ラブ集め、再び
とりあえず故ちゃんはもう大丈夫そうだから、またクラリンのお手伝いをしようとクラリンを探すことにしました。忙しかったから確認しなかったけど、気になる噂があったのだ。
そして私は、噂を目の当たりにする。行列ができていた。そして、行列の先にはクラリン。
最近学園の裏庭に『恋愛相談に乗ってくれるじいちゃんがいる』と聞いて、クラリンを即座に思いついた。クラリンはクラリンなりに頑張り、その結果がこの行列なのだろう。
しかし、本末転倒だ。これじゃラブ集めが出来ないじゃないか。評判になりすぎである。
「クラリン」
「ロザリン!ロザリンも相談にのってあげてほしいの」
「…わかりました。相談内容は?」
「女子にモテたいんです!」
見るからにチャラそうな男子生徒でした。
「まず、モテたいとか公言してる時点でドン引く。好きな女の子を作ってから出直せ!または家柄以外で誇れるものを極めろ!次!」
「彼とケンカしちゃって…」
「誠心誠意謝罪しなさい!次!」
「どうやったら彼女ができますか?」
「まず好きな女の子を作れ!誰でもいいとか相手にも失礼!次!」
「好きな人を射止めるにはどうしたらいいですか?」
「まず情報収集!それから共通の趣味などを介して親しくなるのがいいかと思います!次!」
「どうやったらそんな立派なおっぱいになれますか?」
「恋人に手伝ってもらうのと、食事とバストアップ体操の賜物です!後でリストをあげます!次!」
「好きです!」
「ごめんなさい!次!」
行列はあっという間に無くなりました。私が怖いからか反論は特になく、皆様スッキリした表情で帰っていきました。つうか、恋愛相談じゃないやつもあった気がするのは気のせいか??
「ロザリン、スゴいの……」
「そう?」
もう面倒だからかなり一刀両断しまくっちゃったよ??
「またラブを集めようか」
「ロザリン、クラリンも頑張ったわ」
クラリンは私にビンを差し出した。
「………砂??」
私たちで集めたラブの結晶が入ったビンに、よく観光地土産で売ってる星の砂的なカラフル砂が………いや、違う!虫眼鏡で見たら、それは極小のラブ結晶だった。
「クラリン…地道に頑張ったわ」
「クラリン…頑張ったのね…!」
恐らく、地道な恋愛相談の成果なのだろう。ラブの砂は2センチほどになっていた。何百粒ぐらいあるのだろうか。クラリンは本当に頑張っていたのだろう。
しかし、私と集めたやつとサイズがやたら理不尽だなぁと思ったが、そこは語らないでおいた。
私達は手を取り合い、またラブ集めに奔走することになった。
しかし、とりあえずこれだけは言っておきたい。
「なんで首から下がチャイナドレスのスレンダーセクシーボディになったの?」
そう、クラリンは頭だけいつものクラリンで、首から下がスレンダーセクシーボディにロングチャイナドレスを着ていた。チャイナドレスは太ももの際どいところまでスリットが入り、赤いハイヒールと編みタイツ(もちろんガーターベルト付き)によりセクシーMAXな格好だった。
顔がクラリンだからセクシー台無しのシュールな姿だけどね!!
すげーな!顔がクラリンってだけでセクシーMAXが一気にゼロだよ!ジャンルもセクシーからコメディーに早変わりだよ!そしてクラリンは動じなさすぎる!あっさりとこの微妙すぎる姿になった理由を教えてくれました。
「ユンユンのラブをゲットしたからよ」
そんな気はしていた。
フィズ、脚フェチっぽいしな。
ちゃっかり故ちゃん達のラブをゲットしていたクラリン。つうかこのクラリンにツッコミしないシルベスターの生徒はいろんな意味で大丈夫なのだろうか?こんな怪しすぎる…怪しさがMAXを越えたじいさんに恋愛相談するとか、頭は大丈夫だろうか。
とりあえず、首から下に違和感がありすぎるので結晶化していただきました。特大の結晶になりました。やはりとれたてホヤホヤだからかな??
いやいや、なんか感覚が色々おかしくなってきた。
これだけあれば、もう大丈夫なんじゃないの?とクラリンに聞きましたが、まだダメらしいです。アルディン様の赤い糸はどんだけ絡まってるんでしょうか。お姉さん、なんか不安になってきたんだけど……
「…根っこが深いのよ」
アルディン様はどんな闇を抱えてんだよ…こんだけラブがあってもダメとかどうなってんの?アルディン様が大丈夫なのかが、今1番心配です。
追伸・翌日、恋愛相談の行列が更にスゴいことになってました。あんなに適当に一刀両断しまくったのに…なんでだ。
それからシルベスターの生徒がクラリンを気にしないのは神の力による認識阻害があるから。私達は神様になる前から知っているせいか、認識阻害が効かないらしい。




