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究極のメニュー

 本人はまだ学びたいことがあったようですが、一通りダンの修行が終わったので戻ってきたとのことでした。


 ダンの料理は数段階レベルアップしていて、どちらかといえば美味しいけどやや雑だった盛りつけが芸術品レベルにまで昇華されていました。料理人の本気スゲェ。いや、異世界料理がスゴいのかな??両方だね、きっと。


「やっぱこっちの方が素材の味が強いな…」


 ダンは向こうで結婚式のフルコースについて考え続けてくれていたそうで、試作の料理をふるまってくれました。特殊素材がなくとも、どれも絶品です!


「おいし~」


「お嬢様にそう言ってもらえるのが一番の褒美だな」


 ダンはにっこり笑って頭を撫でてきました。彼にしてみたら、私は孫ぐらいの小娘です。彼は私を対等に扱いつつ、めっちゃ可愛がってくれます。


「お嬢様が食いたがってたらーめんも修行してきたぞ。あと、かれーな」




 な ん だ と !?




「結婚式には出せないけど、ラーメン食べたい!超食べたい!何ラーメン!?」


「塩海鮮か豚骨か醤油なら、仕込んどいたから昼に食えるぞ」


「ダン、大好き!!」


 そして私は、贈り人の友人達を緊急召集しました。


「緊急事態です!ラーメンスクランブルです!」


「意味わからん!!」


 彼方さん、ツッコミありがとうございます!ラーメンハイテンションだから仕方ない!食べたかったけどめっちゃ手間かかるし、麺打ったことないから手を出せなかったんですよ!


 そして、凛花、優姫、彼方さんが来た。残念ながら真琴は仕事により不参加。ガチで泣いていたので今度差し入れする約束をしました。気持ちはわかる!ラーメン食べたいよね!


「うあぁ…んまいッス、最高ッス!!」


「はふはふはふはふ…うまい」


「いや、ロザリンドちゃん家のダンさんスゲーわ。超うまい!店出したら俺通うわ!むっちゃうまい!」


 皆でラーメンを満喫しました。餃子は私が作りましたよ。はああ…幸せ。更に余ったスープと麺をフリーズドライすることに成功!異世界でのカップラーメンを開発し、冒険者ギルドの超売れ筋商品となったのはまた別の話。






 さて、ラーメンによりスーパーラーメンハイテンションロザリンドが出現しちゃう等のトラブルがありました。まだカレーパーティも控えていますが、本題に戻ることになりました。


「これが、俺が考えた結婚式のメニューだ」


 ダンが考えたメニューはフルコースなのですが、どちらかといえば懐石料理より。ただしフォークとナイフで食べられる工夫が随所にされています。

 お米は〆のお茶漬け、雑炊、炊き込みからチョイス。もちろん白米もありです。

 料理人さん達は神妙に味を確かめてますが、基本うまいしか言ってません。


「…どうだ?」


「最高です!」


「いや、まだだ。これはあくまでも『普通』の素材だ。至高のフルコースにするために、この材料が欲しい。素材によってはこの味付けでは駄目だろう」


 私は食材リストを渡されました。内容を確認する。隣からリストを覗きこんだクリスティア王宮料理長さんが真っ青になりました。


「おまっ、こんなの無理だろ!国家予算でも足りないぞ!」


「いいえ…任せてください!SSSランク魔物組合、ブラックリスト入りをうっかり果たしちゃったうえに『暴食のロザリンド』とまで呼ばれたこの私が、狩れない獲物なんてありません!」


「…え?狩るの?買うんじゃないんですか?」


 料理長さんに…いや、ダン以外にドン引きされました。


「お嬢様は普段から俺に土産だって気軽にSランクを狩ってくるからなぁ。大丈夫だとは思うが、気をつけて狩ってきてくれ」


「あははは、ついでだからね。それから、これとこれはもっと上位ランクを狙いたいです」


「…マジか」


「こっちとこれは在庫があります。何を使うかわからなかったので、色々貯蔵してありますよ」


「マジか」


 ダンは隠れ家の貯蔵庫を料理長さんと物色しに行った。


「嬢ちゃん、あの部屋はヤバい。宝物殿レベルの宝の山じゃねえか!!」


 よくわかんないけど、叱られました。いや、だから使うかもしれないからジェラルディンさん連れて狩りまくったんだよ。ヴァルキリーも存在意義を見失うとか言うから、久しぶりに一狩り行って大量に狩ったんだよ。久しぶり過ぎてヒャッハーし過ぎた気がしなくもないけどね。


「お嬢様…俺のために、アレは集めてくれたのか?」


 ダンは何故か泣いていた。どうした!?なんかあったの!?


「はい。ダンが何を使うかわからなかったので、ありとあらゆる高級食材を手分けして採取しておきました。何か気に入らなかった!?」


「…ここまでお膳立てされて応えなきゃ、男が廃る!!お嬢様、俺は至高のフルコースを完成させてみせる!そして、それが俺からのお嬢様への祝いだ!!」


「ダン…!ありがとう!植物系はいくらでも量産できますし、肉・魚・貝なんかも頑張って狩りますから、いくらでも言ってくださいね!」


「…すげぇな、ダンと嬢ちゃん…一体ナニが出来るんだろうな……」


 料理長さんは暫く遠い目をしていました。ちなみにダンへの弟子入り志望が殺到しましたが、ダンは至高のフルコースに全力を注ぎたいからとお断りしていました。


 奇跡の料理人・ダンの伝説は、ここから始まったのです。

 ナニコレ(笑)

 違う話が始まろうとしてますねwww


 新連載になりかねないのでダンの伝説については書きません。

 異世界料理の伝導者として名を残すでしょう。

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