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ポッチの材料探し

 ポッチ視点になります。


ざっくり紹介

冒険者パーティ・自由な風

元はマーサ達の後輩に後輩にあたる。

マーサから紹介されロザリンドから信頼されとんでもない依頼をされた。

詳しくは前作をチェック!


 大変な騒ぎになっちゃったけど、予定通り世界中の綺麗な場所を見ることができた。結果、すてんどぐらすの下絵が完成した。後は素材を探して作るだけだね。


 というわけで、クリスタルラビットのクリス君の話を進化したミヅキさんに通訳してもらうことにした。通訳といえばもふ丸だけど、もふ丸は案外腹黒なもふもふだからミヅキさんに通訳してもらうといいよってコウに言われたんだ。見た目、白いのに変なの。


 すてんどぐらすは硝子で作るのが普通だけど、せっかくだから良いものを作りたい。クリス君はコクコク頷き、協力を惜しまないと言ってくれた。


「ぴゅ、ぴゅーい!」

「それなラ、自分の故郷にたくさんあル」


「ぴゅう、ぴゅぴゅう!」

「色つきがらす、高熱で溶けるがあル。色も混ざル」


「…クリス君の故郷ってどこ?」


「「…………………」」


 わからないらしい。よく考えたら、クリス君は拐われてきたんだものね。なら、別の人に聞いたらいいよね。






 なので、やってきました冒険者ギルド!ここならクリス君達の生息地がわかるはず!高熱で溶かせる色ガラス的なものは、彼らの主食なんだそうだ。肉も野菜も食べるクリス君達だけど、故郷には外敵がいないし、色ガラス的なものは彼らにとってまぁまぁ美味しいらしい。

 つまり魔物があまりいないクリスタル素材が採れる洞窟を聞けばいい。


「お?ロザリンドちゃんとこの…」

「ポッチです。こんにちは」


 ベテラン冒険者の『自由な風』さん達に逢えるなんて運がいいなぁ。幼少時に遊んでもらったりしていてよく知っている、信頼できる大人達だ。声をかけてくれたのは、リーダーのソールさん。いつもフレンドリーで話しかけやすい。事情を話したら、いくつか候補地を教えてくれた。


「何話してんだ?ソール」


 ミルラさんが来た。挨拶をすると、でかくなったなと頭をわしわしされた。ミルラさんはちゃんと加減して撫でてくれる。


「あら、ポッチ君?」

「久しいな」


 シュガーさんとビネさんも来た。自由な風、勢揃いだね。


「おー、ビネ!どうだった?」


「めぼしい依頼はないな」


 ますますチャンスだ!


「あ、あの!指名依頼を受けていただけませんか!?」


 僕は詳しい事情を説明した。


「別に俺たちじゃなくても大丈夫じゃないか?それこそ紫水晶の護りに頼むとか」


 ミルラさんが首をかしげる。でも、それでは駄目なんだ。


「いえ、僕は今回依頼をしに来ました。今回の作品を僕の最高傑作にしたいんです!そのために、妥協はできないんです!紫水晶の護りは友人ですから、甘えが出てしまう…それではダメなんです!」


「…そうか」


 ビネさんが頷いた。


「それに、自由な風さん達は信頼できる大人です。僕が獣人だからと馬鹿にしたり見下したりしない。そんな冒険者さんは貴重なんです!」


 ロザリンドお姉ちゃんのおかげで、表立った獣人差別は激減した。それでもまだ残っている。信頼できる冒険者に依頼したいと考えるのは当然だ。自分の命を預けるのだから。


「これ、僕の全財産です!お願いします、依頼を受けていただけませんか!?」


「おい、ここまで言われて仕事を受けねぇとか、男が廃るよなぁ?」

「そうだな」

「ああ」

「私は女だけど、受けないって選択肢はないわね」


「ありがとうございます!」


 皆笑顔で頷いてくれた。僕がミルラさんにお金を渡す。お金を確認したミルラさんが固まった。そして頭を叩かれた。


「バカ!」


「??」


「玩具の金でも入ってたか?」

「そんならまだ可愛いげがあるけど、逆だ!逆!!ああもう、ギルド員に相場聞いて正式依頼にしろ!手数料のが格段に安くつくわ!」


 報酬が多すぎたらしい。ミルラさんに超叱られてしまった。でも、報酬が多すぎて怒るなんて…やはり彼らは信頼できる大人なのだ。

 何かあった時用に僕個人でコツコツ貯めてたお金だから、今が使うべき時だと思ったんだけどな。




 ギルド員さんもなんかひきつってた。なんでだろうか。しかし、かなり丁寧に相場を教えてくれた。確かに手数料の方がめちゃくちゃ安かった。

 感謝を込めて報酬は相場より高めにした。


「いいのか?」


「はい。次があるかもしれません。いい依頼者として覚えといてください」


「はっ、気に入った!次がありゃ、俺らを指名しろよ!」


「はい!」


 こうして、僕は自由な風さん達と洞窟に採取に行くことになりました。


「しかし、お前みたいな子供に大金を渡すとは…」


「え?あのお金は僕が自分で稼いだお金ですよ?」


「は?」


「僕、絵とか彫刻とか売って稼いで「ポッチ君!」


「あ、カーライル公爵様」


 馬車からカーライル公爵様が降りてきました。頭を優しくナデナデされる。


「いや、この間の絵は素晴らしかったよ!是非また新作ができたら声をかけてくれ!」


「あ、はい」


 カーライル公爵様はお父さん…ロザリンドお姉ちゃんのお父さんにプレゼントした風景画を気に入ったので親バカなお父さん経由で紹介されたお客さん。


「あ、そういえば…カーライル公爵様が気に入りそうな絵がありますよ」


 カーライル公爵は水辺の風景が好きだから、こないだ描いたやつはどうかな?水車がある、川と畑の風景。自分でもいい出来だと思う。


「素晴らしい!是非買わせてくれ!!」


 カーライル公爵様は喜んで買ってくれました。


「さっそく飾らねば!良い品をありがとう!!」


 カーライル公爵様は嬉しそうに去りました。基本、僕は価値がよくわからないから相手の言い値で売ってます。

 ポカーンとしている自由な風さん達。え?なんかおかしかった??


「ポッチ…お前すごいな」


 ニカッと笑ってソールさんが撫でてくれた。


「??」


「あの絵…綺麗だったわ」


 わぁい!絵を誉められた!嬉しいなぁ!


「自信作だったんです!水辺の風景って綺麗ですよね。うふふ、公爵様は高値で買ってくださるから、このお金はまた寄付しなきゃ」


「…寄付?」


 ビネさんが首をかしげる。


「ああ、僕は孤児なんです。だから育った孤児院に稼ぎの半分を寄付してるんですよ。お金があれば、子供がたくさんご飯を食べられるでしょ?」


 お腹いっぱいご飯を食べられるのは幸せだよね。ニコニコして言ったら…

 なぜか自由な風さん達が泣き出した。


「だ、大丈夫ですか!?僕変なこと言いました!?どこか痛いの!?」


「大丈夫、お腹いっぱいは幸セ」

「ぴゅい!」


「だよねぇ」


 ミヅキさんとクリス君が同意してくれた。お腹いっぱいは幸せだよね。

 復活した自由な風さん全員に撫でまくられたけど、なんでかわからなかった。

 ポッチは引きこもり気味なので部分的に常識がありません。根っこは真面目なよいこです。


 実はかなりの高給取りでゲータや下手するとジェンド達より稼いでいます。

 ジェンド達は採算度外視な依頼も受けるので収入に波があります。

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