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結婚式って大変なんです

 結婚式翌日。結婚式したよ、ハイさよならとはいかないんですよ。王族なんかはこのままサミット的会合に行くらしいのでいいのですが、予定のないお客様を接待しなきゃいけないんです。前回は略式なのでありませんでしたが、今回はやらねばなりません。


「皆様、こちらにお乗りください」


 色々なツアーを考えてくれました。ミス・バタフライや商魂たくましいクリスティアの商人さん達が。ここで顧客をゲットすればリピーター獲得のチャンス!というわけで私は予算を提示して競合させました。

 甲乙つけがたいプラン三つから選択していただくことにしましたよ。


 先ず、スタンダードな観光地めぐり。クリスティアの観光名所を綺麗な馬車で廻り、買い物を楽しむツアー。添乗員同行で、多少の融通がきき、予定変更にも対応。


 次に、ミス・バタフライ提案の工房体験ツアー。バタフライローズの工房で、人形と洋服作りを体験。男性も参加可能。裁縫が苦手な人は他工房でガラス細工や木工、ペーパーナイフを作ったり、染め物をしたり。お酒の工房で試飲したり、自分で収穫したブドウで作ったワインを後日発送するプランもあった。


 最後は、空を自由に飛んじゃうツアー。なんと小型の飛空艇を操って遊べちゃうのが目玉。他にも魔法院が遊園地さながらのアトラクションを作成。プロジェクトマッピング的なものなど、見所満載。


 もちろん、私発案のツアーもある。その名も『ふれあいパーク』である。実家の庭を解放して、もふ丸やスノータイガーの白雪君とそのお仲間、コウ達ドラゴンやサボテンと触れあえる。兄とダン自慢の庭園も見学でき、目玉はダンのおいしいご飯。昨日のフルコースがあまりにも素晴らしすぎたため、私発案のツアーが一番人気だった。

 焼きそばを一緒に作るダンは楽しそうだ。フルコースみたいに厨房に籠って作業するより、今みたいにお客様の反応を見られる方が楽しいらしい。


「お嬢様、ピーク過ぎたし焼きそば食ったら行っていいぞ」


「え?」


「後は俺とサボテンだけでなんとかなる。モフモフ大好きだろ?遊んでこい」


 ダンの中では私はまだまだ小さなロザリンドなのかな?頭をグシャグシャにされて苦笑した。サボテンさん達も任せろ!というジェスチャーをする。可愛いと褒められてまんざらでもないご様子なので、お任せすることにした。



 モフモフしたいのは、したい。ですが、私はサボっているのではなくパトロールしているのです!


「にー」


 白モッフワ天使が私の足にスリスリしている。にゃんこがこう…スリスリするあれですよ。

 迷子の迷子のスノータイガーベイビーを確保!!にゃわゆい!お姉ちゃんが必ずや、ママの元に送り届けるからね!


「にー」


「ふわあ……」


 私の手を甘噛みするベイビーちゃん。私とディルクに子供ができたら、こんな感じなのかな?


「に?」


 はああ…にゃわゆいこれ、一生眺めていられる…けどママタイガーが心配してるんじゃないかな?ベイビーちゃんを抱え直してママタイガーがいるはずのエリアに移動した。


「にゃおお~ん!」


「グルル…」


 ママタイガーはやっぱり心配していたらしく、ベイビーの無事を確認すると私にスリスリしてきた。多分、お礼を伝えようてしているっぽい。


「ベイビーちゃんが無事で良かったね。冒険もほどほどにするんだよ」


 ベイビーちゃんをナデナデしたら、ベイビーちゃんが頷いて元気に「にゃん!」とお返事した。賢いにゃん…タイガーベイビーちゃんである。そして、良いことをすれば良いことが帰ってくる。恐らく白雪君のはからいで、モッフワ天使達が私に寄ってきた。


「あ、アバババババババババ!?」


「ロザリンド、顔と頭と台詞がおかしい」


 流石はスイ(毒舌)です。一瞬で興奮が鎮静されました。


「失礼すぎやしませんか?」


「いや、女子としてヤバい顔していたから。残念すぎたから、流石に放置できなかった」


「にー」

「みー」

「がる」


 モッフワ天使達は(多分)そんなことないと言ってくれている(はず)!!

※実際は遊んでー、かまってー、なでてが正解。


「あああああ、可愛い!ぬああああああ、可愛い!!」


「ロザリンドは本当にモフモフが好きだね」


「スイも可愛いから好きだよ。妖精さん姿で大好きなおやつ食べてたり、撫でるとふにゃって笑うのが超可愛い」

「そういうのいいから!!」


 スイは真っ赤になって逃亡した。相変わらず誉められると弱いね。モフモフなちみっこに白雪君とママタイガーも参戦した。ヤバい。私、このモフモフ天国から抜け出せる気がしない。今、誰より私が接待されている。


「お姉ちゃん、スゲー。虎、怖くないの?」


 ちみっこモフモフはともかく、大人タイガーからもスリスリされている私に、少年が聞いてきた。


「この虎さん達は大人しいから、君たちが意地悪しなきゃ怒らないよ」


 それから私はにゃん…虎さんの撫でかたを子供達に伝授した。いつのまにか皆さんモフモフに夢中です。大人も虎さんモフモフ講座を真面目に聞いてモフりにいきました。つまり、モフモフは正義なのです!!

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