登校デートは楽しいね!
今日はディルクも講義があるから一緒に登校です。時間があるから、馬車を断り手を繋いで話をしながら学校まで歩いていく。
「ディルク、大変です!」
「……?どうしたの?」
「これは憧れの登校デートです!」
「……ん?」
ディルクが首をかしげた。
「いや、凛の憧れだったんですよ。こうやって学校に行くの。凛のクラスメートがしてて、何度このリア充が…と思ったことか!今は私がリア充です!ディルク、ありがとう!」
「??よくわからないけどロザリンドが嬉しいなら、また一緒に歩こうか」
「帰り!帰りも歩きがいい!それで買い食いとかして下校デートするの!」
「ああ、それはいいね」
ディルクは穏やかに微笑んだ。いやああああ、マイダーリンがイケメンすぎるうぅ!!
「俺も憧れだったんだ、学校の帰りにデートするの。ふふ、憧れが叶っちゃった」
照れ臭そうに笑うディルクにキュンキュンする。
「ディルク、大好き好き好き!愛してる!!」
腕に抱きついて、スリスリと頬ずりをする。手は繋いだままだ。
「うわ!?…もう、俺のお嫁さんは可愛いなぁ」
「可愛いのはディルクです!かっこよくて、可愛くて、頼りになる最高の旦那様ですよ!!」
「!??…え?お、俺、頼りになる?かっこいい?」
「はい!とても頼もしいです!ここ数年、可愛いよりはかっこいいですよね。お仕事してる時なんかはとても凛々しくて…男らしくて素敵です!」
「…ロザリンド、もう1回!記録する!映像に記録するからもう1回!!」
まさかのおかわりコールが来てしまいました。
「いや、私はいつでも言いますよ?」
ディルクのラブコールと違い、レア度は低い。
「可愛い以外の誉め言葉は珍しいよ!すごく嬉しい!俺、ずっとロザリンドを支えられる人間になりたかったから頼りになるが1番嬉しい!!」
「…………なるほど」
私は目を伏せた。覚悟を決め、何を語るか考える。
「ディルク、記録はOK?」
「うん」
「…私は…ロザリンド=バートンはディルクを人生最高、最良のパートナーだと思っています。始まりは憧れでした。それはいつしか消え、恋をした。すれ違いやいさかいもありました。しかし共に歩み、支え…この命が尽きるまで共にありたいと願います」
「……………」
「この世で誰より貴方を信頼し、頼りにしています。私が背中を預けられるのは貴方だけです。カーティスの事は貴方にしか伝えられなかった。そして、貴方は確かに私の心を支えてくれた。騎士の夢を捨ててまで、私との未来を選んでくれた。それはどれほど得難いものか…きっと私ほど幸せな女はいないでしょう」
「…………………」
「……私の旦那様…ディルク=バートンに出会えたことが、私にとって最高の幸運です。ディルクが居たから、望んだ未来を勝ち取れたんです。心から、ディルクを愛しています」
「……あああああ、もう我慢できない…!」
「へ?んんん!!」
いきなり路地裏に引き込まれた。壁ドン??と思ったらいきなりの激しいキスに、息ができない!
「…は、ロザリンド…愛してる…君に会えたことこそ、俺にとっても最高の幸運だ…!」
「はぁ、ディルク…」
これはまずい。ディルクからフェロモンが…!
「ディルク、記録したままですが?」
「あ」
「しかも、流石の私も野外というか町中はちょっと抵抗が…学校もありますし、クラリンとも約束しています」
「…すいません」
「謝らないで、嬉しかったから。続きはお家で……ね?」
ちょん、と唇に触れたら頬を赤らめて笑ってくれた。しんなりした耳と尻尾もピーンと元気になりました。
「うん!」
やっぱりディルクは可愛いなぁと思ってしまいました。いや、普段かっこいいのは本当なんですよ。夜はエロかっこいいしなぁ…ものすっごくセクシーだし、ちょっとSなとこがまたイイ……
「ロザリンド、フェロモン出てる。抑えて」
「うあああああ、すいません!」
「……何を考えてたの?」
「いや、夜のディルクはエロかっこいいとかセクシーだとか…」
「…………何を考えててるの!」
「フェロモン出てた時点で察して!私も恥ずかしい!!」
ぎくしゃくしながら登校するはめになりました。ディルクがエロいのがいけないんだと思います!!
ちなみに記録にはディルクの告白も入ってたので、複製して私のコレクション になりました。
普通に登校するはずが…ロザリンドさんが暴走しました(笑)
きっと他の学生達にぎくしゃくしているのを目撃され『このリア充が!』と思われるに違いないです。




