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ちんちくりんかの本気!

 ロザリンド視点になります。

 コルド遺跡を探し続けるが、ポッチは見つからない。ついに凛花が提案した。


「こうなったら、全員集めてくださいッス!ローラー作戦ッス!」


 ちんちくりん…じゃなかった、自称名探偵リンカはその強化された知力を最大限に発揮して作戦をたてた。興味あるものには異常なまでの記憶力を発揮する凛花は、コルド遺跡の構造を罠から隠し部屋まで完全に把握していた。凛花により作成されたコルド遺跡マップを使い、私ことウルファネアコマンダーのロザリンジャー感知範囲も考慮して捜索範囲を指定した。


「…リンカの頭はどうなってんの?確か、コルド遺跡は初めてだよね?」


「神がもたらした知識チートってやつッス!」


 ジェンドはいまいち納得しなかったようだが、それ以上の追求もしなかった。

 実際、シヴァが作ったゲームマップがまんまなのである意味知識チートなのは正しいが、普通はマップを完全に記憶するなどできない。半分はシヴァのせいだが、半分は凛花自身がおかしいと私は思っている。


 そして、ジェラルディンさん抜きでローラー作戦を実行した。






 結果、地下30階のボス部屋に到達した。






 全フロアを探索したが、ポッチはいなかった。探してないのはここだけだ。まさかのポッチ無双である。ボッチだったはずのポッチ…本当に何があったのだろうか。力を手にして益荒男に…なるわけはないな。ポッチはポッチだ。

 全員(ジェラルディンさん以外)で緊張しつつボス部屋に入ったが…………




「あれ?」





 まさかの、ボス不在。

 え?ボスが留守とかありなの??え!?こんなの初めてなんだけど!??


 ボス部屋は完全にもぬけのからでした。どーすんだというか、どうしたらいい?ボス戦で勝利したら自動で入り口に転移しちゃうから、念のため入り口には急ぎの仕事だけ片付けて駆けつけたジャッシュと凛花に結界サンドされてようやく抜け出せたラヴィータが待機しているが、そっちからも連絡がない。


「おお、ポッチはダンジョンマスターに気に入られたのか。多分住処に招待されたな」


「はい?」


 ジェラルディンさんが後からやってきてそう言った。勝手知ったる他人の家とばかりに、凛花も知らない隠し部屋をあけた。





 そして、そこはとても綺麗な場所だった。





 キラキラした財宝を照らす、柔らかな光。色とりどりの光の玉と…




 虹色に輝く心臓。双頭でクリスタルの体のグリフィンと、それをスケッチするポッチ。そして、周囲を走り回る4人。


「ロッザリンドォォ!」

「わはははははは!!」

「「きゃはははは!!」」


 顔だけ私に似たジェラルディンさんレベルのハッスルなマッスルレディと、とても見覚えがあるハッスルなマッスルと、ものすごく見覚えがある可愛い双子の天使達だった。


「おお、俺がいるな!」

「おお、俺がいるな!」


「うわ…これ見分けがつかないレベルでそっくり…」


 並べてみると、ハッスルなマッスルことジェラルディンさん達がさらにそっくりだとわかる。

 あれ?どっちが本物だったっけ?まずい、ガチで見分けがつかない!


「「わはははは!!」」


 マジでわからん!あれ?どっちが本物!?あれれ??


 混乱する私。あや?ディルクのご様子が…


「…ロザリンドは、俺のお嫁さんはもっと可愛くて綺麗だ!あんなムキムキじゃない!!」


「え!?そこ!??」


 私的にはアレは別物過ぎてどーでもいい。


「そうですわ!ロザリィはもっと可愛くて上品で素敵ですのよ!品が足りないですわ!!」


「え!?そこどうでもよくない!??」


「…諦めろ。ミルフィはああなると止まらない」


 シーダ君が何やら悟りをひらいていました。何かあったんですか!?


「貴女!ロザリィへの冒涜ですわ!謝罪なさい!」


 まさかの謝罪要求である。恐らく私に顔だけ似た偽物はポッチにあげたツヨシにより産み出された存在だ。それはあまりにも理不尽では…


「ロッザリンド……」


 何故かロッザリンドとしか喋れないらしい私の偽物は、しょんぼりしながら頭を下げた。素直だな!


「わかればよろしいのよ」


 いや、何が!?


「……やっぱりロザリンドはロザリンドだよね」


 ディルクもなんかよくわからないけど納得したらしい。だから、今のやりとりで何がわかったの!?



「ポッチ、ケガしてないにゃ?」

「ポッチ、心配したよ!」

「ポッチ、うちのバカ親父がごめんね!」

「無事か…」

「…………良かった(ウルウル)」


「…………………」


 しかし、肝心の本人(ポッチ)は一心不乱にひたすら絵を描いている。


「すいません、吠えるポーズお願いします」


「おお、こうか?」


「はい、素敵です!綺麗でカッコいいです!」


 ポッチはボスと思われるクリスタルなグリフィンにニッコリ笑うと、また筆を動かして絵を描いていく。


「にゃー…ポッチしゅーちゅーもーどなのにゃ…」


「呑気だな…ポッチらしいけど」



 ポッチはそんなマリーとエルンストの会話も聞こえていないらしく、ひたすら絵を描いていく。


「次は翼をあげてください。そう、両方です!ああ、なんて素晴らしいんだ!」


 確かにあのグリフィン、どうも左右で属性が違うらしく、翼を上げると右から火の粉、左から氷の粒が舞ってとっても綺麗だ。


「はぁ…本当に綺麗だ…!モデルになってくださって、ありがとうございます!」


「う、うむ…」


 うっとりしながらもポッチの手は止まらない。クリスタルなグリフィンもまんざらでもない…というか、かなりどや顔だ。確かに綺麗だし、誉められれば悪い気はしないのだろう。


 しかし、何故こうなったのか説明してほしい。

 マジで、どうしてこうなった!??

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