「おはよう」
彼女はそう言って、起き上がろうとしたが、母親に止められた。
「まだ駄目よ。筋力が低下しているから、何があるかわからない。章人さん、このまま話してもらえる?」
はい、といったつもりが、涙が邪魔してうまく言えなかった。
「章人君、ちょっとダサいよ。」
乙葉は笑いながらそう言って、タオルを渡してくれた。
「父さん、母さん、ちょっとお昼食べに行こうよ。章人君、その間よろしく。」
彼女のお母さんはすんなり外に出ようとしたが、お父さんの方はわけもわからない様子で、乙葉に連れられて出て行った。
「おはよう」
僕の声はまだ涙交じりだった。
「ちょっと、泣きすぎじゃない。」
彼女は笑っていた。
「いや、泣きすぎって言われても・・・。もう会えないもんだと思ってたからさ。」
「そー、それね。私もそうだと思ってたの。あー、私、死ぬんだって。そして気づいたらさ、ベッドの上で変な装置つけられてたからびっくり!あー、私戻ってきたんだって。起きたらおきたで大変だったんだけどね。看護師さんが叫んだり、医師にありえないって言われたり、誰かさんは号泣出しね。でも、帰ってこれてよかった。」
「おかえり」
「ただいま」
僕たちの間に沈黙の時間が流れた。しかし、気まずいとかそういった時間ではなく幸せな時間だった。
エピローグ
「おいしかった~。」
彼女は食べたがっていた、カルボナーラを食べ満足していた。
「最初ってこんなことしてたんだね~。」
一日外出で、初めてのデート。それも一度乙葉としたこと。
「今日は本当にこれでいいの?」
「いいの!」
彼女はこれで十分なようだ。
彼女が、目を覚ましてから三週間、やっと歩けるようになってから初めての外出。家に帰らなくていいのかと尋ねたところ、デートの後で帰る、と意地を張られた。嬉しいは嬉しいが、彼女の家族に申し訳ない。
「章人君、帰り、楽しみにしてるよ。」
唐突に何を言い出したかと思うと、彼女は席を立ちあがり、トイレに向かった。
帰り?何をしたか考えていると・・・。思い出した。
そうこうしているうちに、駅まで歩くことになった。彼女の歩幅に合わせて歩いた。
唐突に僕は言った。
「あのさ!君のことが好きです。付き合ってくれませんか⁉」
思ったより声が出ていた。周りに誰もいなかったからよかったものの、誰かいたら僕は逃げ出していたかもしれない。
「え、うん。お願いします。」
彼女は少し頬を赤らめながら、頷いた。
この時から僕たちは現実世界で付き合い始めた。
終わり
初めまして、shachiと申します。
初めて1作品を作り上げることができ、多くの人に読んでもらいたいなぁと思い、投稿させていただきました。幼いころから国語力がなく、うまく伝わらない部分も多くあるとは思いますが、温かい目で見て頂きたくお願いします。
ですが、たくさんの方の意見は欲しいので、遠慮せず感想等頂けたら嬉しいです。
内容に関してですが、夢と現実がつながった世界という何とも微妙な世界観で書かせていただきました。困惑することも多々あったと思います。最後まで読んでいただいた方ありがとうございました。
これからもどうぞよろしくお願いします
では(・0・)/
shachi