ラブチャージ作戦・継続中
ラブと言えば、我が両親。いつもラブラブですから。というわけで、なれそめを母に語っていただいた。
「パパには内緒よ?」
にっこり笑う母は相変わらず美しい。
いや、泣けた。物語みたいだった。心を閉ざした病弱な母に突撃し続けた父。自分を利用しようとするやつばかりで心を閉ざさざるをえなかった母。そんな母を利用なんて微塵も考えず盛大にずれつつも一途に愛した父は…確かに救いだったと。彼のためならば命を落としても子を遺したいと願った母。
そして産まれた私たち。
病気が治ってよかったね、母!!産んでくれてありがとう!!
「母様、私母様の子供に産まれて幸せです。母様が死ななくてよかった…」
「あらあら、うふふ」
母は涙を流しながら抱きつく私を優しく抱きしめてくれた。温かくていい匂いがしました。
「ところで、クラリンは大丈夫なのかしら?」
「クラリィィィン!??」
母の言葉に背後を見てみたら……
なんか、クラリンが点滴うってボロボロなんですが!?病人!?ベッドもオプションですか!?母が病弱だったから!?
顔が土気色なんだけど!?
「ラブチャージ…完了…がくり」
「クラリィィィン!??」
ラブを結晶化したら治りました。母のラブは紫色でした。クラリンの顔色が悪かったので、けっこう真剣に焦りました。
ついでに近いので、別宅にも行きました。珍しくルーミアさんも在宅中。今日は仕事が休みだったらしい。
「というわけで、なれそめを語ってください」
「一目惚れだ」
「まさかの一言!?」
「シンプルねえ。そうねぇ、なれそめ…私、最初は旦那様をあんまり好きじゃなかったのよね」
「!??」
「私の好みは知的で冷静な人だったから」
「!?!?」
あの、ジェラルディンさんが一言も喋れなくなってますよ。泣きそうだよ!?
「でもね、この人…おバカさんであんまりにも一途で…可愛いなって思ったらダメだったわ。恋はするものじゃなく落ちるものって本当ね。『あっ』て思ったら、もうダメだったわ」
そっかあ、なんかわかる気がしますね。
「駆け落ちして、無くしたものも沢山あるけど後悔はしてないわ。私はとても幸せよ」
照れながら笑うルーミアさんは可愛らしく、そんな可愛い嫁を前に野獣が我慢できるはずもなく、ルーミアさんはおっさんに抱っこされた。
「コラ!人前ではダメって……んん!?」
「…お話しありがとうございました。お邪魔しました!」
おっさんが発情したので早急に撤退することにしました。
「クラリン、チャージは?」
「問題なく完了した」
「クラリィィィン!?」
クラリンは王様みたいになっていた。威厳漂うちっさいじいちゃんである。
ルーミアさんとジェラルディンさんのラブは銀色と藍色のマーブルでした。
マーサにもお願いすることにした。騎士団を引退したルドルフさんも居た。マーサといたいから、お手伝いしつつ邪魔しているらしい。
マーサ、ダメなことはダメって言わないとおっさんつけあがるよ。
「なれそめ…でございますか。幼い頃いわゆるガキ大将だったルドルフをこてんぱんにしたことですかね?」
「ああ、俺はあのマーサの凛々しさ、強さ、美しさに惚れたんだ!それからマーサに相応しくなれるよう、勉学も剣も頑張った!そして冒険者になったマーサに再会したんだ。だがマーサは覚えてなくて、殴られた」
「…覚えていたとしても、男に許可なく抱きつかれたら、殴りますわ」
「確かに」
私はマーサに同意した。私も多分殴る。しかし、ルドルフさんの片想いは予想外に長かったらしい。
「嬢ちゃんのおかげでマーサと結婚できて、子供まで…本当に感謝している」
「私もです。お嬢様は最高のご主人様ですわ」
「いや、私はたいしたことは…」
何故か誉められてワタワタする私。おかしいな、なれそめを聞いていたはずなんだけど??
「いや、嬢ちゃんがいなきゃ結婚式で離婚してた」
「確かに!!」
※悪役令嬢になんかなりません。ロザリンド7歳・ツンデレと日常編参照。
「ロザリン、ラブチャージオッケーよ!」
「じゃ、次…………んなあああ!?」
クラリンは何故かセクシーくのいちスタイルでした。やはりマーサは忍者だったらしいです。いや、もうなんでだとツッコミする気力がない。
マーサとルドルフさんのラブは、ワインレッドと
ブルーグレーのマーブルでした。
詳しくはクリスマス企画でにしたらいい気がしました。ラブが出揃ったら活動報告でアンケートを多分やります。
やる時はきちんと告知しますんで、よろしくお願いします。




