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杖と凛花

 仕方なく学校に行き、昼休みに愚痴ったところ…


「ロザリンド、新しいことをしたい時はとりあえず兄様に言いなさい」


「はい…」


 兄はもう、私を叱らずなにかを諦めていました。ミルフィがナデナデしてくれています。うう…ミルフィ優しい。


「ぱそこんって何ができるんだ?」


 アルディン様は興味津々です。


「パソコンッスかぁ……ゲームとか、仕事も出来るッスよ。特に仕事はエクセルを使えば自動で計算してくれたりするッス」


「……それは便利だな」


 我関せずだったアルフィージ様の目がキラリと光った。


「それ以外にも……は!ロザリンドちゃん、自分もパソコンとプリンターが欲しいッス!」


「これ以上腐界を拡大するわけにはいかない!絶対却下!!」


「な、なんでばれたッスか!?」


 ばれないはずがない。この世界で『印刷』といえば木版か字を組み合わせて判子をおす手動タイプライターみたいなやつだ。つまり、とても製本は手間がかかり大量生産できないのだ。


「くっ…と見せかけて、つーさん!」


「へ!?ぎゃああああああ!?」


 凛花のブレスレットが変形して触手が私の指輪を奪った。


「か、返しなさい!私の…いえ、世界の平和のために、パソコン(ヴァルキリー)を渡すわけにはいかない!」


 しかし、(ゆびわ)が小さい上に凛花の妨害(アシスト)が的確すぎて奪還できない。


「ぐっ、か、返せ!ヴァルキリー!反撃しなさい!」


「スイマセン、主。ツーサンハ主ノ役ニ立チタイト願ウ同志ナノデス。ソレニ私ガ本気デ抵抗スレバ、ツーサンハ完全ニ破壊サレテシマイマス」


「手加減して反撃!」


「…難シイデスガ…ヤッテミマショウ」





 そして、ヴァルキリーが…


 ヴァルキリーが…






 なんかウ○トラマンに毛が生えたみたいになってつーさんをおさえこんだ。




「き、キモッ!?いや、微妙にカッコいい!?判定に悩むッスね!」


「カッコいいな!」


 男の子には概ね評判がいいようですが、女子からはいまいちなようです。

 なんか、メタリックな髪と猫…いや豹耳尻尾つきのウルト○マンとか微妙だと思うんだけどね。


 ヴァルキリーがナニかを囁くと、つーさんは素直にブレスレットになって凛花の腕に戻った。というか、杖じゃないじゃないか。


「もはやアイデンティティが崩壊してる気がするんだけど…」


「でも、杖ってわりと持ち歩き不便ッス」


 超正論である。まぁ、つーさんがいいならいいか。





 そして結局、ヴァルキリーは私の知らないところでつーさんにパソコン&プリンター機能のデータをあげてしまったらしい。

 私がそれを知る頃には、既にクリスティアだけでなく世界各国に『氷王子と白兎』の二次創作(うすいほん)が凛花の手により発信されていた。


「ヴァルキリー、何故…」


「主ノ役ニ立チタイ同志ノ願イヲ叶エタカッタノデス。ソレニ…凛花様ガ本気デ願エバ異界ノ神ガぱそこんヲ買ッテキテ変ニイジッテ大惨事ニナル可能性モ…」


「なんてこった…私の思いつきで腐界を大幅に広げてしまった…!」


 私がパソコンをこの国に持ち込んだ時点で詰んでいた…だと!?



 さらにその後、どうにかして薄い本だけでも回収して焼却できないか手を尽くしたが、どうやらアルフィージ様の母様により妨害されてしまったらしく、空回りでした。


 私は、無力だ………!

 こうして、腐界は少しずつ…しかし確実に侵食していくのです。


 凛花がある意味天下をとる日も近いですねwww


 ちなみにまさかの腐界とヴァルキリーが融合を当てた人がいました。

 神です( ・`д・´)

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