謎は解けたが、現状は変わらなかった件について
今日は学校がお休みなのでまったりしたいところですが、侯爵夫人としてのお仕事がたまっているので机とお友だちな私です。
やらねば来週もっと大変なことになるのはわかっているので黙々と作業していたら通信が入りました。
「やっほ~、元気?」
「死んでる」
「生きろ」
通信の相手は、昔私とネトゲでパーティを組んでいた野上真琴である。
クランもふもふ至上主義…それはもふもふを愛する集団。ゆえに、全員がもふもふな旦那か嫁をもらっている。彼、真琴ももふもふな嫁をもらっていた。ちなみに彼は優姫とリア友でゴスロリ猫耳美少女キャラを使っていた。
ゲーム内においての役割は、以下の通りである。
・私➡バランスタイプ。
・彼方さん➡盗賊・特殊技能。
・優姫➡後衛特化。魔法使い。
・真琴➡前衛特化。肉の壁。
猫耳美少女は前衛でした。中身はスポーツマンな爽やか系脳筋らしいです。まぁ、そこはどうでもいい。
ちなみに凛花はたまに参加してました。回復・支援特化でした。
真琴もセインティア贈り人誘拐事件の時に捕まっていたのだが、わたしは真琴のリア友ではないのでいたことすら知らなかった。
後で優姫がいたのに気がついて、再会をはたしたのである。
もう呪われてないかな、クランもふもふ至上主義。パーティメンバー皆して贈り人(向こうで死亡)とかさぁ…
「今大丈夫?」
「平気だけど、どうしたの?」
「とりあえず、結婚おめでとう」
「ありがとう。もう結婚してるんだけどね」
「そうなの?まぁそこは今度詳しく聞くわ。うちの嫁がごめんな…」
「はい?」
真琴の会ったことない嫁がなんだって??
「いや、結婚式の招待状くれたじゃん?」
「うん」
真琴から結婚してると聞いたので、家族分送りました。他国だし遠いから早めにと思ったんです。
「嫁がさぁ、世界を救った姫勇者様から招待状貰ったって超喜んでさぁ」
「うん」
「うちの嫁、王族なのよ」
「………うん」
あ、やな予感がする。つうか、本物のお姫様ゲットしたのか。すごいな、真琴。
「羨ましがった王様が、周辺各国に相談しちゃったの」
「………………うん?」
何故相談しちゃったの?疑問系になったのに気がついたらしい真琴が補足してくれた。
「姫勇者様は救世主だろ。そりゃ、結婚式に他国の王様も出たいに決まってる。だけど抜けがけすれば他国から非難が来るのはわかってる。なら、最初から誘った方がいいだろってお義父様が言ってた」
「………つまり、各国首脳陣からの『招待してくれ状』は真琴のお嫁さんが原因?」
「全部ではないと思うけど、多分……」
なるほどね。謎は…謎はすべて解けた!解けても何も変わんないけどね!
「………………そう」
「マジでごめん!」
「いいよ。その代わり、結婚式で一発芸な」
「ちょ!おま!各国首脳陣を前にして一発芸かませとか、無茶ぶりすぎるだろ!」
「楽しみにしてるから」
「いや、マジで勘弁してください!!」
「楽しみにしてるから」
「ええええぇ!?」
「楽しみにしてるから」
「が…………ガンバリマス…」
私の本気を察して、真琴が折れました。余興、楽しみだなぁ~。真琴はわりと常識人だから安心して無茶ぶりができます。
「凛花とか彼方さんとか優姫を巻き込めば?」
「そうする!」
彼方さんが居れば大丈夫だろうね。さらに安心感が増します。彼方さん、彼方さんならきっと凛花と優姫が暴走しても多分大丈夫です。彼方さん、舵取りは任せました。私はウルファネアは方向を拝んだ。何故か『そんなん任せないでくれ!』と叫ぶ彼方さんが浮かびました。気のせいに違いない。
何故でしょうか。作者も彼方さんの叫びが聞こえたような気がします。
がんばれ、彼方さん。




