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世界に広がるオタクの輪

 まったりと話ながらデザートタイムになりました。ウェディングケーキはこの間出したので、ショートケーキ、ティラミス、レアチーズケーキ、アップルパイ、紅茶シフォンケーキ、モンブラン、チョコレートケーキ………好きなケーキを食べ放題ですよ!

 色とりどりのケーキにうっとりする女子達。優姫や凜花は本気でケーキをチョイスしている。


「ロザリンドちゃん、ダンさんマジでウチに派遣して!俺も頑張って研究開発したけど、このクオリティは出せんかった!!」


「父に頼んでください」


「お父さん、お願いいたします!!」


「ダンがよければ、かまわない」


 視線がダンへ集中する。困ったご様子だ。


「あー、とても光栄なんですが、派遣はちょっと……料理人を派遣してもらって指導するならかまいません」


「ほな、そうするわ!ありがとうな!」


 ダンのチョコレートケーキはチョコを売りにしている彼方さん達の領地のよりおいしいもんなぁ。ついでにラーメンも習うそうです。


「おいしいものが広まって、ご当地ラーメンとかも出てきたらいいね」


「そうだな。そりゃあ、楽しそうだ。ケーキもラーメンも、可能性は無限大だからなあ。いつかラーメンの食べ歩きがしたいな」


 楽しい未来を想像して、ダンと笑いあった。


「お嬢様には本気で感謝してる。異世界の料理を学ばせてくれただけでなく、恐らく普通に生きていたら一生触れることすら叶わないような食材を提供してくれた。信頼して、俺に一生に一度の結婚式のメニューを任せてくれた。俺は、本当に幸せな料理人だよ」


「そっか。私こそ、おいしいご飯をありがとう」


 ダンは母の偏食改善をしたり、一緒にお弁当を作ったり……第二のお父さん的存在だね。


「ただ、あまり無茶はしてくれるなよ?今回の食材はかなりヤバかったんだろ?ジェラルディン殿からチラッと聞いたぞ。魚はともかく、肉とかエビとか」


「あれはダンジョンマスターが悪いんです。まあ、肉は多少苦戦しましたが大丈夫でした」


「……………聞くのが怖いが、あの肉はなんの肉だったんだい?」


 アルフィージ様が会話に入ってきた。それは聞かないお約束ですよ。


「肉はヤマタノなんとかとふか……なんとかバッファローだ!」


 脳ミソまで筋肉な英雄が中途半端に答えた。


「違いますよ、父上。ヤマタノ獣王牛鳥と不可説不可説転バッファローです」

「ちょ!」


 賢いジャッシュが答えてしまった。


「聞いたことがないね」


「後で調べたら、最上位の亜種だったみたい……です」


 一応敬語で話すジェンド。


「訂正するよ。世界征服はロザリンド嬢だけで可能だね」

「しないから!可能かはわかんないから!!か弱い乙女になんてことを言うんですか!私はちょっぴりお転婆だけど、ごくごく普通の侯爵夫人ですからああああ!!」


 父は頷いてくれましたが、大半がちょっぴり?とドン引きした表情でした。ちくせう。


「凛………ろざりんど?はそんなに強いの?あまり強そうには見えないけど」


『強いですね』


 強くないよと言おうとしたら、満場一致で言われてしまった。ちくせう。


「ロザリンドちゃんのスゴさを知るには、アレっすね!」


「え!?」


 壁一面にスクリーンが現れた。嫌な予感しかしない。そして流れるBGMに、聞き覚えがあった。


「そういや俺、厨房に居たから見てなかったな」


 ダンがどっかり座ってしまいました。皆さん、椅子を動かして鑑賞の構えです。


「ディルク、おうちに帰りたいです」


「うん…………でもこれ、スゴかったしもう一回観ちゃダメ?」


 耳がしんなりしたかっこよくて可愛い旦那様に抗える嫁がいるだろうか。いや、いまい。仕方がないからディルクのお膝で耳をモフモフさせてくれる事を条件に、承諾した。はう………モフモフ。ディルク

の髪を櫛ですいたり編んだりしていたら、終了した。


「わたくし、あにめには詳しくないけれど………とりあえずこの話はどの程度、実話なの?」


「ほぼ全部ッス。九割実話ッス」


「……ろざりんど、普通の侯爵夫人はロッザリンドなの?」


「アレを基準にしちゃダメッス!ロザリンドちゃんは異常ッス!」


「いや、そもそもロッザリンドって何!?異常じゃないから!」


「ロッザリンドは………かけ声?」


 ディルクが自信無さそうに補足した。


「いや、主への讚美だと言っていたぞ。ムキムキロッザリンドの会が」

「おいいいい!?そんなけったいな会合の人と口をきいたらダメって言うか、何その会!!」


「本人非公認ファンクラブッス。たしか正式名称は『白銀の姫勇者を崇める会』だったッス。なんでもこのアニメを布教のために広めたいと熱心に頼み込んでいたッス」


「ま、まさか…………」


 まさか、このアニメが世にでてしまう………だと!?


「その…………お姉ちゃん、ごめんなさい。世界に新たな芸術の風をって、言われて………」


 ポッチが言うには、すでにこのアニメは全世界で放映され、次回作はいつかと問い合わせが殺到しているそうな。




 あまりのショックに、私は気を失った。とりあえず、しばらく引きこもってディルクに癒してもらおう。そうしよう。


 ちなみに次回作は氷王子と白兎で、ラビーシャちゃんが知らないうちに全世界で放映され、世界が一斉に腐界となるのだが………引きこもリンドは知らないのであった。

最近遅刻ばかりでしたが、今日は大丈夫でした!

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