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何故こうなったのか犯人を問い詰めました

ロザリンド視点になります。

 兄に連絡をして、進行を変えていただくことにしました。予定ではこの後新郎新婦入場だったのですが、来賓の挨拶を先に行ってもらうことに。兄は会場で司会をしているので、こっそり通信で会話しています。


「そうなるだろうなと思っていたから、大丈夫だよ」


「………兄様?」


「あれ?気がつかなかった?僕の声を担当したのは僕だよ」


「兄様ああああああ!??」


 サラッと爆弾投げよった!知ってたんかいぃぃ!!つうか、まさかの本人様が出演!道理で違和感ないはずだ!


「あ、次回予告は知らなかったよ。アルフィージは知ってたみたいだけど。声、やってたし」


 うちの王子様も参加してらした!!なんてこったい!!クリスティア未来のツートップがまさかの参加!!


「ちなみにアルディン様は下手くそ過ぎてどうにもならないからアルフィージが代役してた。ブラコンだからかとても上手かったよ」


「マジか」


 未来の国王は参加したもののダメ出しされて降板されていた。大丈夫か、クリスティア。いや、アルディン様はどうでもいいわ。そんなことより訴えねばならないことがある!!


「ひ、酷いです兄様!晴れの日である結婚式に、こんな盛大に落とさなくてもいいじゃないですか!泣いちゃいますよ!訴えて勝ちますよ!?」


「ごめん。未だにロザリンドはもう人妻だっつってるのに見合いの釣書送りつける馬鹿に『うちの妹はお前らの手におえるような女じゃないんだよ!ばぁぁぁか』と全身全霊で伝えたくて、魔が差した」


「………兄様?」


 そんなん来てたの?マジで?


「最近はロザリンドのこぴぃ機のおかげで楽になったけど、うちの妹は結婚してますからね、馬鹿野郎。二度と送るなっつってるのに会わせろとかウザい」


「に、兄様??」


「僕のおかげで破壊神ディルクが大暴走しないで済んでるんだよ。いっそディルクに教えて始末してやりたいと何度思ったことか」


 うあああああ、兄のストレスがはんぱない。他国の王族とか、適当にあしらえないやつらばかりだったのだそうです。それは辛い。キツい。表面上愛想笑いを貼りつけたままで語る兄の怒りが恐ろしい。なんか、仕方ない気がしてきた。破壊神ディルクから他国を守り続けた兄に、感謝しかない。


「に、兄様大好き。ありがとう」


 怒る兄は恐ろしいが、私に知らせず対処してくれた優しさに感謝した。兄は植物オタクだし性格はあまりよくないが、身内に優しい。


「…どういたしまして。どうしようもないお転婆を通り過ぎて走り去ったロザリンドとしか言い様のない生き物だけど、大事な妹だからね」


「酷すぎるけどありがとう!私も兄様が大事です。しかたないから凛花を絞ります」


「ああ、王族がいる前であれは完璧にアウトだから、存分に絞りなさい。任せたよ」


「絞り尽くします!ラビーシャちゃん!!」


「お嬢様の御心のままに。それから、すいません。私もちょっと私情が入ってました。うちのお嬢様は世界一じゃないですか」


「うん?」


「世界一なんですよ。うちを破滅から救ったどころか、世界救っちゃうぐらいスゴくて、可愛くて、優しくて、ナイスバディで、頭もよくて、強くて、気品に溢れてて、とんでもないんですよ!!」


「…………………」


 いや、それ誰や。私は平凡な女子だから。凛の分魔力チートはあるし顔と体はいいかもしんないけど、頭は人並みだし気品は溢れるほどない。


「だから、世界に自慢したかったんです!うちのお嬢様、世界一なんですよって!!」


「………わかる。ロザリンドはもっと評価されていいよね。」


 私にはサッパリわからなかったが、兄には通じてしまった。解せぬ。私を置いてきぼりにして盛り上がらないでください。


「………ラビーシャちゃん、凛花連れてきて」


「かしこまりました!」




 凛花は仕事が早いラビーシャちゃんによってす巻きにされて届けられた。できるラビーシャちゃんは、クランもふもふ主義も捕縛してくれていた。ラビーシャちゃん、すげえ。


「おい凛花、連れてこられた理由はわかってるな?」


「わかんねッス!自分、めっちゃ頑張ったッスよ!」


「じゃあ、ちょっと考えてみなさい。自分の大事な結婚式で友人に演し物をお願いしました。なんと、自分の黒歴史の再現ドラマでした。無駄にクオリティ高いです。どう思いますか」

「大変申し訳ないことをしましたッス。誠心誠意謝罪するッス。折檻もお仕置きも受けるッス」


「よし、肉じゃが一年禁止「のおおおお!?長すぎッス!せめて一ヶ月…いや、一週間にしてくださいッス!肉じゃがのない人生なんて、味噌のない味噌汁ッス」

「それ、ただのすまし汁や」


 もはや味噌汁の定義が危うくなりそうだ。どんだけ肉じゃがを愛してるんだよ。


「いや、悪かったわ。やりすぎたわ。なんや、途中からアニメ製作に夢中になって…ロザリンドちゃんのお祝いやったって事をすっかり忘れてしもたわ。マジすまん」

「悪かった。俺も完全に凛がこれ見たらどう思うか、微塵も考えてなかったわ。いいもん作ろうって頑張って……完全に用途を見失ってたわ」

「…正直、話の面白さやアニメの完成度に目がいって、俺もロザリンドが見たらどう思うか…今考えて猛烈に反省している。すまなかった」


 クランもふもふ主義のメンバーは、手段のために目的を見失ったようです。うわぁん!素直に謝罪されると叱りにくい!!


「ロザリンドちゃん、自分が悪かったッス!なんでもするッスから、許してほしいッス!!」


「………あのロザリンド・インパクトを相殺するために、魔法院から書類はお早めに☆の特撮画像を借りてきて、兄様に土下座して流してもらえ!!」


「へい!喜んで!!」


 こうして、書類はお早めに☆の特撮画像のおかげで観客のテンションは普通に戻ったのだった。

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