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罰掃除と凛花さん

 凛花視点になります。

 皆さんこんにちは。渡瀬凛花です。現在自分は裏庭におります。放課後の罰掃除のためッス。


 ラヴィータ君とディッツ君も手伝いに来てくれました。しかし……


「この広大な裏庭を掃除とか……」


 一人じゃなかったのはいいけど、泣きそうなぐらい広いッス。しかも、生命力に溢れた雑草がみっしりはえています。抜くの?これ全部抜くのにどんくらいかかるかなぁ……遠い目をしていたら、元気な声が聞こえてきた。

 自分の精霊王さん達(ただし小さい)でした。


「主!俺が手伝ってやろう!」


「私も手伝うわ!」


 風の精霊王、金春(こんばる)は風で落ち葉やゴミをあっという間にひと纏めにして雑草を刈り取った。


 火の精霊王、蘇芳は落ち葉やゴミ、刈った雑草を焼きつくした。


 水の精霊王、瑠璃は地面を水で洗い流して小石や雑草の根っこをどけた。


 土の精霊王、紫檀(したん)はぬかるんだ地面を整え、綺麗に道まで作った。


  緑の精霊王、萌黄は木々を美しく整えた。





「「「………………」」」





 雑草がボーボーでどっから手をつけたらいいやらな裏庭が、あっという間に美しくなりました。もはや庭園レベルです。


 どうすんだ、これ。


 叱られるの覚悟でミセス・ケリーに報告しました。自分はなにもしてなくて、自分の精霊さん達が手伝ってくれたのだと素直に言いました。


「精霊様達は善意でしてくれたのだから、今回は仕方ないでしょう」


 ちなみに、罰掃除は草むしりではなくゴミ拾い程度で良かったらしい。明らかにやり過ぎた。


「…カーライル公爵子息は居ませんね」


 ため息をつくと、ミセス・サリーはわがまま坊ちゃんを探しに行った。


「じゃ、帰るッスかね」


「おい!ディッツ!!貴様、何故私のところに来ない!高い給金を支払ってやってるんだ!さっさと仕事をしろ!!」


「…ぐっ!?」


 いきなりディッツ君が殴られた。かなり痛そうだ。そもそも、ディッツ君との雇用契約は切れているはずだが、まだカーライル公爵子息はそれを知らないのだろう。


「何するんスか!!」


 ラヴィータ君と自分がすかさず間に入った。


「うるさい!平民の小娘ふぜいが私に話しかけるな!」


 お話にもならねぇッス!!なら、こっちにも考えがあるッスよ!やられたらやり返す!10倍返しが基本ッスよ!!


「だったら、こっちも実力行使ッスよ!お仕置きッス!!つーさん、変身(チェンジ)!!」






 そして、カーライル公爵子息は、魔法少女に強制変身させられた。ナマ足ヘソ出しセーラー服風味の魔法少女である。

 カーライル公爵子息はなかなかの美形だからそれなりに似合ってるッスが、処理していないすね毛が目に痛い。あとへそ毛が濃い。残念さがはんぱない。




「………………は?」





「戦略的撤退ッス!逃げるッスよ!三十六計逃げるに如かずッスよ!!」


 右手にラヴィータ君、左手にディッツ君を掴み、加速の魔法を発動して猛然と走り出した。


「え!?」

「うわ!?」


 相手が呆然としているうちに逃げ切らねばならないッス!!我にかえったら怒り狂うに違いないッス!!







 そして、自分達は逃げ切った。






「はふー」

「……はあ、はあ」

「はあ、はあ、はあ、はあ、はあ」


 ディッツ君、めっちゃハァハァしてるッス。ちょっと変態さんみたいだからやめた方がいいと思う。とりあえず、近場のカフェに入りました。


 ディッツ君だけまだゼーハーしてます。とりあえずアイスティーを頼んであげました。めっちゃ飲んでたのでおかわりも頼みました。自分もアイスティーを飲む。うん、冷えてて美味しいッス。


「……大丈夫ッスか?」


「きた…ゲホッ……鍛えてるはずなのに、婦女子に持久力で負けるなんて………」


 むっちゃうちひしがれてるディッツ君。なんかごめんなさいッス。身体強化も使ったし、修行の成果ッス。


「しかし……ぶふっ…ふはは…なんだアレは……ぶふふっ…いや、あの見栄っ張りには最高の嫌がらせだな」


「…ぷっ」


 ラヴィータ君も笑った。確かにあれは笑えるッス。


「あははは、そうッスか?あれ1週間は脱げないッスよ」






「「…………………」」






 あれ?ラヴィータ君とディッツ君が顔をひきつらせて固まってるッス。


「そう、なのか?」


「はいッス。いや、自分が解除してあげれば大丈夫ッスよ」


「解除する気は?」


「向こうが謝罪してきたら考えるッス」


 ディッツ君は表情がひきつっている。ラヴィータ君は諦めた表情です。


「…ディッツ、すまないがリンカをよろしく頼む。ロザリンドの身内だけあって、たまに突拍子もない…予想外のとんでもない行動をする子なんだ」


「……………………善処します」


「ロザリンドちゃんほどは突き抜けてないッス!異議ありッスよ!」


「ロザリンドと同レベルだとまずいだろう」


「………………」


 ラヴィータ君はロザリンドちゃんを何だと思ってるんスか、と言おうと思ったけど…黙った時点で認めたも同然なので言わなかったッス。


「あ、ディッツ君ちになんか仕掛けてきたら嫌なんで、結界とか呪いを設置させて欲しいッス」


「結界はいいが、呪い?」


 ディッツ君は顔をひきつらせている。美形台無しッス。


「はい。家や家人に害をなそうとしたものが、常にお漏らしをする呪いッスよ。オムツが手離せない体になるッス」


「地味に恐ろしい!!」


「ロザリンドちゃん直伝ッス」

※悪役令嬢になんかなりません。において、リス獣人のお店に使いました。ロザリンド7歳・ラブラブデート編参照。


「…ロザリンドだからなぁ」


 ラヴィータ君が青ざめてます。もはや魔法の言葉ッスね。


「………ロザリンド様は一体何者なんだ?」


「「ロザリンドとしか言いようがない」」


 自分も変人ッスけど、ロザリンドちゃんはさらに突き抜けてると思うッス。


 穏やかにティータイムを楽しんだあと、ディッツ君ちに結界と呪いを仕込んでおきました。これで(ディッツ君ちは)大丈夫ッスね!念のためご家族や使用人さん達にも御守りをあげたッス。何かあったら大変ッスからね。


 更新時間が遅れたのは、作者が寝落ちしたからです。すいません。

 更新予定を予告できる人はすごいなぁ………私は無理です(笑)

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