現実は小説より奇なりを体感しました
どこかの王族さん視点になります
次回予告が超気になるんだが。他の客も気になるらしく、超ソワソワしていた。解説がほしい。あと、続編をいつやるのか是非とも教えてほしい。それにしてもどこまでが事実かが気になって気になって…今夜は眠れない。その祈りが通じたのか、数人の男女が壇上に現れた。
「ご来場の皆様、お楽しみいただけたでしょうか?制作スタッフからご挨拶をして、演目は終了とさせていただきます。先ずは作画スタッフから」
美少女がアナウンスし、複数人が壇上に上がった。
「ポッチと申します。今日の結婚式の主役である新婦、ロザリンド=バートンの義弟です。そのため、若輩ではございますが一番手で話をさせていただきます。お姉ちゃん、結婚おめでとう!この作品は僕にとって最高傑作です。お姉ちゃんのおかげで、僕は夢を叶えることができました。お姉ちゃん…大好きです!!」
ずいぶんと疲れてやつれた青年。だが瞳には力があり、ロザリンド様を心から慕っているのが感じられた。
「宮廷絵師、マトン……新たなる芸術の幕開けに立ち会えて、恐悦至極。城の作画をメインで描きました」
「風景画家、ポークと申しますぅ。草原やユグドラシル等を担当いたしましたぁ。いや、終わってしまうのが勿体無かったですなぁ。またこのメンバーでやりたいですねぇ」
二大巨頭と言われた天才画家が、何故!?これの制作に一体いくらかかっているのか恐ろしくなる。
「画家、ワグラです。ひたっすらに兵士や冒険者を描きました。腕が折れるかと思いましたが、動くのを見た時は泣きました!あにめ、スゲーです!!」
「画家ミンチです。参加できてよかったです。ひたっっすら魔物を描きました!腕が折れる通り過ぎて割れるかと思いました!でも、頑張っただけあって、いい出来だと思います!」
他にも多数の若手画家達が話していく。皆、かなりヨレヨレだがいい仕事をしたと満足そうだ。確かにこれは新たなる芸術と言えよう。
さらに、制作スタッフが挨拶した。
「マコト=ノガミ=ユーフォリアです。今回、ロザリンドさんに無茶ぶりをされて今回の演目に参加いたしました。主に編集を担当しておりました。画家さんや声を担当した人達は大海嘯や飢餓からロザリンドさんに救われ、是非とほぼ無償で参加しています。ロザリンドさんの人望に驚かされました」
そうか…うん…だから、どこまでが本当なんだよ!!しかし、彼女はこれだけの人間を無償で動かしてしまえる人間ということか。
次に話したのは、不思議なイントネーションで喋る男だった。
「カナタ=ヴォイドです。主に音響・BGM・主題歌制作を担当しました。今回の出来には満足してますが、改めてロザリンドちゃんがとんでもない生き物やと再認識しました」
おい、待て!さりげなく爆弾を投下すんな!そこんとこ詳しく!!と思ったが、別の人間に代わってしまった。
「ユーキ=サハラです。演技指導担当でした。正直、大半が実話だそうでドン引きしましたが、今となっては納得もしています。皆様、ロザリンドは危険ですので刺激しないようお願いいたします」
大丈夫だ。どの国も彼女にちょっかいを出すことはないだろう。多少誇張があったにせよ、あの英雄と大海嘯からウルファネアを救ったのは間違いない。危険人物なのだと今や知らぬものはおるまい。
「自分で最後になります。リンカ=ワタセと申します。今回の発案とサポートをしましたッス。恐ろしいことに今回の話は編集の都合でカットした部分はあるッスが、ほぼ実話ッス。それから、次回予告についてッスが……」
少女は静かに息を吸った。私は今、与えられた情報処理に忙しい。ほぼ実話……ほぼ実話!??
「うっそで~す。続編予定はありませんのであしからずッス。では、ごきげんようッス」
『うおおおおおおい!??』
会場にいた全員が声をあげた。王族として教育されているため、ちょっとやそっとでは動揺しないのだが、予想外過ぎるわあああああああ!!実話なのはわかったが、あああ、モヤモヤするううう!!私は頭をかきむしる。どちらにせよ、今夜は眠れそうにない。
わりとどうでもいい追記。
真琴は結婚したのでユーフォリアがつきました。お嫁さんがいい人なので元々の名字も残してくれました。
彼方さんは日本に未練がないからとシュシュさんに言ったのでシュシュさんのファミリーネームを名乗ってます。
優姫は旦那が平民で家名がないからそのままです。




