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和やかランチタイム

 今日のランチはロザリンド特製弁当です。早起きして頑張りましたよ。すべては、幸せそうに私のご飯を食べるマイダーリンのため!あと、ディルクの取り分が減らされないよう皆のぶんも作ったよ!


「ロザリンドちゃんの肉じゃがぁぁ…」


 凛花、泣くほどか。お前はどんだけ肉じゃがに執着してるんだよ。


「ロザリンド、俺も食いたい!」


 カーティスは本当にぶれないな。


「あんた達の肉じゃがは鍋あるからそっちから食べなさい」


「「わーい」」


 凛花とカーティスは確実に肉じゃがを独占すると考えた末の苦肉の策だったんだが、喜ばれた。


「ニクジャガ?」


 ディッツ君が首をかしげた。クリスティアにはないからなぁ、肉じゃが。主の好物をリサーチしようとする姿勢は、まさに従者の鑑。


「味見する?」


 取り分けてあげたら、ディッツ君は一口食べて固まった。


「う、うま…ナニコレ、すご……うま………」


 もはや、言語が崩壊している。我ながら美味しくできたとは思うが、普通じゃね?肉も普通のキングオーク(Sランク食材です)だし…いや、割と高級か。だからか。


「ロザリンド、美味しいよ」


 兄からお褒めの言葉をいただきました。


「えへへ、たくさん食べてね」


 そして、王子2人とミルフィが幸せそうにご飯を噛みしめている。どうしたんですか?


「ロザリィ…最高です!お、おいしい…」


「いや、ミルフィが食べたきゃまた作「食べたいです!」


「また作るよ…」


「ロザリンド!俺も!俺も!!」


 めっちゃ挙手するアルディン様。


「ロザリンド嬢」


 にっこり笑うアルフィージ様。


「…わかりました。お二人様もですね」


「お嬢様、私も!」


「大丈夫、ラビーシャちゃんを忘れたりしません」


 とりあえずディルクがいるうちはお弁当持参になるだろうなぁ。明日は何にしよう。シーダ君は静かだと思ったら黙々と食べてた。たんとお食べ。

 ラヴィータは凛花から肉じゃがを分けてもらって幸せそうだ。よかったね。


「くっ…お…おいしいぃ…ロザリンド嬢!シェフを紹介してくださいませ!」


 誤解がとけた記念にランチへお招きしていたレティシア嬢に言われたので、片手をあげた。


「はーい」


「??」


「このお弁当は私が作りました。重箱以外は」


 重箱はミス・バタフライに頼んで作ってもらいました。ウルファネアの職人によるオーダーメイドです。


「は?ええええええ!!?な、なんで!?うちのシェフより美味しいですわよ!?本当に!?」


 論より証拠。レティシア嬢の目の前でスフレケーキを作ってあげた。


「焼きたてが1番美味しいですよ」


「んんん…美味しい!」


 幸せそうに食べるレティシア嬢に、嬉しくなってしまう。可愛いなぁ。


「ロザリンド、俺も!」

「私も食べたいな」

「当然僕の分あるよね?」「はいはいはい!自分も欲しいッス!」

「お嬢様、私も!」

「僕も、食べたい」

「ろ、ロザリィ…私も…」

「俺も…」


 皆から言われたので、まだ生地あるし焼こうとしたら、取り上げられた。ポーチさんにしまわれてしまう。


「ディルク?」


「皆、ロザリンドがご飯を食べてないんだ。ロザリンドが食べてから、作ってもらおうね」


 ディルクは優しい口調だった。素敵な優しい完璧紳士が降臨なすった……!


「………!?」


「ロザリンド!?」


 胸をおさえて倒れる私を抱きとめるディルク。いや、危なかった。



 キュンキュンし過ぎて死ぬかと思った!!死因は旦那様がイケメン過ぎることです!!


「ディルクがかっこよすぎて愛しさと切なさでキュン死ぬ…」


「なんでそうなるの!?貧血!?ご飯をちゃんと食べないからだよ!」


 そして、ディルクにより介助される私。


「いや、自分で…」


「ロザリンドはいつも自分を後回しにするからダメ!これとこれも美味しかったよ」


 ディルクは私は自分で食べれると主張しても聞いてくれない。私を膝で拘束してひたすら食べさせている。これ、なんて羞恥プレイ!?


「仲がいいですわね…」


 ちら、と期待した目線をシーダ君に送るミルフィ。かわゆす。


「…ミルフィ、人目があるところではしない……後でな」


 ちょっと!?シーダ君達もたまにしてんの!?後で詳しく聞いとこう。


「なんか、懐かしいな」


「しかし、成長してもあまり違和感がないな」


「確かに」


 アルディン様、アルフィージ様、兄がしみじみ話す。まあ…自宅でいつも大体この状態だし…いやいや、流されるなロザリンド!


「はい、あーん」


「あーん」


 ダメだぁぁぁ!ディルクに笑ってあーんされたら抗えない!




「…本当に仲睦まじいですわね…これ、いつもですの?」


 頬を赤らめながらレティシア嬢がアルディン様達に聞いた。




『大体こんなもんかなぁ』



 私をよく知る全員から言われました。否定できないわ。

 私は結局満腹になるまでディルクに食事介助され、食後にスフレケーキを焼きました。


 皆が美味しそうに食べてくれるのは嬉しいですね。でもやはり1番はディルクのご飯を食べている表情ですね。見てるだけで幸せになります。このために生きていると言っても過言ではありません。


 和やかにランチタイムは過ぎていきました。

 これこれ!こういう平穏が欲しかったんですよ!というロザリンドの声が聞こえてきました。


 なんかごめんよ、ロザリンド。



 あと、ディルクの解答は話が思ったより進まなかったので次に持ち越しです。

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