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第十ニ話 なんでシオンさんが?

 疲れた。それも、とっても疲れたよ。この村長さん、まったく話を理解してくれないよ。どうして! 多分、ボク史上最高に分かりやすい説明だったよ。


 ぬぐぅ。でも、やっと理解してくれたよ。



「あぁ。そう言うことでしたか。なら大丈夫ですよ。こちらの装置のバッテリー切れだったみたいです。これで依頼達成です」


「おや? もうこんな時間。あなたも、夕飯を食べていって下さいよ。寝る場所もありますし。せめてもの歓迎です」



 やったぁ。もう、お腹ペコペコだったんだよね。いつも、サンドイッチとかばっかりだったから久しぶりに、たくさん食べようかな。


 あぁ、でもなぁ。体型が……



 最近少し丸くなってきたような気がしないでもないしなぁ。んー。悩ましい!




 一人でうにょうにょ考えていたら料理が出来たらしい。え? 嘘。速くない? せれともそんなに考え事していたのかな?



 うん。めっちゃ赤くないこの料理。これ、あれでしょ? 所謂、激辛料理って言うやつ。知ってるよ。物凄く辛いんでしょ。え、嘘。皆さん、普通の顔? こんなの食べてるの?


「うわぁ、おいしそうですね!」

 うん。きっと、食べれないものは出てこない、はず。ほら、他の人達も食べてるから大丈夫だよ。


 という訳で、一口食べるっ。




「ふごほっ! ごぼっ。ごぼっ」

 辛い! と言うよりも痛い! ヒリヒリするんだけどっ。何この嫌がらせ、嫌がらせが過ぎるよ。


「水、水っ。………………辛っ」

 なんで水までが辛いの? え、寒さを和らげる為? 絶対に違うでしょ。というよりも皆、我慢して食べてるでしょ。



「水生成っ」

 またごっそり魔力を抜かれたけど、仕方がないよね。しかも詠唱しなかったから、さっきよりも魔力を多く使ったよ。


 でも、口の中の痛みは治まったよ。良かった。



 あ、これ。知ってるよ。魔力欠乏の症状だ。駄目だ。意識が……




※※※




「大丈夫か? ナズナ」

「んんっ。あれ? シオンさん?」

 辛すぎて頭がおかしくなっちゃったかな?シオンさんが見える。だって、シオンさんは離れた違う村に行ってたんだから。


「どうして、シオンさんが、ここに?」

「あぁ。こっちの依頼は達成したからな。ナズナが心配になってな」


 うぅ、素直に嬉しいです。心配してくれていたなんて。ボクのために。



「さて、今回の依頼の目的は個人の実力を測るため、だな」

「「よく分かりましたね」」


「そ、村長さんが二人っ」

 そこには、村長さんが二人います。まったく一緒です。怖いくらいに。



「この依頼は、問題を起こしそうな新人がいかに無力かを知って貰うための依頼です」


「あなた達はほとんど引っかからなかったですがね」



 そ、そんな意味があったんだ。知らなかった。と、言うよりも気がつかなかった。さすが、シオンさん。



「異常な程の落とし穴とか、激辛料理とか」

「あ、後。着替えが消えたのも?」


「え? 着替え?」

 シオンさんが物凄く不思議そうな顔をしています。あれ? 引っかからなかったのかな?


「えぇ。そうです。全て、状況判断力等を試すための悪戯です」

 うわぁ。清々しい笑顔で村長さんが言ってる。隣でシオンさんが、イラッとしてるのが分かる。ぷるぷるしてるもん。



「シオン様は、Cランクから。ナズナさんはDランクからの始まりです」


「そうか。分かった」

「はいっ、了解です」


 ボクもこれで、ハンターです! 頑張っていかなきゃ。



 だが、突如。遠くで轟音が聞こえた。それは、詩音のいた村の方向から聞こえたものだった。


「ちっ。何が起こった?」

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