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私をレディにしてください!(打ち上げで仲直り?編)

 故ちゃんの婚約披露パーティも終わり、そろそろまたクラリンのラブ集めを手伝おうとした所で、故ちゃんから相談を受けました。


「最近、フィズが私を避けるんだ…私は何かしてしまったのだろうか」


 なんでも婚約披露パーティからフィズが故ちゃんに冷たいらしい。

 ディルクが聞き出してくれることになりました。フットワークが軽い旦那様、マジ愛してます。





 しかし、帰宅したディルクは沈痛な表情で私に言った。


「ロザリンド…ごめん。俺はフィズの名誉のために話せない…」


「どうせ故ちゃんのナマ足でこう…妄想と欲情に苛まれた結果、手を出しそうで近寄れないんでしょ?」


 ディルクが床に伏せた。あれ?違うの??


「なんでわかったの!?」


「いや、勘?なんだかディルクとフィズが同じ失敗をやらかしてる気がする。というわけで、我が家で酒盛りしよう!」


「なんでそうなったの!?」


「実はシュシュさんから甘いお酒をいただきました。呑みたいの!お酒が入れば勢いつくでしょ?」


「………俺はそれで失敗した記憶しかないよ。しかもロザリンド、まだお酒ダメでしょう!?」

※クリスティアではお酒は16歳から。現在ロザリンドは15歳。冬で16になります。よい子は真似したらいけません。お酒は(日本では)20歳になってから。


「冬で16なんだからいいじゃない!あと半年だよ!」

※法律はきちんと守りましょうね。ロザリンドの真似したらいけません。


 そうは言うものの他に有効な打開策を見つけられなかったためにディルクはフィズを誘った。婚約披露パーティの打ち上げと言われれば真面目なフィズが断るはずもない。





 酒もつまみも完璧です!タイミングばっちりでフィズ達が来ました。フィズも最初は私が呑むのを渋りましたが、じゃあフィズは何歳から呑んだの?と言ったら黙りました。

 騎士団の人間は、未成年でもたまに呑まされるのです。取り締まる側、それでいいのか?いや、ダメだね。


 シュシュさんがくれた桃のリキュールをオレンジジュースで割って呑む。ファジーネーブルだね。甘くておいしい。

 そして我ながら、この焼き鳥もおいしい。お酒がすすむ。


「ふみゅ~」


 おや?故ちゃんの様子が…


「ふぃず~」


「ユエ?」


「しゃいきん、にゃんでしゃけるんだ?」

※ろれつがまわってなくて解りにくいですが、最近、なんで避けるんだ?と聞いています。


「避けてない」


 故ちゃんはフィズに抱きついた。


「うしょら。わらし、しってりゅんら。ふぃず、わらしがきらいにらっらんらぁぁ!」

※嘘だ。私、知ってるんだ。ふぃず、私が嫌いになったんだぁぁ!


 故ちゃんがヨッパライダー(泣き上戸)に進化したようだ。故ちゃんはしくしく泣いている。


「嫌ってなどいない!私はユエを愛している!」


「…ほんろ?」

※ほんと?


「本当だ!!」


「えへへ~、うれしいにゃ~。じゃあちゅーしてぇ」




「「「……………」」」




 全員固まった。





「ふぃず、ちゅーはぁ?」


 攻めるね、故ちゃん!私は友として協力するよ!


「ディルク、ちょっとおつまみが足りないかも。一緒に作ろうよ」


「そ、そうだね!」


 そそくさと撤退しようとした私達。


「ま、待て!こんな可愛いユエと二人きりにするな!間違いを起こしたらどうする!?」


「いや、いくらなんでも友人宅で最後までいたさないと信じてます。ちゅーぐらいササッと済ませてテイクアウトしたら?」


「ふぃず…やっぱりわらしがきらいらろ?」

※フィズ…やっぱり私が嫌いなの?


 故ちゃんは泣きそうです。


「故ちゃんはフィズに避けられてると悲しんでました。故ちゃんを悲しませてまで避ける必要があるんですか?」


「………ユエ、すまなかった!ユエの脚が…いやユエが最近あまりにも綺麗になるから…いや、ユエが魅力的過ぎて俺は君に不埒なことをしそうになるから避けていたのだ!すまなかった!ユエ、嫌ってなどいない!愛している!」


 フィズが故ちゃんを抱きしめてキスをした。せめて私達が出てからにしろ。


「ふぃず、ふぃず…もっろぉ」

※フィズ、フィズ…もっとぉ


「ぐはっ…ユエが可愛すぎて辛い………」


 とりあえず、ディルクと撤退しました。少し時間稼ぎに面倒な料理でも作るか。ハンバーグのタネを量産しよう。肉団子にしたり応用もきくし。

 私とディルクは黙々と作業をした。






「えへへ、フィズしゅきらよ~」

※えへへ、フィズすきだよ~


「………ああ可愛い…ユエは可愛いな…」


 30分後。フィズのお膝に乗って甘える故ちゃん。よかったね。フィズも酒が入ってるせいか、本音が駄々漏れです。私達が来ても離れず故ちゃんをお膝に抱っこしたままうっとりしています。


「…もう帰ったら?」


「そうだな」


 故ちゃんを軽々とお姫様抱っこするフィズ。そのまま帰る気か!?あかん、この男見た目は変わらないがかなり酔っている!


「…ディルク、送ってくる」


「頼んだよ、ロザリンド」


 転移魔法で送り届けました。顔見知りの執事さんに、フィズも相当酔ってるからとよろしくお願いしました。


 明日どうなったか故ちゃんに聞こう。覚えてるよね?多分。

 ユエがあまりにも可愛い。可愛くて可愛くて可愛い。どうしたらいい?記録すべきか?

 しかし、可愛すぎる。どうしよう…やはり可愛い。うむ、ユエは可愛いな。可愛いものは愛でるべきだ!

byフィズ


※フィズさんはヨッパライダー(本音が駄々漏れ)に進化したようです。混乱もしています。翌朝悶えるに違いない。



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