守られてる感がハンパない件
ポッチ視点になります。
こんにちは、ポッチです。今日は自由な風さん達と洞窟に来ています。
「ここはどうだ?」
「ぴゅ…」
「違ウ」
まあ、最初から見つかるはずないよね。
結果、見つからなかった。
「えええええ…なんで!?」
「…その子、密猟されたのよね?もしかしたら、公にされてない場所があるのかも」
クリスタルラビットはその美しさと愛らしさから乱獲されており、生息地は監視されてるらしい。その可能性はあるかも。
「…ジェンドのお父さんに聞いてみようか。」
ジェンドのお父さんはなんとなく穴場に詳しそうだ。
「あるぞ!」
ジェンドのお父さんに案内された。王都近くの自然洞窟。ひんやりと涼しい。
「ここだ!」
「ぴゅ!ぴゅい!」
「こコ!ここだヨ!って言ってル」
早速探検………あれ?
「ジェンドのお父さんも来るの?」
「暇だからな!ついて行って「駄目だ」
ビネさんが断った。
「ポッチからの依頼で、俺達はポッチの護衛をしています。仕事を横取りするのはマナー違反です。案内は助かったが、それ以上は不要です」
「きゅーん」
理路整然とミルラさんに言われて、しんなりするジェンドのお父さん。
「…戻ったら呑もうぜ?」
「わかった!」
ソールさんのフォローで単純なおじさんは復活した。
さて、入ってみたら洞窟はとても綺麗だった。ヒカリゴケがあるらしく明るいし、クリスタルがたくさんあって光でキラキラしている。
「うわあ…………」
僕は蜘蛛になったミヅキさんに乗っているから手早くスケッチをした。頭にはクリス君。
「ぴゅ、ぴゅい」
「そコ、右に曲がル」
魔物がまったく居ないわけではないみたいだけど…
「主の大事なポッチを傷つけようとする奴、許さなイ!シャアアア!」
「ぴゅいいい!!」
なんというか、出現したらミヅキさんが前方、クリス君が上を攻撃してすぐに滅している。僕、乗ってるだけ。超守られてます。
「なんでかしら…前にも似たようなことが…」
「姫さんだろ」
「俺ら、いらなくね?」
「……だな」
いかん!自由な風さん達のやる気が著しく低下している!!
「そんなことありません!有能で経験豊かな皆さんがいてくれて、僕心強いです!」
僕、めっちゃ守られてます!!
あと余談ですが、ソールさんはミヅキさんが好みだったらしく、蜘蛛の魔獣と知ってガッカリしてました。
そんなやりとりをしていたら、到着したらしい。
「ぴゅ、ぴゅぴゅーい!」
「こレ、これがボクが言ってた奴だヨ」
「……………」
石を検分する。透明度も高く、すてんどぐらすにするには申し分ない。高温で加熱すれば不純物も取り除く必要がないぐらいだ。様々な色がある。とても綺麗だ。
「あ」
小さな赤い宝石のようなクリスタルラビットと目が合った。
「「……………」」
お互いみつめあう。綺麗で可愛いなぁ。でもよく見たら震えてる。怖がらせちゃったかな?
「怖がらせてごめんね?これ、食べるかい?」
ポケットからおやつのクッキーを取り出して渡した。一瞬ビクッとしたけど、すぐクッキーの匂いを嗅いだらクッキーを奪って逃げた。
野性動物に餌付けをしてはいけません。そんな言葉を聞いた覚えがある。
『………………』
僕は、大量の小さなクリスタルラビットに乗っかられていた。小さなクリスタルラビット達は10センチぐらいで、とても可愛らしい。
「耳はくすぐったいったら!クッキーはみんなあげちゃったから、もうないよ!」
最初怯えてたのが嘘みたいになつかれまくってしまった。
下りるよう促すが、クリスタルラビットは下りない。仕方ないからそのままスケッチをしだしたら、下りてきて首をかしげてスケッチを見ている。か、可愛い!ロザリンドお姉ちゃんが喜びそうだな…
好奇心旺盛らしく、スケッチに描かれた自分達に興味津々だ。そのうち描け描けとテシテシされた。まぁ、描くけどね。ロザリンドお姉ちゃんに見せてあげよう。きっと喜ぶ。
「ぴゅぴゅう」
「えッ…?くっきーのお礼に仕えてやル…」
最初に会った赤いクリスタルラビット君に言われたけど、首を振った。
「いや、もうそういうのは大丈夫…」
うちの絵達でお腹一杯です。
「ぴゅう…」
「ぴゅうう…」
一斉に小さなクリスタルラビット達が目で訴えてきた。
「ど、どうしよう…」
結局、綺麗なクリスタルを一緒に集めてもらうことに。
「でも、君達のご飯じゃないの?」
「ぴゅ、ぴゅい」
「違ウ、食べるのは濁った色」
「ぴゅうう」
「……透明は食べた後のやツ」
つまり、これはクリスタルラビットのう○こ……いや、気にしない!
「ぴゅぴゅうう!」
「こっちがトイレだからたくさんあル」
「…………ありがとう!」
使うには問題ないよね!大量にゲットしました!気にしないったら、気にしない!!
高級コーヒーにもありますよね。似たような…………気にしないんだから!飲食する訳じゃないから、アリですよね!




