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沼にハマった瞬間

今、ベッドの上で仰向けだが天井しか見えん。

同棲している彼女が笑顔で起こしてくれるわけでもなく、母親がそろそろ起きろと怒りながら起こしてくるわけでもなく、ただ俺は今起きて天井を見つめてるだけだ。

10:00からアルバイトを入れていた俺は、9:20を指そうとしている時計をみて、「やべっ」と一言混じりに起き上がり、雑な洗顔と歯磨きをして外に出た、何も楽しみがない、アルバイトをして1日を過ごし寝て起きてアルバイト、こんな生活こりごりだと思っても特に出口もないし目標も憧れもないので文句も言わずそのサイクルで3年間生きて来た、「中高生の時は楽しかったなぁ」ため息交じりに一言呟き歩いてたらバイト先についた。

俺の名前は坂巻タケル、24歳の男で最近は家のテレビで歌って踊るアイドルをぼーっと眺めたり、夜は一人で自慰行為をしてる、それがただ一つの生きがいだったりする。高卒で内申もとれず、人とコミュニケーション

を取るのが苦手な中、アルバイト先の居酒屋「金次郎」で精一杯の愛想笑いで働いてる。アイドル向いてるんじゃないかなって自分で思う。

いつものようにタイムカードを押していつものように掃除機をかけいつものように開店準備を進めていく、そしたら二週間に一回店長は必ず「生きがいとか目標ないの?」って聞いてくる。それもいつも通りだ。ないのわかってるくせに。

ランチ営業を開始させる前にコーヒーを飲む時間がある、ブラックコーヒーを片手にSNSサイト「ケルベロス」をぼーっと眺めてた。自分のゲスラーは900人いるのに俺が何か発信しても反応してくれる人は誰一人としていない。「新しいキャストを作ってネットでひっそり生きようかな」そう考え始めたのがこの話のきっかけだった。

コーヒーを飲み干し、お客様入り口を開け、精一杯の愛想笑いと営業トークでランチ営業を終わらせた、店長から「夜のバータイムのシフト結構いるから上がってもいいよ」と言われタイムカードを押した。

家に帰っても誰もいない、財布の中に入ってる少ないお金でカラオケに行こうと決めた。歌わないけど、Wi-Fiが繋がってスマホが充電できる幸せな空間だからだ。

早速ネットのアカウントを作ることにした。名前は・・・ゆきだるまでいいか、自己紹介発信を済ましたら知らないキャストから少しの反応をもらったので全力で絡みに行った、アイドルがファンを引き込むように、文字だけの精一杯の笑顔と語彙力で10人もの絡める人ができた、これだけで、もともと使っていたキャストよりも発信に反応を得る事ができた、それで当時の俺は満足していた。それで満足してよかったのかもしれない・・・・

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