ラブラブ大作戦
とりあえず、クラリンと一緒にバートン邸に移動しました。
「……ロザリンドお帰り?」
「ディルク、ただいま」
「えっと…クラリン?」
「お邪魔してるの」
クラリンに会った経緯を説明しました。
「と、いうわけでディルクにも私への愛を語っていただきたい!むしろ私が聞きたい!!」
「え、えええええ!?」
「これも世界平和のためよ!お願い、ディルルン」
ディルクは困惑していたが、結局は私について…というかなれそめを語り始めた。
ディルクの口から聞く私は美化されすぎと思うものの、なんだかんだで嬉しくて…我慢できずディルクに抱きついた。
「ディルク、愛してます!!」
「うわあ!?お、俺も愛してま……す?うわあああああ、クラリン!?」
ディルクが何やらびっくりしているのでクラリンをみたら、黒猫ガールに衣装チェンジされていた。なんで!?ディルクだから!?え!?私の時は筋肉だったよ!?
「ロザリン、LOVEチャージ完了よ!」
「オッケー、クラリン!ところで、そのラブは貯めとけないわけ?」
ぶっちゃけあのショボイベントを100回繰り返してもアルディン様は落とせない気がする。
「いや、ラブを貯めるとか無理じゃない?」
「やってみるわ」
結果…できました。ディルクのラブは琥珀色でハート形の宝石になりました。大きさは10センチぐらい。とりあえず瓶に入れておくことに。
「というわけで、ラブを集めましょう!」
「で、なんで私なんですか!?」
ラビーシャちゃんは困惑、アルフィージ様は満面の笑みである。
「いやいや、ラビーシャちゃんアルフィージ様大好きでしょ?世界平和のために協力を!」
「うう…」
「私も聞きたいなぁ、ラビーシャ」
「うう…つ、次はアルフィージ様も話すんですからね!!」
ラビーシャちゃんは頑張りました。途中でアルフィージ様のセクハラにより中断しつつも頑張りました。
「ロザリンド嬢、今すぐラビーシャと愛を確かめ合いたいから、後でではダメかな?」
クラリンはウサギさんになっていた。バニーじいちゃんである。
「クラリィィン!?」
「「!!??」」
私の雄叫びにビビる二人。クラリンは動じない。アルフィージ様は死んだ魚みたいな表情になった。
「いいわよ。腹黒君の分もあるから」
「ありがとう。では行こうか、ラビーシャ」
「わ、私の意思はああああ!?」
頑張れ、ラビーシャちゃん。ラビーシャちゃんはアルフィージ様に抱っこされてどこかに連れていかれました。仲良しだね!
ラビーシャちゃんとアルフィージ様のラブは、ピンクと水色のマーブルでした。
「で、なんで僕なわけ?」
「万年色ボ賢者に活躍の機会を与えようという優しい弟子の気遣いを踏みにじるとは、禁断の扉を開きたいようですね」
「やめてくださいお願いします」
賢者は危機察知能力が高かった。へたれとも言う。
「私はかまわないよ。むしろ赤裸々にダーリンとの閨「こらあああああ!?語るのはなれそめ!愛について!性欲は要らない!」
「いいえ、あれもLOVE、これもLOVE、性欲もLOVEあってこそよ」
「余計なこと言うな、じじい!!」
「つーん。クラリン、じじいにじじいって言われたくない」
可愛いじじいと美人なじじいが喧嘩しています。なんか和む。
「では、ダーリンが語るのかい?」
「ああ」
「楽しみだなぁ」
「……………ハニー」
「なんだい」
賢者は青くなって赤くなった。
「まさか、聞く気?」
「ロザリンドちゃん、無論私も同席だよな?私を仲間はずれになんかしないよな?」
「モチのロンです!むしろ賢者のコイバナを聞いた奥方様のラブパワーもいただけて、一石二鳥!!」
賢者がしゃがみこんだ。
「絶対楽しんでるだろ!この悪魔弟子!」
「いやいや、賢者様の閨事情に精通しちゃってる私にそんなこと言ってもいいんですか?」
「この悪魔ァァァァ!!」
賢者は泣いた。そして観念して語り出した。
なんというか、甘酸っぱかった。ラビーシャちゃんも甘酸っぱかったが、孤独な賢者が奥方様に惹かれていく話はとてもピュアな恋物語を聞いているようだった。ラビーシャちゃん達のなれそめは私もある程度知っていたので、新鮮だったからもあるかも。
「ダーリン……」
奥方様も感激して泣いているぐらいだ。
「その…いつも照れて言えないけど、誰より君を愛しているよ、ハニー。君に会えて、君との子供が生まれて、信じられないぐらいに幸せだ」
賢者はそっと奥方様の手をとりキスをした。ええ話や…しかし私は背後のクラリンが若返ってるのが気になる。
クラリンは顔はそのままで幼稚園児スタイルになっていた。賢者が若作りだと言いたいのですか??どんな意味があるの?顔がクラリンのままだから違和感が……あるようでないようで微妙。
「ロザリン、愛する二人の邪魔をしたらいけないわ、行きましょう」
「うん」
さらにラブを集めることにしました。賢者と奥方様のラブは白とスカイブルーのマーブルでした。
なんというか、クラリンは使いやすいですね(笑)




