それもラブこれもラブ
ここは外せないだろう、というわけで凛花が借りてる借家に突撃しました。
「たのもう!」
「ロザリンドちゃん、いらっしゃ……クラリン!?」
「久しぶりね、リンカー。元気そうで何よりだわ」
「クラリン…クラリィィィン!!会いたかったッスよおおおお!!」
「リンカー、涙は乙女の最終兵器よ。簡単に泣いたらダメ」
「えぐ…わかったッス」
「…………どういう状況なんだ?」
「……感動のご対面です」
「それは見ればわかる。なんでクラリンがここに居るんだ?」
説明しました。かくかくしかじかです。
「ついでに愛の神様の先輩としてアドバイスを所望します」
「先輩、お願いしますなの」
「…アドバイスかぁ…僕も本能的に使っていた能力だからなぁ…とりあえず、結ばれるべき人間からは糸が見えていた。クラリンも見えるか?」
「…そなたらは糸でぐるぐる巻きになっている。すでに結ばれているようじゃ」
「!??」
ラヴィータが真っ赤になった。そうか、精神的に結ばれているかがわかるんだね?
「クラリン、私は?」
「しめ縄」
もはや糸ではなかった。縄だった。ごんぶとだった。つまり、私とディルクは深くぶっとく結ばれているのですね!(ポジティブに考えました!)
「しめ縄…ぐふっ」
凛花が笑っていたのでシャイニングウィザードをかましました。
「サラッとリンカに攻撃すんな!糸が太いのは普通より結びつきが強いってだけだ!」
ラヴィータに叱られました。さて、メインイベントです。
「二人のラブ…つまり、なれそめを話してください」
「じ、じゃあ僕から…」
ラヴィータは魔になってしまい後悔し続けた中で、凛花は確かに希望の光だったこと。許されないと知りながら、それでも凛花と居たいと願ってしまったこと…そして今…今でも全て夢だったのではと疑うぐらいに幸せだと語った。
「ラヴィータ君!夢じゃないッスよ!自分はちゃあんとここにいるッス!」
「ちょっと…リンカ!?わ、わかったから!」
凛花にギュウギュウ抱きしめられて困惑するラヴィータ。
「自分も話すッスよ!」
凛花はゲームで正しく魔の正体を予測していた。かつては愛の神であった存在は、ゲームのトゥルーエンドですら救えなかった。救えたのはジューダスのみで、魔は滅ぶしかない。凛花はどうしてもその結末が納得いかなかった。
そこにシヴァから誘いがあった。未来を変えたいと思うのだろう?君が願うなら、きっと結末は変わる。あの子を助けて欲しいと…シヴァの願いは凛花の願いでもあり、凛花は承諾した。
凛花にとって誤算だったのは、魔に本気で恋をしたことだ。憧れのキャラだと思っていたのだが、現実で魔…ラヴィに触れるたびに惹かれ、気がつけば恋をしていた。
ラヴィが邪神になるきっかけが女性だと勘違いしていて、やきもきしたりもしていたが…今となってはいい思い出だ。
「まさか異世界で恋愛するとは思わなかったッスよ」
「僕も…人の恋をたくさん見てきたけど、自分が恋をするなんて思わなかったよ」
見つめあう二人は、幸せそうでした。よかったね。
「クラリィィィン!?」
クラリンの変身に凛花が驚きました。私はもう慣れた。気にしないことにした。
「あ、ラブをチャージするとクラリンがコスプレする仕様らしいです」
「なんでそうなるんスか!?」
「知らん」
むしろ私が聞きたいわ。ちなみにクラリンは天使の羽根をもつ魔法少女スタイルに変身していた。天使の羽根がラヴィータで、魔法少女が凛花かな。冷静な自分が恐ろしいですわ。慣れって怖い。
凛花とラヴィータのラブは……なんか金色に光っていた。
「神様だからスペシャル仕様なのかなぁ……あ、凛花、萌えについて別室でクラリンと語らってみてよ。あれも愛にカウントされるのかなぁ?」
「任せろッス!」
「ふんぎゃあああああ!?」
「凛花!?」
悲鳴は凛花だったが、クラリンが大変なことになっていた。腐った死体…いや、生きている。クラリンが腐っていた。
「ラブとしてカウントされるけど…このラブは使わない方が良さそうね」
「「すいませんでした!!」」
己の姿がどうなろうと動じないクラリンはスゴいです。腐女子の愛は使用不可だと学びました。二度としないからね!
どうしてもやりたかったネタでした。腐女子の愛(萌え)で腐るクラリン。しょうもない作者ですいません。
ちなみに結晶化すると濁った色になりますが、こちらも個人差があります。




