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ロザリンドさんのお弁当

 昼食が済んで、まったり紅茶タイムとなりました。おやつだけは私の手づくりです。今日のおやつはアップルパイ。我ながら上出来です。


「おいひいぃ……」


 兄も好きだけど、凛花も好きだったなぁ。たんとお食べ。


「あれ?ディッツ君は食べないんスか?」


「はい、私は…」


「おいしいッスよ?食べなきゃ損ッスよ!人生における損失ッスよ!」


 凛花は力説しているが、私は呆れている。私のアップルパイはそんなに重要なものではない。ただのアップルパイだ。食べても美味しいだけだ。しかし、私以外が頷いている。解せぬ。


 ちなみに私の希望で従者・侍女達は食事の給仕が済んだら隣テーブルで食べ、お茶は自分達でとしている。ゆえにリリアンとリリアーナも食事を済ませてアップルパイをほおばっている。幸せそうだ。たんとお食べ。たくさん作ったからね。

 リリアーナだけはお茶がメイン業務なので、素早く食べるとお茶のおかわりをくれる。ご飯ぐらいゆっくり食べさせたいのだが、リリアーナにしてみたら私の役に立てる仕事を取り上げないでほしいそうだ。


「………では、1切れいただきます」


 結局根負けしたディッツ君はアップルパイをもらって席についた。


「うまい!え!?すげぇ!うまい!!」


「ふふん!ロザリンドちゃんは料理の天才ッスよ!ああ…アップルパイうま~」


 もはやうまいしか言わないディッツ君。まあ、気に入ったみたいだ。よかったね。

 しかし、何故凛花はどや顔してるんだ。お前が作ったわけじゃないだろうに。


「しかし、確かにロザリンド嬢は料理の天才だな。またアルバイトに来ないかい?」


「気持ちは嬉しいんですが、暇がないんですよ~。ディルクのお弁当とおやつ作るだけで手一杯ですね。仕事する時間が減ってるのが痛いです」


「ディルクさん、お弁当作ってもらってるんスか!?ずるい!自分もロザリンドちゃんの弁当が欲しいッス!」


「確かに、羨ましい…ロザリンドの弁当はうまいからなぁ」


「そうですわね、ロザリィのお弁当以上においしいものはありませんわね…」


「そうだな…」


「ロザリンド、僕のぶんだけでも作れない?」


「ルー、ずるいぞ!」


「そうですわ!」


「ロザリンド、俺も食べたい!」


「自分もッス!!」


 私(の弁当が)モテモテです。簡単なやつなら…うーん…


「持ち帰って検討します」


「それ遠回しにダメなやつッスね!?」


「いや、夕飯煮物系ならなんとか…」


 あっためなおして作りおきとかしとけばたまになら…


「自分もお泊まりしてお手伝いするッス!」


「凛花、我が家は新婚です」


「?はいッス」


「学校で時間が限られている今、夜は夫婦の時間です」


「…はいッス」


「つまり、そこらでヤる「御法度ぉぉぉー!?」


「…声とか聞こえたら、さすがに気まず「御法度ぉぉぉぉぉ!!すんませんでしたッス!!無理なのはすげーよくわかったッス!!エロいッス!!きついッス!!これ以上は勘弁してくださいッス!!」


「…………??」


 ラヴィータが首をかしげていた。


「アルディン、やるとは何をやるんだ?」


「うえ!?」


 さすがのアルディン様も意味がわかっているらしい。真っ赤になってアワアワしている。アルフィージ様は…駄目だ。楽しそうだ。ニヤニヤしてるわ。助ける気がないな。凛花もアワアワしてるからフォローが無理そうだ。


「…ラヴィータ、こっちに来い」


 シーダ君が教えたらしく、ラヴィータが真っ赤になりながら帰ってきました。


「は、破廉恥だ!」


「いや、新婚夫婦なんて大体そんなもんですよ。ねえ?ラビーシャちゃん」


「げふっ!?えふ、げほっ!!」


 盛大にむせたラビーシャちゃん。ふふん、さっきの仕返しだよ。


「…そういえば、最近氷兎がエロす「きゃああああ!?りりりリンカちゃんダメぇぇぇ!!」


 凛花は口を塞がれた。


「ラビーシャ」


「なんでもありません!!」


 アルフィージ様がわっるい笑顔をみせていました。ラビーシャちゃんに成仏しろよなジェスチャーをした。


「お、お嬢様のばかあああ!!」



 大騒ぎし過ぎて、結局全員ミセス・サリーから減点をくらいました。凛花が10になっちゃったので罰掃除です。うん…ごめんよ。

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