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第2話

  眩しい……。

  眩しさに目を開けると見たことのない場所に寝かされている。周りを見渡そうとするが上手く動けない。


  「(誰かいないのか?)あぅあぅばぶー。」


  「(は!?)ばぶ!?」


  な、なんだ…ばぶばぶ言ってるのは俺か?俺なのか?

  そんな趣味は無いはずだが…。


  「あらぁ?起きたのねぇ?」


  「(ばぶ!!?だれだ?!)ばぶぅぅ!!」


  足音が近づいてくる。


  「おはようアベル」


  「(お、おはよう…)ば、ばぶぅ…」


  そこにいたのは物凄い綺麗なお姉さん…。お胸が大きい…。アベルって俺の名前なのかな。


  「ふふっ。ねぇ!リナ!そろそろご飯の時間でいいのかしら?」


  「はい。奥様。そろそろ授乳のお時間です。」


  そういうとリナと呼ばれたメイドが俺を抱きかかえる。

  ん?てか今なんて言った?授乳?授乳の意味に気づいた時にはその大きいお胸は俺に向かってきていた…。


「(ここは天国か!)ぷはぁ!」


「よしよし。じゃあおねんねしましょうねぇ。」


「(はーい!)ばぶ!」


  こうして俺の転生1日目は幕を閉じた。


  今日1日で分かったことだが、俺はあの綺麗なお姉さんの息子で名前はアベルというらしい。

  それから上に兄2人と姉1人がいるらしい。

  あ、綺麗なお姉さんのことはこれから母さんと呼んでいこう。

  報告は以上だ。授乳の後なので猛烈な眠気が襲ってくる……。


 ----------------------------------------

  「アーベールー!おはよー!」


  「(おはよう)ばぶばぶ」


  今のは姉のアリシア姉さんだ。歳は5歳(これは最初に「私アリシア!5歳!」って言ってたから間違ってないはず。)燃え盛るような真っ赤な髪の毛に少しだけつり目のこれまた赤い目。母さん似の綺麗な幼女だ…。


  「ほら!アル兄!ロイ兄!今アベル返事したでしょ!」


  「うーん?たまたまかもしれないよ?」


  「そうだよアリシア。この子はまだ産まれたばかりなんだ。それにアリシアがこのくらいの時は名前を呼んでも返事なんかしなかったんだぞ?」


  今アリシア姉さんに話しかけたのはアル兄さんとロイ兄さんだ。どうやら双子らしく顔と行動がそっくりだ。

  2人とも茶色の髪に少し赤みがかった茶色の瞳。歳は8歳。

  ちなみに2人を見分ける特徴と言ったらアル兄さんは右に泣きぼくろがあり、ロイ兄さんは左に泣きぼくろがある。それだけ。正直言って同じ行動しかしないのでどっちがどっちか分からない。


「むきー!何よ!私だって返事くらいはしたでしょ?!」


「「あはは、僕達が呼んでも返事なんてしてなかったよ。」」


「むぅー。」


 アリシア姉さんが拗ねてるところに母さんが入ってきた。


「ほらほら。3人ともお楽しみのところ悪いけどそろそろ授乳の時間だから出てった出てった。」


「「「はーい。」」」


 3人が出ていくと授乳の時間が始まる。これはいくらやっても慣れない。


「ぷはぁ。」


「お腹いっぱい飲んだわねぇ。」


「あぃ!(はい!)」


 その日の夜。


『……!…えるか?聞こえるか?』


「(あれ?幼女の声?)ばぶ?ばぶぅ?」


『幼女…。そうじゃ…幼女じゃ…。』


「(どうしたの?)ばぶ?」


 なにか伝え忘れたことでもあったのかな?


『お主も赤ん坊で身動きが取れないままではつまらぬじゃろうと思ってな?1つだけ比較的安全に使える魔法を教えるのじゃ。』


「(まじ?!)ばぶ?!」


『あぁ、ライトという魔法でな、本来は辺りを明るくするために使う魔法じゃがまぁ問題は無いじゃろ。とりあえず魔法の使い方の説明だけしてわしは帰る。』


「(らじゃ!)ばぶ!」


『………以上じゃ!それでは頑張るのじゃよ!』


「(はーい!ありがとう!)ばーぶ!ばぶばぶ!」


『ふっ。あぁ。』


 …。幼女の声が聞こえなくなった。


 さてと。さっき教えてもらったことは今日はもう遅いから明日やろう。すごい眠いし…。


 俺は小さなあくびを1つして眠りにつく。

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