悲しき条件反射なんですよ
クリスティア城の応接室で、私は正座していました。そして、眼前には…兄と兄のような友人様。
「ロザリンド、説明」
「ロザリンド嬢、説明」
「喜んで!!」
私は解るかぎりのことを説明しました。
「…今回珍しくロザリンドは悪くないな」
「ああ…なんだか騒ぎの中心にロザリンド嬢ありという感じがしていたからついいつも通り説教するつもりでいたが…とりあえず侯爵夫人が率先して戦いに行くんじゃないという部分以外は非がないな」
「そこは仕方ありません。人命優先だし、結果として私達以外では倒せなかったと思われますよ?あと、騒ぎの中心にロザリンドってなんですか!?人が常に騒動起こしてる扱いは流石に心外です!」
「「前科がありすぎるから仕方ないだろう」」
「ぐぬぬ…」
まあ、邪神復活とか色々色々やらかしまくったから、否定できない…!今回も私に非がなくても騒動の中心に居たからなんか叱られる気がしてたし!
「対抗手段がロザリンドの武器なのは、光の薔薇を使ってるからだよね?」
私は頷いた。
「恐らくそうでしょうね。量産できなくもないのですが…」
「やめてくれ。ロザリンド嬢の武器は強力すぎる。悪用されて戦争でも起きたら最悪だ」
「ですよね~。私基本凝り性だから、作るならちゃんとしたやつ作りたいし」
「…お姉ちゃん、既に最近伝説の魔武器職人として有名だよ」
「マジで?」
ジェンドからの予想外な情報に固まった。
「うん、結構俺を介してロザリンドに武器製作依頼をしたがる騎士や冒険者は多いよ」
ディルクも肯定した。今までそんな話は来なかったよ!?ディルクがお断りしていたらしい。
「マジで!?」
「うん。なんか有名になってるみたいだよ」
「マジで!?」
「そういえば、俺の武器はどこの銘かと聞かれて主が作ったと話したな」
『……………………』
あんたが元凶か!本当に余計なことするな、このおっさんは!!
「ジェラルディンさん、しばらくおやつ抜き」
「!??きゅーん…くーん」
悲しげに鳴くおっさんに、今回だけだからねと言ったらお姉ちゃんは甘すぎると紫水晶の護りに叱られました。どうしろと!?だってあんなに悲しそうに鳴かれるとかわいそうなんだもん!
話がずれちゃったので軌道修正することに。
「エルンスト、魔の魔力は特殊だから発生予測はできないかなぁ?迷宮も場所がわかってるわけだし、魔力に異常があれば警報が鳴るようにするとかさ。魔力異常に早く気がつければ、スタンピードも小規模で抑えられるんじゃないかなぁ」
エルンストは少し考えて頷いた。
「まあ、予測は多分可能だ。今からロザリンドが言ってた魔具を魔法院で量産する。確かに予測ができれば被害は最小限で済むだろう。モニターは魔法院よりは騎士団か王宮に置くべきか?」
エルンスト、流石です。アルフィージ様が頷いた。
「自国内のみなら魔法院でも騎士団でもかまわないけど、他国に迅速な連絡をするならば王宮に設置すべきだね。近衛にモニターは交代で監視させよう。ふふふ、久々に交渉しがいがありそうだ」
うっわ、アルフィージ様悪い笑顔だなぁ…アルフィージ様が居ればクリスティアは安泰ですね。
「ロザリンド嬢、魔具設置を拒む国があった場合は?」
「冒険者ギルドを巻き込んで圧力をかけましょう。一番被害にあうのは冒険者ですから、拒否しやがったら冒険者を避難させちゃいましょうか。ジェラルディンさんや私達からの要請ならば可能でしょう」
「ふふふ、流石だね」
「いえいえ、アルフィージ様程では…」
ふふふ、ほほほと黒い笑顔を見せる私達。
「兄上とロザリンドは仲良しだなぁ」
「アルディン様、そこ和むところじゃないですから」
輝ける白様にラビーシャちゃんがツッコミをした。輝ける白様は今日も真っ白です。
そういや、凛花が帰ってこないな。なんだか嫌な予感がしました。
なんだかんだでロザリンドも悪くなくても叱られる気がしちゃうようです(笑)
前話は時間的に余裕がなくて…もっと膨らませたかったのですが、次でフォローすることにしました。




