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新婚サバイバル旅行、開始

 さて、強制スカイダンビングから華麗に着地したまでは、多分よかった。しかし、ここで問題が発生した。


「……………ディルクうう………」


「うーん、とりあえず太陽の位置で方角を考えるしかないかなあ。まさか、騎士団のサバイバル訓練が役に立つとは思わなかった」


 どうやらここら一帯は魔力や磁場が狂っているらしく、方位磁石も魔法も上手く働かない。さらには、繋がるからついつい色々やっちゃうんだよと転移の魔石………置いてきてしまったのだ。当然通信魔法も使えない。


 辛うじてヴァルキリーやロージィ君も武器にはなる。ただ、複雑なモノにはなれない。せっかくの新婚旅行だったのに………私のせい?ディルクを見たら、ニッコリ笑って頭を撫でてくれた。


「まあ、ロザリンドが無事でよかった。予定は狂ったけど、逆に二人きりになれて嬉しいかな。赤ちゃんとはいえ、他のモフモフにロザリンドを取られるのは気に入らないし」


 照れながらの微笑みは、可愛くてイケメンで胸がキュンキュンしました。くああああああ!うちの旦那様、サイコー!!


「愛してます。結婚してください」

「結婚してます」

「結婚してたね。なんて素晴らしい旦那様なんだ。超元気になった!ディルク好き!好き好き好き好き、愛してる!惚れ直した!!むしろ変わらずずっと大好きいいい!!」


 そうだね!どこに居たって、ディルクが居ればパラダイスだよ!幸いバッグさんは使えそう。なんとかなるなる!元気百倍、ロザリンド!!


「とりあえず、森を抜けてなんとか人里へ出よう。連絡しなきゃ。人里でなくとも、最悪この森から出られればヴァルキリーやロージィで移動できるし」


「うん!」


 そんなこんなで着替えてから歩いてみたが………。景色が変わらない。上空から見たとき、ここはかなり広範囲の森林だったから、仕方がないよね。舗装されてない道は地味に歩きにくい。


「ロザリンド、乗って」


「え?」


 黒豹半獣人姿のディルクから提案された。


「歩きにくいでしょ。道もないし、こういう所は毒虫や蛇もいるから、抱っこしていくよ」


「え………いや、重くない?」


「ロザリンドは軽いと思う」


「いや、その………」


「ロザリンドが毒にやられたりしたら、アウトだよね。俺、解毒の魔法なんか使えないよ?ロザリンドほど詳しくもないし」


「お願いいたします」


 不本意だが、毒にはかなり詳しい。アリサがいるから解毒は問題ないが、ゴラちゃんから何かあった時のために必要だと。私が平気でも、見知らぬ誰かを救えるようにと。アリサやゴラちゃんがいない時に対処できるように仕込まれていた。


 軽々と抱き上げられて思った。






 何、このご褒美。






 最愛の旦那様に抱っこされて歩くとか、幸せすぎる。首にもたれ、ディルクの香りに包まれる。はう、首がモフモフしてて幸せ………。


「ゴロゴロ…………集中が途切れるから、モフモフしちゃダメ!」


「はっ!」


 無意識だったよ!ディルクが好きすぎて、つい……。はぁん、好き………。


「ロザリンドさん、野外でいたされたくなかったら、やめなさい」

「大変申し訳ありません。気をつけます!」


 流石にこんな森ではしたくない。お風呂もないし、見つかったら嫌だ。


「よろしい…………川だね」


 私にはわからないが、ディルクは耳や鼻をピクピクさせて周囲を確認しているらしい。


「どっち?」


「向こうの方。水辺近くなら誰かいるかもしれないし、行ってみようか」


 ロージィ君を槍にして、道を作りながら歩くディルク。うちの旦那様、カッコいい。多分一生眺めていても飽きない自信があるが、ディルクの嫁としてただのお荷物でいるつもりは微塵もない。


 磁場や魔力を邪魔するのは何か。探ってみた。邪魔するモノ………動いているというか、私達の後ろについてきている。


「…………変だな」


「何が?」


「この森、虫はいるけど鳥も獣もいないんだ」


「あ………」


 確かに。これだけ広大な森ならば、動物や魔物がいて当たり前。かなり歩いているのに、気配すらもしない。


「それに……後ろね」


「ひうっ!?」


 耳元で囁かないでいただきたい。ディルクはそろそろ己がセクシーダイナマイツであると自覚するべきだ。黒豹って美人でセクシーダイナマイツなんだよ。


「ロザリンド?」


 首を傾げる可愛いあんちくしょうめ!好き!しかし、やられっぱなしのロザリンドさんではないのだよ!


「耳元でディルクがしゃべるから……ビックリしちゃったぁ」


 語尾にハートマークがつきそうなぐらい甘ったるい声で囁いてあげた。


「!??」


 ディルクの毛皮がビビビビーンと逆立った。効果は抜群だ!仕返しが成功してニヤニヤしていたら、なんだか寒気が………?


「………ロザリンド?」


「ひっ!?」


 あ、これあかんやつや。ディルクさんのスイッチをピンポンダッシュするはずが………逃げ遅れたようです。そもそも、捕獲されていたなう。


「んんんんんんんー!??」


 私の悲鳴が、周囲にこだましたのであった……。

 黒豹は猛獣です。甘く見ると痛い目を見るのであった………。チーン。

けっこう深刻な状況のはずが、この二人だとお気楽ですね。


ロザリンドがナニをされたのか……続きは貴方の心のなかで(笑)

(*ゝ`ω・)

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