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予想外すぎな展開

 お待たせしました。我らが主人公ロザリンド視点になります。

 残る遺跡はあと2つ!クリスティア騎士は大海嘯の時ほど非常事態じゃないし、自国で発生する危険性もゼロではないので参加できないらしい。


 もう私とディルクで殺っちゃうか?と考えていたら、うちの間抜け娘が来た。


「支度に手間取って遅れたッス!自分はどこ行けばいいッスか!?」


「忘却の迷宮は任せた!」


「アイアイマムッス!」


 即座に転移する凛花。残るは王都に近い後悔の迷宮だ。凛花はできればディルクと組ませたかったが、ディルクが私が心配だからと却下した。どういう意味で心配なのかはあえて聞かなかった。


「ディルク、行こう!!」


「うん!」


 転移で後悔の迷宮に行くと、すでにかなり悲惨な状況だった。冒険者達がどうにか抑えていたようだが、旗色は悪く疲弊しきっている者が殆どだ。


「カモン!可愛い子達!!」


 うちの魔獣さん達、精霊さん達も大暴れだ。私は戦闘をディルクや魔獣さん、精霊達に任せてひたすらに救護する。


 救護を終えて、ディルク達と迷宮内部をひたすら走り、魔物を次々倒していく。

 しかし、こんな風に複数の迷宮がスタンピードになることはこれまでなかった。何故だ?私は魔力を探る。





 そして、見覚えというか、感じたことがある魔力を発見してしまった。








「マジか!?」


「どうしたの?ロザリンド」


 魔物を倒しながらディルクが問いかける。


「いや、その………これ、私達のせいかも…」


「え?」


 そして、迷宮の奥で蠢くモノがいた。醜悪な肉の塊だ。


「たすけて…」


 冒険者らしき少年が力なく助けを求める。


「チタ!来て!」


 つい、チタを喚んでしまった……チタはラヴィと同化してラヴィータになったのだから、もういないのに。いや、正確にはいるのだが、ややこしい。





「むがー!むぐ!」

「あらあら、うふふ」




 ん??






 私の呼びかけに、2人が応えたようだ。いや、お義母様はなんで来たわけ??いや、それよりラヴィータだ。






「なんで縛られてんの?」







「むぐぐ、むぐうう!!」


 そう、ラヴィータはす巻きにされていた。なんでだ?とりあえず拘束を解いてやった。


「なんです巻きにされてるわけ?」


「凛花がロザリンドを手伝いに行くというから僕も行くと言ったら、こうなった」


「「……………」」


 そういえば、確かに凛花は『準備に手間取った』とか言っていた。テヘペロする凛花が脳裏に浮かぶ。あとでしばいとくか。


「り、凛花はラヴィータが心配だったし、説得する時間がなかったから仕方ないよ!ラヴィータ弱そうだし!」


 とりあえず凛花をフォローしたつもりだったが、ラヴィータはキレた。最近の若者はキレやすいわね。


「おい!?別に僕はそんなにか弱くないぞ!?」


「あ、あの…助けて…」


「うるさい!」


「あらあら、ふふふ」


 キレたラヴィータとお義母様から発せられた金色の光に肉の塊は包まれ、少年以外の肉は溶けて消えた。少年はちょっと皮膚が溶けてたけど軽傷でした。下半身丸だしなので下着とズボンをあげました。さらに2人が肉のなかから出てきたので確認。皮膚や髪の毛が溶かされたようだけど、命に別状はなかった。こちらは全裸の男性だったので、ディルクが服を着せて担いでくれました。

 少年は冒険者だったそうで、仲間は年少者の彼を庇い先に喰われたらしいです。少年を地上に帰してから、ラヴィータに問いかけました。


「あれはなんなの?」


「多分魔じゃないか?」


「は?」

「え?」


「多分そうよ~」


 お義母様まで同意する。え?お義母様も魔を知ってるの??


「くるっぽー」


「ポッポちゃん!?」


 私の頭に白い鳩がとまった。今日は鳩なんだね。


「説明させていただきます。実は愛の神であるクラリン様だけでは浄化が追いつかず、溢れた邪気が今回結晶化したようです」


「…………………私のせい?」


「ロザリンド?」


「わ、私がちんたらしててクラリンをさっさとパワーアップさせなかったから!?」


「違います。元より迷宮とは世界の穢れを定期的に吐き出すために神が造りしものです。そもそもロザリンド様が神に協力している現状はイレギュラーです。本来ならばクラリン様が鎮めねばならぬのです」


「そうなの?」


「はい。今後もスタンピードは各国で起きるはずです。それを阻止できるのは、全ての神に愛されし姫勇者に選ばれた者のみです」


「…………うん?それってつまり?」


「ロザリンド様の武器か、ラヴィータ様、クラリン様、あとそちらの新しい光の薔薇の精霊さん以外では対抗不可能です。そしてそれを神託で全世界に伝えました」





 なんか、通信魔具がめっちゃ鳴ってますわ。嫌な予感しかしませんわ。


 兄と兄みたいなアルフィージ様に叱られる未来しか見えないんですがぁぁぁ!?


責任者(シヴァ)、出てこーい!!」


 とりあえずこの場にいないシヴァにキレる私でした。なんでこうなった!?

 酔勢 倒録様からファンアートをいただきましたので活動報告にのっけます。

 興味のある方は見てみてくださいませ。

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