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夢は膨らむ

 とりあえず、魔岩が邪魔だからそっとテーブルに置いてみた。めっちゃ邪魔。そして、それをじっと見ているエルンスト。


「エルンスト、新婚旅行から帰ってきたら、潜水艇作ろっか」


「センスイテイ?」


「うん。海の中を魔力がなくても進める船。海面が嵐でも、海中なら関係ないし」


「………センスイテイ……」


 エルンストがキラキラしてい………いや、アルディン様が物理的に輝いている。まぶしい。


「ラート、眩しいからやめて。というか、なんでラートはアルディン様を輝かせるわけ?」


「ロザリンドよりアルディンを目立たせるためだ!アルディンは王様になるのに、ロザリンドより目立たないからな」




 場がシン、と静かになって………ない。元暗殺者組の騎士が痙攣してる。笑いたきゃ笑え。マナーモードすんな。ムカつくから。


「善き魂よ…………凛………ろざりんど?より輝いているとは思いますが、存在感とはそういうモノではないのでは?それに、そんな風に思う貴方がいるだけでよいのではないかとわたくしは思います」


 微妙に天然だが、渡瀬の祖母が正論を言った。


「そっか。キラキラすりゃいいってモンじゃないのかぁ………よし!アルディンのために頑張る!」


「ありがとう、ラート。でも、俺は目立たなくていいかなって思ってるんだ。昔は兄上やロザリンドに負けたくない気持ちがあったけど、今は違う。勝ち負けなんかない。勝手に俺が卑屈になっていただけだ。確かに俺は兄上ほど優秀でも、ロザリンドみたいにありえないぐらい強いわけでも、奇想天外な発想ができるわけじゃない」


 アルディン様や。私はありえないぐらい強くも、奇想天外な発想もしてませんよ。しかし空気がツッコミを許してくれない。辛い。


「そもそも、俺はそんなに優秀でもない。それでも、支えてくれる人や、期待してると言ってくれた人がいる。自分の甘さが嫌になることもあるし、知らないうちに兄上が泥を被っていたと知って、泣きじゃくった日もある。俺は誰かと比べるんじゃなく、俺として成長していきたい。だから、輝く必要は…………ん?」


 ラートが何もしていなくても、アルディン様は無駄にまばゆい。アルディン様にはアルディン様の良さがある。無自覚で悪人を改心させてしまうのだ。実は誰よりも有能である。アルディン様が関わる政務はとてもクリーンになった。アルフィージ様が実験的に汚職があると思われる部署にアルディン様を行かせたら、汚職に関わった者達が泣きながら自首してきたらしい。


 驚きの白様である。あのピュアさを見ていると、悪いことをしてなくても謝りたくなる時があるもんなぁ………。


「ラートは何もしてないのに、なんで皆目をそらしているんだ?それから、ラート。あんまり輝くと苦情がくるんだ。やるなとは言わないが、ほどほどにしてくれ」


 ちなみにどんな苦情があったか聞いてみた。画家から輝きすぎて顔が見えないと言われたり、謁見で使者が眩しそうにしていたようだ。地味に迷惑である。


「まあ、私に存在感があるかはさておき……『私達が膝をつくべき王』であるとアルディン様を認めております。間違ったなら諌め、支え、アルディン様が作る国を共に見たいと私は考えております」


「ロザリンド……」


「ロザリンド嬢に先を越されたが、私もアルディンが王に相応しいと考えているよ。アルディン、私は好きで泥を被っているんだ。我が王のためならば、その程度……」

「絶対にダメです。嫌です。許しません!兄上が悪者になるのはやめてください!」


 あ、アルフィージ様の兄バカスイッチが入りそう。確かにアルディン様は可愛いけどね。


「そうですね。安心してください。親友としてアルフィージの暴走は僕がなんとかしますよ。アルディン様とアルフィージにはトップに立っていてもらわないと困りますから」


「…………なんでだ?」


「うちの最終兵器娘(ロザリンド)を利用しようとする馬鹿野郎がいるかもしれないでしょ?下手したら、そのせいでクリスティアが地図から消えちゃうかもしれませんし」


 全員が黙って私を見た。


「「確かに」」


 そして、輝ける白様と裏も表も真っ黒様が頷いてしまった。


「異議あり!なんですか!?最終兵器娘と書いてロザリンドと読むなんて!!」


 兄がとても意地悪に微笑んだ。


「そりゃ、ヴァルキリーとディルクとジェラルディンさんだけで世界征服できそうなロザリンドだから」


「………ああ」

「確かに」


 納得しないで!白黒王子ーず!!誰だよ!ポッチや凛花もいるし、簡単だとか言った奴!!


「下手に手出ししなきゃ害はないけど、よく解ってない馬鹿が孤児院の子辺りを人質にしたら、容赦しないでしょ」


「それは手を出したバカが悪いんです」


「それが国家元首だったら?」


「多大なダメージを与えて逃げます」


「ロザリンドは王になりたくないのか?」


「全然なりたくないですね。アルディン様の下でいい国を作るのは楽しそうだからアリですが、国家元首になんかなりたくないです。リーダーよりサブの方が好きですから」


 アルディン様は首をかしげていた。まあ、王になるため育てられたアルディン様にはわかんないかもね。アルフィージ様はめっちゃ頷いてるし。


「まあ、根なし草だった俺らに心から忠誠を誓わせるような主なんだ。自信をもてよ」


「だな。アルディンは自慢の主だよ」


 双子騎士(元暗殺者)に言われて穏やかに笑うアルディン様が印象的でした。いい関係なんだね。双子の表情からもわかる。二人をアルディン様につけたのは、正解だった。


「で、主。いつ世界征服をするんだ?」


 話を聞いていなかった脳味噌まで筋肉の英雄に、私が真空飛び膝蹴りをかましたのは仕方ないと思うの。ジェラルディンさんが悪いの。

大遅刻してすいません。眠いと書けないんです。

ゲームのせい?それもある!でもこう……なかなか書けない日もあるし、話数ストックが切れちゃったんですよね(-_-;)

感想、ありがとうございます!

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