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呑みすぎた、結果

 あれから遅刻したものの、学校に来ました。二日酔いはなく、気分不快はありません。ディルクが全異常無効耳飾りを寝てる間につけてくれたからだと思われる。


 私は後悔していた。軽い気持ちで酒盛りをしたが、派手にやらかしすぎてしまった。あんなのは私ではない。お酒って怖い。あれは悪魔の飲み物だ。本音を駄々漏れにする危険薬物だ。

 しかし、ディルクは私に甘すぎる。私が脱ぐのを阻止するため全裸に剥かれてもふられた。しかもそこまでやらかしておいて結局脱いだ私。馬鹿野郎である。

 あげく、いらん本音を駄々漏れにしてしまった。ディルクが嫌がってないことが救いだが、いたたまれない。


「うああああああああ」


 ダメだ!これ以上思い出したら、今日は学校休んで部屋で転がり続けるしかできなくなってしまう!


「ロザリィどうなさいましたの?悩みでしたら相談してくださいませ。微力ではありますが、力になりますわ」


 教室で悶える変人な私に、天使が降臨した。ミルフィは心配してくれているが、昨日の醜態を話すべきかちょっと考えてしまう。


「ロザリンドちゃんはいるか!?」


 故ちゃんがいらっしゃった。今の私とわかりあえる同志である。仲間である。私達は授業をサボることにした。次の授業は単位を取得しているので、受けなくても問題ない。






 結局心配したミルフィも一緒になって空き教室で密談することになった。


「とりあえず、故ちゃんはうまくいったんですか?」


「あ、ああ…だがその…昨日からフィズが…その…お酒を呑んでいた時のままなんだ」



 な ん だ と ?



 なんでもフィズは昨日からずっとスキンシップと愛の言葉を忘れない男へと変わってしまったらしい。今までそんなことは無かったので、故ちゃんもとまどっているとのこと。


「お酒?」


 ミルフィに昨日の話をしたら、ほっぺを膨らませて拗ねた。可愛い。


「次は私も誘ってくださいましね!」


「次…」


 私は禁酒を誓ったばかりである。しかし、プリプリ怒るプリティー天使に勝てなかった。


「つ、次があればお誘いします。でも、お酒って怖いですよ。あれは悪魔の飲み物です」


「?どういうことですの??」


 私は昨夜の醜態を暴露した。同士である故ちゃんは私の気持ちが解るのだろう。何度も何度も頷いてくれた。


「そうだったのか、ロザリンドちゃんもか…しかし、私と違って愛らしかったのだろうな…ロザリンドちゃんにメロメロなディルクさんが目に浮かぶ…」


「ですわね」


 頷きあうミルフィと故ちゃん。いやまあ…間違ってないが何故わかる。


「いや、感想がおかしくない!?たまたまミラクルで嫌がられなかったけど、酔っぱらった上に絡んでセクハラしてワガママ言ったんだよ!?」


「その…ディルク様はそのワガママが嬉しかったのではないかと思いますわ。立場を逆転して考えてみてくださいませ。ディルク様が酔って、ロザリィともっと一緒にいたいとおっしゃったらどう思います?」





 ロザリンドにかまって欲しいにゃんと言う酔いどれディルクを妄想した。





「めっちゃ嬉しい。かまい倒す。そっか…それでご機嫌だったのか……」


「……………」


 故ちゃんも何やら考えているようだ。


「フィズの変化は、もしかしなくとも私のせいかもしれない…」


 故ちゃんが床に倒れ伏した。どうした?


「え?」

「まあ」


「そ、その…フィズにロザリンドちゃん達みたいにイチャイチャしたいと…言った」





 確実にそれが原因だな。




 しかも昨日酔わせて聞き出したのだが、フィズが望んだのは『ディルクとロザリンドのように愛しあえる相手』だった。つまり、フィズも本当はイチャイチャしたかったのだろう。故ちゃんもイチャイチャを望んでいるとわかれば、そりゃあ全力で愛でるに違いない。


「故ちゃんは前のフィズに戻って欲しいの?」


「う…いや…フィズが嫌じゃないなら……このままがいい」


「じゃあ、解決か」


 恥じらいつつもフィズとイチャイチャしたいと言う故ちゃん可愛い。ゴチになりました。


「結局ロザリィの悩みはなんでしたの?」


「酔っぱらって、ディルクに甘えまくって、恥ずか死にたい。記憶を消去したい」


「……ディルク様は喜んだようですし、気にしなくていいのでは?」


「無理だ!気になるよ!」


「では、ディルク様を避けますか?我が家でしたらいつでも泊まりにいらしてくださいまし」


「……やだ。耐える。ディルクと居たい。恥ずかしいぐらい耐える」


 耐えるしかないという結論に至った私。離れる想像だけでしょんぼりしてしまった私に、ミルフィと故ちゃんがキラキラしていた。


「可愛いですわ」

「可愛いな」


「はい??」


「ロザリィったらもう!可愛いですわ!」

「ロザリンドちゃんは可愛いな!」


「えええええ!?」


 友人にサンドイッチされてアワアワする私。二人に左右からぎゅうぎゅう抱きしめられる。なんで!?よくわからん!


私のしょんぼりした気持ちに反応したディルクが乱入して首をかしげるまで、あと10秒。説明が難しかったのは言うまでもない。 

 お酒って怖いですよね。ちなみに作者は呑むと眠くなって楽しくなります。

 朝起きたら玄関で寝てた人の話を聞いたり、お酒での珍プレーを色々聞いていますが、そこまで酔ったことはないですね。

 1回ぐらいは思いきり酔っぱらってみたいです。

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