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第四話 町に到着!

チオの名前を、ナズナに変えると同時に一人称を僕からボクに変更しました。

 ほとんど真夜中と言っても過言ではないような時間帯。


「あ、あの!」

「ん? どうした?」

 ゆっくりと歩いている時にナズナな話しかけてきた。どうやら、ずっと気になっていたことがあるらしい。


「どうして、あの盗賊さんの傷を全部癒したんですか?」

「あぁ。それは、簡単なことだよ」



「次に敵対した時にも、潰せるでしょ?」

 つまりそういう事らしい。ナズナが一瞬で顔を青ざめさせた。


 実はあのゲームを考案したのは、一度目の異世界の女冒険者であった。盗賊のボスの息子さんだけを的確に踏み潰した後に、癒して去っていく。


 そして次また現れたらまた潰して……としていくと笑顔で言われた。ついでに、不埒なことをしたら貴方のも潰しますよ?とも言われたのを覚えている。


「あ、そうだ。盗賊に捕まったのってどのくらい前なの?」

「えー、と。一ヶ月前かな?」

 指折り数えて、そう告げた。小さく、あの野郎、もう少し潰しておけば良かったか、と呟いた。隣が一瞬ビクッとなった気がするがスルーしておこう。



「辛かっただろう。お、もうそろそろ町に着くな」


 そんなこんなしている内に、ようやく目の前に町の城壁が見えてきた。まだまだ門番は居るだろうか?いなかったら、野宿が決定するのだが。



「すいませ~ん。入国を希望するんですがっ!」

「なんだぁ? たく、気持ちよく寝てると言うのに。入国? はいはい、少し待ってろ」

 俺が叫ぶと少ししてからガラの悪い兵士が顔を出した。



「ちっ、なんだ。ガキが二人か。入国希望? 無理無理。めんど──」

「入国希望なんだが? それとも、城壁を切り崩して入った方がましか?」


 即座に《空喰》を取り出して兵士の横ギリギリに突き刺す。一瞬で眠けが覚めたかのように冷や汗を流し始める。



「俺達兵士にこんな真似をしていい思っているのか?」

「もちろん。それと、旅人の入国を拒否しといて丁重に扱われると思っているのか?」

 《空喰》が兵士の横から消える。だが、プレッシャーで兵士が尻餅を着いてしまっている。


 ナズナはおろおろしているし。



「たく、ドド。お前が悪いぞ。すまんな、嬢ちゃん達。入国希望だったな。犯罪でも起こさん限り審査はいらないぞ。せめてもの詫びに、特別にな」

 兵士の後ろから現れたのは、少しだけ鎧の豪華な兵士だった。部隊長的な感じの人だろう。


「重ねるようで悪いが、換金はできるか?」

 謝られたなら、その後は調子に乗らずに対等な立場で交渉を始めないといけない。

 謝られて、調子に乗るのは人として駄目だ、というのが俺の持論だ。


「もちろんだ。俺の前職は両替商だしな」

「なら、この銀貨を交換してくれないか?」


 ピン、と投げ渡した三枚の硬貨を見事にキャッチした兵士。


「これなら、金貨一枚と交換できるぞ」

 割りと高めの査定が出た。この銀貨、実は六万枚は超えている。


「なら、交換してもらえるか?」

「あぁ。もちろんだ。これでいいか? それと少し待っててくれ」

 少し待って、男から一つの地図と金ピカの硬貨を一枚貰って城門から町へと入っていた。



「そうそう。嬢ちゃん達、全身が大変な事になっているから、風呂付きの宿に泊まれよ! その地図の通りに行けば大丈夫だからな」

「何から何まで感謝する!」

「ありがとー!」


 二人は、宿に向かって歩き出した。どうやら近くにあるようだ。それにしても、ものすごく見やすい地図である。


 すぐに宿に着いた。宿の扉を開けると、半目だけ瞑った男が店番をしていた。俺の姿を見て、若干引いている。


「いらっしゃい」

「長期間、部屋を借りたいのだが」

 ナズナはずっと俺にくっついたままだ。人見知りが激しいのだろう。


「風呂付きの部屋。一週間で金貨一枚」

「それで頼む」

 換金してもらった金を全て使うことになってしまうがまぁ、大丈夫だろうと一週間分の宿を借りた。


「風呂、朝は男。夜は女。昼は混浴なってる。今、人いない。血だらけの体、丁寧に洗うといい」

 そう言いながら、風呂場に案内してくれた。どうやら、銭湯のような感じらしい。かなり清潔に保たれている。



「なら、おかまいなく。今回だけ、風呂場の前に立っとく。中、入らない。安心して」

 間違っても血だらけの少女を風呂場で見たくはないだろう。


「助かる。じゃぁ、入ろう」

「ボク、後で入るからさ。先に入ってよ」

 ナズナが遠慮がちにそう言った。


「あー、うん。そうだな」

 そう言って、先に入ることにした。確かに女の体だからと言って、本当の異性と風呂に入るなんてあってはならないもんな。




「じゃぁ、先に入ってくる」

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