第5話
可愛いですよね、うさぎ
ライト以外の魔法禁止令を出されてから4年後…。
5歳になった俺は朝、屋敷の庭でアリシア姉さん、アル兄さんロイ兄さんと共に父さんから剣の指導を受けていた。と言っても俺はまだまだ体力もないので素振りの練習しかしていないが…。
俺たち兄弟の中ではアリシア姉さんが1番剣の才能があるらしい。3歳も上の兄さん達を楽々と倒しているところからもアリシア姉さんの強さが伺える。
ちなみに俺はと言うと全く形がなっておらず度々父さんに形を直される。
朝の特訓が終わると母さんに『クリーン』という魔法をかけてもらい。汚れを取ってもらい朝食を食べる。
食べ終わったら魔法の練習だ。庭で母さんに見てもらいながら魔法を使う。
1歳の時に比べまだまだ魔力量はどんどん増えていってるしコントロールも聞くようになった。
水魔法と風魔法はとりあえず合格はもらったので今は土魔法を練習している。
「いいわよいいわよぉ。どんどん上達していくわねぇ。お母さん怖いわぁ。」
「あはは。でもまだまだだよね。」
「そうねぇ。」
まだまだだとは思っているがそうねぇと言われると傷つくぅ。
今日は午後から森に行くことにしていたので早めに切り上げる。
「ロービーンー!お弁当作ってー!」
「これまた唐突だなぁ。昼に出そうと思ってた料理を詰めたやつでも大丈夫か?」
「うん!大丈夫だよ!」
今のは料理長のロビンだ。くすみがかった赤髪にガラの悪そうな鋭い目つき色は黒色だ。いいね、黒色。
「はいよ。今日はどこに行くんだ?」
「森に行こうと思ってるんだ!」
「森か?ここら辺の森は魔物とかは出ないと思うがあまり奥にはいくなよ。」
「はーい!」
ちなみにこの世界には魔物がいるそうだ。と言っても俺はまだあった事がないのでどんな魔物がいるのかも分からないが。
森は家を出てからすぐの所にあるので父さんが月1で巡回しているため、魔物は出てこない。
っと、話しているうちに森の入口についた。
森の中には動物やキノコ、その他にもお金になりそうなものが沢山あるので兄さんと姉さん達はお小遣い稼ぎにたまに入るらしい。
1人でこの森に入るのは初めてだが1週間後に父さんと村の方に降りるのでその時に売るものを調達するのだ!目指せ!自給自足の生活!(意味が違う)
と、いうことで家から持ってきた籠を背中に背負って採取を開始する。途中で動物がいたら狩る。魔法で。
今日は1人なのでアイテムバックも使える。
採集したものをアイテムバック7籠3の割合で入れていく。帰った時に何も持っていないのはおかしいだろうからね…。
順調に採取していると向こうの方でガサッという音が聞こえた。
「なんだ?」
そーっと近づいてみるとうさぎが草を食べているところだった。
(おっ!チャンス!)
すかさず魔法を唱える。
『ストーンバレット』
石のつぶてがうさぎに向かって飛んでいく。
「ーーー!!ー!」
うさぎは声をあげずに絶命した。
「よっしゃ!」
ん?なんで生き物をこんな躊躇いなく殺せるかって?そりゃ前世でじいちゃんと一緒に狩りとかしてたしな。解体とかもできるんだぜ!って言っても今はナイフもないから出来ないんだけどな。
そして俺は狩った獲物をアイテムバックに入れる。アイテムバックは時間経過なしだから便利なんだよなぁ。血も漏れないし。
ぐぅぅうう。
「お腹鳴った…。」
お昼にするとしよう…。ロビンにもらった弁当を開けて食べる。
「ふー、食べた食べた。」
食べ終わった弁当箱の汚れを魔法で出した水でサッと洗い流した後、アイテムバックにしまう。
それと同じタイミングで弁当の匂いに釣られてやってきたうさぎを2匹狩る。これもアイテムバックにしまう。
「うーん、あと少し採取してから帰るか。」
その後俺は2時間くらい採取してから家に帰った。
次話はいよいよ村におります。