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思ったよりも深刻かも

 ロザリンド(ヴァルキリー)像等のダメージから回復した私。しかし、追い討ちをかけるかのように聞きたくない声が聞こえてきた。


「肉肉肉肉ロッザリンドォォ!!」

「筋肉ムキムキディルク様!!」

「お肉肉肉ロッザリンドォォ!!」

「ハッスルマッスルディルク様!!」

「リリカルミラクル☆リリカルリンカー!!」



 さりげなく凛花さんが混ざってます。もう嘆けばいいやら笑えばいいやら…迷惑だから、パレードやめようよ!ディルクも微妙そうな表情です。


 そんな微妙な空気を、ボロボロの青年が一気に変えた。


「通してくれ!冒険者ギルドに行かなければ!!スタンピードが来る!皆も避難しろ!!」


 スタンピードとは、何らかの理由により迷宮内部で魔物が増えすぎて地上に溢れてくる現象だ。私は青年に尋ねた。


「どこの迷宮?」


「わ、忘れずと嘆きと絶望と…」


「1つじゃないわけ!?とにかく冒険者ギルドに行くよ!」


 ディルクと青年を連れて冒険者ギルドに転移した。


「うええ!?」


 一瞬で移動したのでビビる青年に一喝する。


「とにかく状況報告!!」


「あ、ああ!!緊急事態だ!!少なくとも5ヶ所の迷宮でスタンピードを確認した。居合わせた紫水晶の護りが絶望の迷宮を、疾風の魔弓姫が忘れずの迷宮を抑えているが、時間の問題だ!」


 冒険者ギルドの冒険者達は表情を変える。ギルド職員はすぐさま各所に連絡と情報確認をし始めた。


「ディルク、すぐ行こう!」


 しかし、ディルクは首を振った。


「気持ちは解るけど、ダメ。俺達は二人しかいないし、迷宮内部には負傷者もいるはずだ。行くなら救援を頼むべきだ。俺達だけでは手が足りない」


 ディルクの言う通りだ。敵は大多数。時間との勝負になるし、手は多い方がいい。通信魔具を起動した。


「強制通信!こちらロザリンド!ウルファネアで最低5ヶ所のスタンピードを確認!手が空いている人は討伐協力を願います。転移ができる人はウルファネア王都、冒険者ギルドに来てください。転移が出来ない人は迎えに行きますから、準備ができ次第通信魔具に連絡を!」


 すぐに返信が来たのは、ルランだった。


「ロザリンドか?今ウルファネアで仲間達と温泉に入ってたら、なんかスタンピードがどうのとかって話で今嘆き?の迷宮周辺で魔物倒してる。内部は無理だが、地上に出てきた奴は俺らがどーにかしとくから。他に救援が要るところがあるなら、2~3体のドラゴンは行けるぞ」


「ありがとう!状況によってお願いすると思います!」


 嘆きの迷宮はシュシュさんの領地にある。恐らくシュシュさんが…と思ったら、彼方さんから通信が入りました。


「ロザリンドちゃん、シュシュが乳飲み子抱えとるのに皆と戦う言うて聞かん!」


「…シュシュさんや、乳飲み子はどうするおつもりで?」


「乳母に預ける!主に貰った剣があるのだ!負けるはずもないし、我が領地は私が守る!!」


 シュシュさんは私の言うことを聞く気がないので諦めました。


「仕方ないから彼方さんも行ったらどうですか?正直手が足りないから、シュシュさんは戦力としてとてもありがたいです」


「…あー、せやな」


 多分嘆きの迷宮はこれで大丈夫だろう。ただし、内部をどうにかしなければならないかな?


 ルランに疾風の魔弓姫ことミルフィ救援を依頼したら、こころよく引き受けてくれた。


「わはははは!来たぞ、主!」


「ジェラルディンさんは絶望の迷宮へ!そちらに居るはずの紫水晶の護りと合流してください!」


「ははははは、腕がなるな!」


 ジェラルディンさんはまた転移した。絶望の迷宮は5ヶ所の迷宮の中でも最高難度だ。つまり、溢れ出た魔物も強力なものばかり。しかし、この破天荒英雄ジェラルディンさん一人がいれば一気に押し返せるはず。


「お姉ちゃん!?馬鹿親父を送りこんだのはお姉ちゃんでしょ!僕らだけでも大丈夫なのに!」


 ジェンドから苦情が来ました。ジェラルディンさん参戦により余裕ができたようですね。


「ジェラルディンさんが居れば、内部まで一気に行けるでしょ!ジェラルディンさんの操縦を含めて、ジェンド達に任せたからね!」


「操縦の方が難しいよ!でも、任された!一気に行くよ!!」


 紫水晶の護りがそれに応える。恐らくは大丈夫だろう。任せたからね!




「こちら、ミルフィリア!ロザリィ、ルラン様の救援、感謝しますわ!」


 ミルフィから通信が来た。ルランの救援で通信する余裕ができたようだ。


「ミルフィ、無事!?」


「私とシーダ君は無事ですが、こちらは冒険者の負傷者が多くて…医師も回復魔法使(ヒーラー)いも足りませんわ!」


「…お嬢様、俺が行く」


「及ばずながら、頑張ります!」


「私も頑張りますわ!!」


「仕方ないなぁ、いい実験になるかな?」


 いつの間にか来ていたゲータ、トサーケン、ミケル、兄が行ってくれるようだ。トサーケン以外は自衛できるし適任だろう。

※トサーケン・ミケルは悪役令嬢になんかなりません。ロザリンド7歳・ウルファネア殴り…訪問編に登場しています。


「トサーケンは大丈夫なわけ?」


「耐久性には自信があります!殴られても蹴られても噛まれても大丈夫です!」


 あかん、それ明らかに大丈夫じゃないわ。そもそも噛まれないようにしろよ!


「兄様、トサーケンをお願いします」


「まあ、死なない程度に面倒見るよ」


「まあ、俺もいるから大丈夫だ」


 兄にやる気がないので、ゲータが頼りですね!ちなみに二人は薬草を仕入れにたまたま近くまで来ていたらしいです。


「いえ、ワタクシが守りますわ」


 おお、ミケル頼もしい!彼女、剣の腕は悪くない。前に出すぎなければ大丈夫だろう。


 あの奉仕労働の後、ミケルはクリスティアの高等教育機関(つまりこっちの大学)に通い、薬剤師となった。そしてウルファネアの高等教育機関で教鞭をとっている。自らの罪を生徒に語り、自分の罪と向き合い、より多くの人間を救える道を選択した。

 トサーケンも医師としてクリスティアの知識をウルファネアで広めている。特に薬草の保存方法が改善されたらしい。


主にトサーケンに不安があったが、送り出した。


「ロザリィ、助かりましたわ!これで私も攻撃に専念できますわ!」


 残る迷宮はあと二つ!サクッと片付けて救援に行かなくちゃ!!

 長くなりそうなんで、いったん切ります。


 超どうでもいいですが、ルラン達は人化して温泉に入ってました。さすがにドラゴンサイズの温泉はなかなかありません。

 ルラン達もロザリンドの影響か最近はたまに人里に遊びに出るらしいです。

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