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完全無欠の似たもの夫婦

 ディルクにドレスがどうにかなりそうなこと、今日の騒動について話をしました。


「…一応、フィズから連絡が来たよ」


 ディルクはすでに報告を受けていました。苦笑しながら頭を撫でてくれました。


「なんでこう、私の一言でとんでもないことになるんだろうか…」


「…ロザリンドが愛されてるから?」


「oh……」


 ヤバい。否定できない。既にもふ丸&白雪君マルガリータ事件、栗栖君ひび割れ事件が起きている。


「ロザリンドはなんだかんだで優しいからね。何かしたくなるんだろうねぇ」


「えー?別に何かした覚えはないよ?」


「魔獣さん達の命はロザリンドのおかげで救われたからね。あれ?忘れちゃった?あの子達、オークションで売られるところだったでしょ?商人にひどい目にあわされてさ」


「あ」


 そういやそうでした。ずいぶん昔の事だから忘れてた。うちの魔獣さん達、義理堅いよね。


「…俺も君に救われたんだよ。ロザリンドからしたら大したことじゃないかもしれないけど…された方は個人差はあるだろうけど、ちゃんと覚えてる」


 背中から優しく抱きしめられました。


「…私も、ディルクに支えてもらってたくさん助けてもらったよ」


 カーティスの時や、邪神に取り込まれそうになったとき…いつも支えてくれたのはディルクだった。


「そうなら嬉しいけど…ロザリンドがしてくれた…いや、してくれている事には足りないと思うよ。ロザリンドは俺の世界を変えてくれた」


「大袈裟だよ」


 ディルクの世界を変えたのは、彼の努力と人柄による部分も大きい。私が関わったといっても、せいぜいきっかけにすぎない。


「…大袈裟なんかじゃないよ。ロザリンドがいなかったら、フィズとわかりあえなかった。フィズはあのままだったら、取り返しのつかない罪を犯したかもしれない。それに、獣人差別がこんなに緩和しなかった。ロザリンドってきっかけがなかったら…俺はまだきっと騎士で、リンが好きだった『ディルク様』に多分、なってた。頑張って獣人差別と戦うなんて考えもせずに逃げるように剣を振って生きていた。ね?ロザリンドは俺の未来を変えたんだ。君に会えて…俺は幸せだ」


 私に穏やかに、しかし熱っぽく語るディルクがかっこよすぎてどうしよう。どうしようもなくときめくんですが!


「あ、えと…わ、私もディルクに会えて、結婚して、今幸せ…です」


 照れる!なんかキュンキュンしちゃう!


「ああもう!可愛いなあ!」


「ぎゃっ!?」


 ディルクは目がおかしいよ。抱きしめられてぎゃっとか言う女は可愛くないよ!しかし、ディルクの撫でテクの前では些末なこと。気持ちいい~。


「ロザリンドは可愛いなぁ」


「ディルクに撫でられるの、大好きです。はわ~、幸せ…」


 最近は甘えっ子ロザリンドなのです。ディルクは甘えると喜ぶし、どれだけ甘えてもディルクは喜ぶだけで嫌がらないのでつい…ディルクのお膝に乗ってナデナデを満喫します。

、おや、ディルクの尻尾が絡んできました。素敵なもふ心地です。天国じゃああ!


「ふふ、猫みたいだね」


 ディルクにスリスリしたら、そう言われました。


「ディルクに似たのかな?にゃあん、旦那様だぁいすき。可愛がってほしいにゃん」


 ポーチから以前頂いた猫耳と尻尾をつけて、にゃんこ風に甘えてみました。


「………………」





 ディルクが真顔です。





 似非にゃんこはダメだった!?怒った?猫と豹は別物だと?それとも、気持ち悪かった!?真顔になるほどに!?


「うにゃん?」


 誤魔化そうとあざとく首をかしげてみた。あ、ディルクが赤くなった。あれ?すごいわ、この尻尾。私の意思で動く。ディルクの腕にじゃれている。耳もぴるぴるできる。前使ったときはそれどころじゃなかったもんなぁ…


「くっっそ可愛い!何このかっっわいい生き物は!!」


「…ロザリンドですにゃん」


 またはロザにゃんこでも可ですにゃん。良かった。ディルクは怒ってなかった。悶えていた。

 しかし、相変わらずディルクの感性はおかしい。ミルフィみたいな可愛い系ならまだしも、私みたいな意地悪顔がぶりっ子したって可愛くないだろうに。一生わかりあえる気がしない。


「うちのロザリンドは可愛いなぁ……あああああ、可愛いなぁ…」


 ディルクは魅了されたらしい。おかしくなっとる。この猫耳と尻尾のせいか!?猫耳萌え、恐るべし!

 しかし、ディルクの目がおかしいと言いつつ大好きなディルクに可愛いと言われれば悪い気はしないチョロザリンドなのです。


「ゴロゴロ…にゃあん」


 ここぞとばかりに甘えるロザにゃんこですにゃん!


「なんて可愛いんだ…!もう我慢できない!」


「……にゃんですとぉぉ?」


 ディルクさんにお姫様抱っこで運搬され、ベッドで可愛がられてにゃんにゃん言わされてしまいました。








「すいませんでした。ロザリンドが可愛すぎて…可愛すぎて…今も可愛い…!!」


 あまり正気にもどってないディルクさんからモーニング土下座をいただきました。


「…いいの。ロザにゃんこはディルクだけに可愛がってもらう生き物なの…にゃん」


 へらりと笑ったら、ディルクが床でのたうち回っていた。


「うちのお嫁さんが可愛すぎて辛い!!破壊力が凄い!!可愛くて綺麗でエロくて優しくて料理上手で甘え上手とか、完璧すぎる!!」


 ねえ、ディルクさん…それ誰?

 料理は得意だけどさぁ、私はわりとがさつで色気ないし、甘え下手だと思いますよ?


「とりあえず、ご飯作ろうか」


「……ご飯よりロザリンドが食べたいなぁ」



 あ、これはあかんやつや。



 そして、私は本日学校をお休みしました。今度から猫耳はお休みの前日に使おうと思いました。


 そしてようやく猫耳萌えの呪縛から解き放たれ、平謝りするディルクを見て『可愛くて綺麗でエロくて優しくて料理上手で甘え上手』なうえにかっこよくて真面目でモフモフなディルクこそ、完全無欠のマイハニーだと思いました。

 どっちも超チートだけど相変わらず自己評価が低めな二人なのでした。

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