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村へ降りる(後編)

支離滅裂な文章でごめんなさい…0(:3 _ )~

 俺は食堂を後にし、父さんとともに村の市場への降りる。


 市場はとても賑わっていた。


 品物を売り出す声、奥様方の世間話…、子供たちのはしゃぐ声、それから時折聞こえる喧嘩の声…喧嘩はいけないぞ…。


 とにかくとても活気づいていた。


 と、ひそひそと声が聞こえる。


「クラウス様だわ!隣の子は誰かしら…。」


「息子さんじゃないの??」


「あんまり似てないわよ…?」


「お母様似だったりして…。」


「のんびりした感じも似てるしね…そうかもしれないわね。」


 え、俺って母さん似だったの…?てっきり父さんにたいにイケメンなのかと…。


「でもいいわねぇ。あのぼんやりした顔…。」


「顔のパーツも整ってるから将来に期待できるわね…。」


 あ、そんなにブサイクとかじゃないのか…。ほっとした…。

 でもぼんやりとした顔ってのはいただけないな…。


 少しキリッとしてみる。


「ぶはっ!」


「ちょっと父さん!」


「あはは、ごめんごめん。」


 父さんに見られてた様で笑われてしまった。


「父さん、僕そんなにぼんやりしてるかな?」


「いや、してないと思うぞ。」


 なんだ。してないのか。


「さ、アベル!」


「ん?」


「せっかく市場に来たんだ!皆へのお土産でも選んで帰ろうか!」


「お土産!父さん!早く行こう!」


 俺は父さんの手を引いて市場を見て回る。


「父さん!あれなんかいいんじゃない??」


 俺が見つけたのは髪飾りを売っている屋台。


「おっ!いいなぁ。」


「えっとね!これがアリシア姉さんにで、これが母さん!これとこれがリナとカルラに!」


「そうかそうかあ。(うーん…アリシアはともかくアリス達には子供っぽすぎるかな…。まぁ喜んでるしいいか!)」


「うん!(子供っぽすぎるけど大人っぽいのないんだよな…父さんも何も言ってこないしいいか。)」


 父さんが懐からお金を出し髪飾りを買う。


「よし!じゃあ次はアルとロイにだな!」


 アル兄さんとロイ兄さんにかぁ。

 何がいいかなぁ。屋台を物色しながら考える。


「……さまぁぁ!!!」


 ん??


「…くらうすさまぁぁぁ!!」


 どこからか父さんを呼ぶ声が聞こえる。


「!!」


「父さん?」


「いや…アベル、ここから1人でお土産買いに行けるか?」


「うん?行けるよ!」


 なんだか様子が変だな…。


「父さん用事できちゃったからこれで選んできてくれるかな。アベルの分も何か買っていいからさ。」


 そういうと父さんは袋を取り出し中から金貨3枚を取り出し俺に渡してくる。

 俺がそれを受け取ると父さんは急いだように声がした方に走っていく。


「あ!」


 ん?何か忘れたのかな?戻ってきた。


「お土産買い終わって暇だったら友達とか作ってきてもいいんだからな??」


「うん。わかったよ。」


「よし!じゃあ行ってくる。」


 父さんは再び走っていった。


「ふぅー。アル兄さんとロイ兄さんにだよなぁ。何買おっかなぁ。」


 やっぱり双子だから同じやつかなぁ。


 屋台を物色しながらしばらく歩いているとネックレスを売っている所を見つけた。


「おー!ネックレスかぁ。いいなぁー。」


 見ているとおじさんに声をかけられた。


「おっ!お兄ちゃん!それ俺が作ったんだよ!良かったらこっちの方も見てくれよ!」


 そう言っておじさんは真ん中に黒い石が埋め込まれているバングルを指さした。


「ねぇ。おじさん、この石はなんの石なの?」


 俺は真ん中に埋め込まれている黒い石について聞いてみる。


「それは魔石って言って外にいる魔物に付いているものだよ。」


 詳しく聞いたところ魔物には1体に必ず1つ魔石が付いているらしい。魔石は魔物の力に比例して小さかったり大きかったり、このバングルの魔石はそんなに強い魔物の魔石ではないらしい。


「あ、ちなみに値段は?」


「銀貨5枚だよ!」


「よし!買った!2つちょうだい!」


 俺は父さんから貰った金貨を1枚出す。


「はいよ!毎度あり!」


 金貨1枚とバングル2つを交換し、俺はその屋台を後にした。


 途中でバングルをアイテムバックに入れ。また物色を開始する。

 そういやアイテムバックってみんな使えるのかな…?気になる。


 …さてと、アル兄さんとロイ兄さんへのお土産は買ったから次はロビンにかな?


 何がいいかなぁ?食べ物とか?

 装飾品とかはあんまり似合わなそうだしなぁ。


 食べ物食べ物…。

 久しぶりにラーメンとか食べたいなぁ。


「はぁ…。」


 元の世界の料理を思い出しながら俯いて歩く。

 ふと、甘い匂いが漂ってきた。


 いつの間にか裏通りへ来てしまったみたいだ。怪しげな店が並んでいる。


 甘い匂いがした場所を見てみると虹色に輝く林檎が…。


 何なのか全くわからないので店番をしていたお姉さんに聞いてみる。


「お姉さん。」


「はーい?声がするけど姿が見えない…。」


「下だよ下!」


 さりげなく身長が低いと…。


「おー。下かぁ。」


 ようやくお姉さんがこちらを見た。


「ふふ〜。これはこれは小さなお客様だねぇ〜。」


「小さなは余計だよ!」


「まぁまぁ。そんな怒らずに〜。何の御用かね〜。」


 お姉さんののんびりした雰囲気に流されつつも虹色の林檎のことを聞く。


「あの虹色の林檎はなに?」


「うーん?りんご?これのことかなぁ〜?」


 お姉さんが虹色の林檎をつかみあげる。


「そう!それだよ。」


「これはねぇ〜。お子様にはまだちょっと早いかなぁ〜。」


 なるほど…。そういうやつなのか…。


「ふーん。そっかぁ。」


「そうなのよぉー。」


「じゃあ諦めよ。また大人になったら来るねぇ。」


「はーい。またねぇ〜。」


 先程の怪しい屋台があった裏通りを抜け、表通りへ戻ってきた。


「うーん。やっぱりロビンにもアクセサリーでいいか。」


 適当に目に付いた屋台でアクセサリーを買った。

 こちら銀貨3枚…お買い得…。多分。


 皆の分のお土産も買ったし父さんと別れたところに向かおう……と思ったが…。


「ここどこだろう…。」


 どうやら俺は迷ってしまったらしい…。


 とりあえず落ち着こう…。


 俺は息を深く吸って深呼吸をする…。


「よしっ、落ち着いた……かもしれない。……落ち着くわけないだろ…こんな知らないところで落ち着いてたまるか…。」


 ブツブツ言いながら俺はしゃがみこむ。


「ねぇ。君大丈夫?どこか具合悪いの?」


 誰かに声をかけられた…。顔を上げて声をかけてきた人物を見る。


「ほぇ〜。」


 美少年だ…。美少年がいる…綺麗…。

 黒い髪にアメジストを彷彿とさせるような綺麗な紫色の瞳…。


「だ、大丈夫?」


「……あっ、うん、大丈夫だよ!」


 いけない…ぼーっとしてた…。


「本当に?」


「うん!本当だよ!」


「しゃがみこんで唸ってたのはなんで?」


 うっ…道に迷ったことを言うべきか…。でも少し恥ずかしいな…。


「えっと…。」


「うん。」


 少年は真剣な眼差しで俺を見つめる…。

 えぇい!言ってしまえ!


「じ、実は道に迷っちゃって…。」


「え!なんだー。そうかそうか。」


 少年はほっとしたような表情をして言葉を続ける。


「道に迷ったってことは君はここの村の子じゃないの?」


「ん、この村の領主の息子だよ。」


「あー。なるほど。確か5歳になったら村に降りてこれるようになるんだっけか?」


「うん、そうそう!」


「じゃあ君は僕と同い年かな?」


「え、君も5歳?ていうか君っていうのやめて名前で呼んでよ。」


「うん、5歳だよ。名前で呼びたいのは山々なんだけど君の名前知らないんだよね。」


 はっ…!!そういえば教えてなかったな…。


「ご、ごめん…。僕はアベルっていうんだ。君は?」


「僕はクロード。よろしくねアベル。」


「うん!よろしく!クロード!」


 美少年の名前はクロードと言うらしい。名前もかっこいい…。


「うん!それでさ、アベル。道に迷ったってことはどこに行こうとしてたの?」


「お土産も買えたから父さんと別れたところに行こうと思ったんだけど…分からなくなっちゃって…。」


「うん。そうかー。別れた場所はどこか分かる?」


「分かんない。」


「アベルの家はあっちの方だよね?」


「うん。」


「家まで送っていこうか?」


「本当!?」


 なんだと…!!性格までいいとは…。


「うん!」


「ありがとう!」


「よし、じゃあ行こっか。」


 また迷子になったら行けないからと手を繋いで歩く。


 しばらく歩くと最初にご飯を食べた食堂を通り、ラットスと会ったところについた。


「確かここから一本道だよね?」


「うん。ついてきてくれる?」


「ふふ。ついてくよ。ちゃんと家まで送ってくって言ったんだからね。」


 はぁ。いけめん。


 イケメンクロードくんと家までの道を話しながら歩いているとあっという間についてしまった。


「あっ!アベル様!!」


 家の前を掃除していたカルラが俺に気づき走ってくる。


「お1人で帰ってきたんですか?クラウス様は?」


「いや、クロードに送ってもらって…。あれ?」


 先程まで隣にいたはずのクロードがいなくなっている…。辺りを見渡すがどこにもいない…。


「ねぇ…。僕を見つけた時僕の隣に誰かいなかった?」


「いえ…アベル様お1人でしたけど…。」


「そっか…。」


 幽霊かな……。でも俺はそんなものは信じないのでクロードが突然いなくなったことについては何も考えないことにした。


「あの…?そろそろクラウス様についてよろしいでしょうか?」


「あぁ…。うん。女の人の声が聞こえて…慌ててどこか行っちゃったよ…。」


「そ、そうでしたか…。」


「もう家入っていい?」


 カルラが道を塞いでいて通れないのだ…。


「も、申し訳ありません…!どうぞどうぞ!」


「ん、ありがとう。」


「はい!」


 カルラが塞いでいた道を通って家の中へ入る。

 中に入るとアリシア姉さんが物凄い怖い顔をして立っていた。


「た、ただいま…。」


「おかえりなさい。」


「あ、これアリシア姉さんにお土産…。」


 俺はアイテムバックから兎の髪飾りを出す。

 兎の髪飾りをみるとアリシア姉さんの表情は少し柔らかくなった。


「はい。」


「ありがとう。」


 アリシア姉さんに髪飾りを手渡すとすぐに髪につけた。

 やっぱり少し子供っぽかったな。


「どう?似合ってる?」


「似合ってるよ!」


「ふん!そうよね!」


 お土産で機嫌が治ったのか先程の怖い顔とは違い、今は満面の笑みを浮かべている。

 お土産買っといて良かった…。


 俺はアリシア姉さんの横を通り、リビングへと向かう。

 ちょうどリビングには母さんとロイ兄さん、アル兄さんが集まっていた。


「ただいまー。」


「「おかえり。」」


「あらぁ〜?おかえりなさい。」


「はーい。これお土産〜。」


 ロイ兄さんとアル兄さんにはバングルを。

 母さんには蝶の髪飾りを。


「「お揃いだ!ありがとうアベル!」」


「ふふ〜。ありがとう。ところでアベル?」


「ん?」


 なんだか母さんの雰囲気が変わったぞ…。


「お父さんはどこに行ったのかしら〜?」


「お土産買ってる途中で女の人の声がして、その後急いでどこか行っちゃったよ〜。」


 俺はカルラに説明した時とほぼ同じ説明をした。


「そうなのねぇ。」


「う、うん。あ!これロビンとリナとカルラに渡しといて!」


 母さんの雰囲気がやばめだったので俺は買ってきたお土産を兄さん達に押し付け、部屋に戻る。


 その数十分後父さんの叫び声が聞こえたのは聞こえなかったふりをした…。

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