共同経営の効果
王城での話し合い、翌日。掲示板に張り紙がしてあった。
『我がシルベスター魔法学園は、来月より王立魔法学校と共同経営をすることとなった。詳細については、後日書面にて生徒に配布する』
仕事が早いな、さすがはアルフィージ様………いや、来月!?早すぎるわ!!何をどーやったの!?すげーな、アルフィージ様!
「王立魔法学校?あの庶民臭いボロ学校だろう?なんでわざわざ…」
クラスメートの男子生徒(名前がパッとでてこないよ)君がぼやいていたので教えてやった。
「あら、でも王立魔法学校はどこよりも早く飛び級制度を導入していますし、騎士団、魔法院、商会とのパイプも太いんですのよ」
「そうなのか…」
他の生徒達も納得したらしく、聞き耳を立てているのがわかった。
「私は商会については詳しくありませんが、学友がコラボ商品をつくっていましたわ。騎士団と魔法院でしたら実際に実習にも行きましたから、詳しく話してさしあげてもよろしくてよ」
「是非お願いします!!」
いやあ、余計なこと言わなきゃよかったわ。
あれからひっきりなしに王立魔法学校について聞きたい生徒が来て、話すはめになりました。しかし地道な説明をしたかいがあり、生徒も好意的に受け入れているようだ。
ランチタイムになり、皆でご飯となりました。レティシア嬢、カーライル公爵子息、故ちゃんも居ます。
「疲れた………」
そして、ディルクがぐったりしています。
「職員の方が反感は強いね。飛び級制度を実施となったらテストを作らなきゃいけないし、特に作法は人数が減るのが目に見えている。あの先生は年配で頭も固いから、説得は難しいだろうね」
「私、ちょっと話してきます」
ディルクが言っていた作法の教師、私は嫌いではない。むしろ信念を持って教えているおば様なので好感をもっているぐらいだ。
「説得しました」
「どうやったの!?」
「いや?少人数のメリットをお伝えしました。あの先生はできない生徒にもっとしっかり指導したいとこぼしてましたから、マスターしている大多数が減ることで、より密度の濃い授業ができますし、先生の手腕に期待しておりますと申し上げてきました」
「よっ、天才詐欺師!」
「違うから!凛花の指導をよろしくお願いしといたからね」
「ふぬああああ!?」
バカめ、私をからかうなど一万年と二千年早いわ!
「…リンカ様、特に作法系は不得手ですからね。教えますから頑張りましょう。下手をするとリンカ様の大事な方達までバカにされかねませんよ」
「が、頑張るッス!」
「あの、私も出来たら教えてもらえないだろうか」
故ちゃんが挙手した。
「リンカ様も一緒に学ぶ仲間がいた方がはかどるでしょうし俺はかまいませんよ」
「ぜひお願いするッス!」
「ありがとう、二人とも」
凛花はすっかり故ちゃんと仲良くなっている。入学時同じクラスだったラビーシャちゃんもそこそこ仲がいい。
「そういえば、フィズとの仲は進展したの?」
「いや、難しいな」
「自分も乙女ゲームならアドバイスできるんスけど…」
「そうだね、リアルはちがうもんなぁ…」
「そもそも、私はその乙女ゲームすら失敗したぞ。鍛えすぎてノーマルエンドになって、友人から爆笑された。簡単なものもクリアできなかった」
「「……………」」
「ぶはっ!」
「ふはっ!」
「「何それ、詳しく!!」」
故ちゃんの乙女ゲーム珍プレイは面白すぎた。彼女は常に己を貫き、媚びない。人間性とぶれない信念は評価するが、ゲームだからね?あくまでもゲームだからね??
そして、乙女ゲームは他者になりきって遊ぶものでもあると教えたら、びっくりしていた。そっからかい!
そんな感じで楽しく昼食は過ぎました。
職員がもう少し抵抗するかと思いきや、私が説得した女性教師が賛成派に寝返ったのが大きかったらしく、共同経営は特に障害もなく実施に至りました。
以前のクラスメート達と再会し、飛び級制度のおかげで仕事もできるようになりました。
更に他の学校も飛び級制度を導入し始めたらしく、アルフィージ様の手腕がすごすぎると思いました。アルフィージ様は敵にまわしたらいけませんが、味方になると頼もしいです。
次回、なんとあのヒトとまさかの再会!!
驚愕の次回を待て!!なんつって(笑)
ようやくあれを出せますわ(笑)




