ロザリンド争奪戦
そろそろ時間も遅いし帰宅しようかなと考えていたら、美女達に引きとめられてしまいました。
「ロザリンドちゃん、お姉さん達とお話ししましょ」
「帰ったらだーめ」
「そうそう」
やべえ、肉食三姉妹に勝てる気がしません。ちょっと!ディーゼルさん!あんた成仏しろよのジェスチャーしてないで助けてよ!さっきヨッパライダーなお祖父様から助けてあげたでしょ!
「…ダメ。ロザリンドは俺と帰るから。明日は休みだし、ロザリンドとイチャイチャするから貸しません」
ディルクがディジャさんから私を奪還した。えへへ、ぎゅーしちゃえ。
「あら、円満な嫁姑関係のために親睦を深めるのはいいことよね」
「…確かに」
「今なら小さいときのディルクの話をしてあげるわよ」
「お義母様!お泊まりします!」
私はお義母様の手を取った。お義母様は勝利の笑みを浮かべている。
「ちょっと!勝手に人の子供時代を話さないでよ!ロザリンド…俺、早くロザリンドと二人きりになりたい…」
「ディルク…」
最愛の旦那様に切なげに囁かれ…ふらふらとディルクの所に歩いていく。
「ロザリンドちゃん、今ならディルクのむかーしの恋バナしてあげるわよ」
「お義母様最高!」
私は再びお義母様の所にふらふらと移動する。
「昔より今だよね!家でたくさん甘やかしてあげるよ!」
「ディルクすき…」
いや、私はどうしたらいいのだろうか。双方譲る気がありません。困ってディルクとお義母様を見る。
「ディルク、ちょっと…一晩ぐらいお嫁さんを借りてもいいでしょ?」
「駄目。時間が減る。明日は珍しく丸一日休みだから、時間が許す限りロザリンドとイチャイチャする予定だから駄目」
ディルクは言い切った。そうか、イチャイチャしてくれる予定だったのか。きっと尻尾があればパタパタしていたに違いない。ディルク限定でチョロザリンドだからね!
「えー、それこそまた今度でもいいじゃない。フィーとミューがいるのは、めったにないでしょ」
「確かに…」
そう考えるとお義母様達に付き合うべきな気がしてきた。
「うふふ、しかもモフモフがたくさんよ~?ロザリンドちゃん、モフモフしてもいいわよ~」
な ん だ と ?
美しい金色と黒色の豹達が私を誘惑する。ああ、あの滑らかな毛皮をモフモフしたい…!モフモフしてもよくてよだなんて…私はどうしたら……!
「くっ…!ロザリンドの弱点をついてくるなんて卑怯な…!しかし、甘いよ!母さん!」
「え?」
封印されしゴッドフィンガーは解放された。眼前の極上モフモフを陥落させるために。
「見よ!これぞ究極!千手モフモフ!!」
『きゃあああああああ!?』
説明しよう!千手モフモフとはヴァルキリーを起動して千手観音のように手を増やし、複数のモフモフを同時に陥落させることができるのだ!しかも今回は並列思考で完全に制御できるように、すべての腕に繊細な動きができるように、腕は30本から8本に減らしました!そして、モフモフな感触もきちんと私に伝わります。モフモフ最高!
「あ、あわわわわ…なんてこった…我が家の恐ろしい鬼姉達が………」
ディーゼルさん、さりげに鬼姉とか…後で確実にしめられるよ?
「いやああああ!?こ、こんなの初めてぇぇ!!」
「にゃあああん!!」
「にゃふーん…ゴロゴロ」
なんかエロい。うん、モフモフだなぁ。ふははははゴロゴロ言わせてやんよ!
「はにゃーん」
「ゴロゴロ…」
「にゃふーん…」
やりすぎました。モフ落ちさせてしまった。しかも、3人まとめて。
「ふっ…ロザリンドのモフモフテクニックを甘く見るからだよ。ウルファネア城のダンジョンマスターすらロザリンドにモフ落ちさせられたんだよ?普通の獣人が耐えられるはずもない!その威力はまさに天国!しかし、その天国にいる自分の醜態を思い出すと地獄なんだよ!軽い気持ちでロザリンドにモフモフしてもいいなんて、絶対言ったら駄目なんだ!」
めっちゃ勝ち誇るディルクさん。普段から被害にあってる方の発言は説得力が違いますね。いつもすいません。マジですいません。
「あの、これ…いつ正気に戻るの?」
「今までの経験からして、朝には治りますよ」
「「…………………」」
お義父様とディーゼルさんがひきつっている。ちなみにお祖父様は酔っぱらって寝ています。
「く、待ちなさい…まだにゃあ……」
「お義母様…無理はしない方が…」
いや、そこまでしてお話ししたいの??困惑する私に、天使が降臨した。
「…にゃーん」
ミニサイズディルク様、完全獣化バージョンである。
「うにゃん?なーお」
ふおおおお!?ディルク様が『可愛い俺とお家帰ろ?モフモフしていいよ』と申しておる!!
※ロザリンドとディルクは繋がってるので大体合ってます。
「うなーお、みゃおん」
「地の果てまででも喜んで!!今すぐ帰ろう!!今すぐに!!」
ちなみに今のは『今日は可愛い俺を洗ってブラッシングもしていいよ、ただし今すぐ帰るならね』と言ってました。
※大体合ってます。
「可愛い義娘にかまいたいのはわかるけど、ようやく会えたんだからさ…私もディジャと過ごしたいな」
「あなた……」
お義父様のナイスフォローによりお義母様はお義父様と過ごすことにしたようだ。
「最初からそう言えば無駄な争いは無かったのに、くそ親父が…」
天使が毒を吐いた気がしますが、きっと気のせいです。喉を撫でたらゴロゴロと喉を鳴らしてくれました。
そして、私はディルクを洗いました。そして念入りにブラッシングをかけ、モフモフしてイチャイチャイチャイチャして寝ました。
モフモフもイチャイチャも満たされ、私は幸せです!
すいません、作者はやはりアホなノリが大好きです。
書いてて楽しかった!後悔は多分してません!




