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嫉妬と喜び

 何人かそこんとこ詳しく!と言う方がいたので、珍しいディルク攻めです。

 帰りの馬車で私はふてくされていた。理由は、ディルクが男子生徒に(実は女子生徒にも)大人気だったために、あまりかまってもらえなかったからだ。




 しかし、おかしい。




 普段ならディルクが『どうしたの?』とか『何かしちゃった?』と私の様子をうかがうのだが………


「…俺の方をさっきから見てるけど…どうかした?」





 ディルクがエロい。




 色気が駄々漏れで、同じ馬車にいるだけでもう…なんか想像妊娠できる気がする。

 理由がわからないから私が戸惑うのも仕方ないと思う。


「ロザリンド、おいで」


 ディルクがエロモードなので誘われるままお膝にのれば、あはんうふんな事になるに違いない。しかし、ディルクが私に両手を伸ばしていたら……


「喜んで!!」


 わんこロザリンドは迷わずディルクの腕に飛びこんでしまう。そもそも私はディルクにかまわれたかったのである。そのディルクが『ロザリンド(かまってあげるよ)おいで』と言ったなら、拗ねていようと甘えに行くに決まっている。ディルク限定でチョロザリンドなのである。


「ディルク、ディルク」


「甘えんぼうだね…」


 ディルクが色気たっぷりに微笑んだ。ヤバい、ゾクゾクする。ディルクフェロモンにあてられそうだ。


「そうだよ、旦那様にはお嫁さんを可愛がる義務があるんだから!嫁には旦那にかまわれる権利があるの!」


「そうだね。ごめんね?ヤキモチやいたんだって?」





「………………ほへ?」




 ヤキモチ…焼き餅…嫉妬………しばらく思考停止したが、理解する。


「なななななな!?何で知ってんの!?あ!」


 うっかり肯定しちゃったぁぁ!!


「嬉しいなぁ、ロザリンドからヤキモチやかれるなんて」


「ふぬあああああああ」


 恥ずかしい!誰だ!?裏切り者は!私の情報をディルクに売り渡したやつは!


「……ディルクが慕われるのは嬉しいけど、近寄れないのが辛い…大丈夫じゃない、ディルクにかまわれたいぃ~!……って言ってくれるなんて嬉しいなぁ」


「一言一句間違いなし!?ラビーシャだな!?ラビーシャちゃんがばらしたんだね!?ちょっとお仕置きして「走行中の馬車から出たら危ないよ。それに、俺もロザリンドにかまいたいんだ…存分にかまい倒すからね」


「うおぉ……」


 私は逃亡不能であると悟りました。そして、何故ディルク様がセクシーディルク様にクラスチェンジなさったのか考えました。






 最近獣性発散してなかったわ。






 答えはあっさりと出てしまった。そういや、最後はいつだ!?最近忙しくて記憶がないよ!これはヤバい…ヤバいヤバいヤバい…朝までコースになりかねない!

 すでに触り方が怪しくなってきている。こ、こんなとこで羞恥プレイは嫌だ!


「ディルク…お、お家で…お家でなら……好きにしていいから」


「うん」


 ディルクは私の望んだとおりに馬車でやらかしたりはしなかった。


「ロザリンドは俺にかまわれたかったんだよね?かわいいなぁ」


「ぐふっ」


「いっそ生徒達を蹴散らしてでも近寄りたいって言ってたんだって?」


「がはっ」


「最後は俺の名前を呼んで泣いてたんだって?」


「こ、殺せ!いっそころせぇぇ!!」


 これ以上の恥辱に耐えられない!死因は恥ずか死ですよ!!勘弁してくれ!!


「……嬉しいなぁ。俺もロザリンドにかまえなくて寂しかったけど、ヤキモチやいてくれるなんて嬉しいなぁ」


「……………………」


 耐えられない恥辱を与えられようとも、ディルクが喜ぶならいいかなと思ってしまうチョロザリンドがいました。






 しかし、お色気ムンムンのマイダーリンに熱い視線を浴びせられ、私の嫉妬がいかに嬉しかったかをその後も語られ、さらには私の可愛らしいところ(性的も含む)を延々と語られ……私は歩けなくなるぐらいになりました。触りもせずに嫁を腰くだけにさせるとか、高等テクニック過ぎる…!


 御者さんか悟りをひらいたような表情でした。聞こえてたんですね!?すいません!!





「ロザリンド…もう我慢しなくてイイよね?」


「いやいや、ここ玄関!せめてお風呂!いやベッドで………き、きゃあああああ!?」






 おいしくいただかれました。まさかの玄関プレイでした。お風呂は駄目でした。そこから朝まで耐久コースでした。


 翌日、モーニング土下座いただきました。だから寝起きの土下座は厳しいんですってば。


「本当にごめんなさい!」


「………………」


 声が出ません。とりあえず、謝罪はいいから水ください。


「はい!」


「ふう…こういうとき繋がってるのは便利ですね」


 怒ってないのもわかるでしょ?むしろ全力でかまわれていろんな意味でスッキリしてます。


「…………うん。今日は講師の仕事はないし、家で仕事するよ。ロザリンドも学校、お休みでいいよね?」


「うん!仕事手伝うから、余った時間はイチャイチャしようね!」


「…そうだね」


 ディルクからのキスをもらい、その日はそれはもうイチャイチャイチャイチャしながら過ごしました。





 翌日。


「ロザリィ、なんだか艶々してませんこと?」


「んん?欲求不満が解消されたらかな?」


「昨夜はオタノシミでした?」


「ラビーシャちゃん、今夜は頑張ってね」


「ナニしたんですか!?ナニをやらかしたんですか!?」


「し・か・え・し」


「ぴゅ、ぴゅいいい!?」


 その後、ラビーシャちゃんは自身の最新作『氷王子の白兎』をアルフィージ様の前で朗読・実演させられたらしい。

 今作は、攻められっぱなしの白兎が氷王子にご奉仕するお話。ナニをさせられたかは大体想像がつく。


 アルフィージ様からお礼の品まできた。とても楽しめたらしい。ラビーシャちゃんからは苦情がきた。でも楽しんだんでしょ?と返したら、真っ赤になって否定しなかった。かわゆす。


 私はロザリンド。友人であっても仕返しを忘れない女である。

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