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計画は失敗しました。

だいぶお下品なネタとなりますが、ここまで付き合ってくださった皆様ならば気にしないでいてくださると信じております。

 私は歓声の中で考える。どうしてこうなってしまったのかと。


 まさかヴァルキリーが出た時点で身バレするとは思わなかった。わざわざロージィ君まで出したのに、黒いロッザリンド呼ばわりである。ロージィ君、ロッザリンドって言ってないのに!


『筋肉肉肉!!』

『ロッザリンドォォ!!』


『肉肉筋肉!!』

『ロッザリンドォォ!!』


 皆さん、いい笑顔でロザリンドコールをしていらっしゃる…うっかり少年に手を振るんじゃなかった。いや、まだ諦めるには早すぎる!もっと目立ってインパクトがあるものを出すんだ!!


「誰か、誰か助けてぇぇ!!」


 思いつかなかったので半ばヤケクソで叫んだら、空が光った。そして空からにゃんこ柄のぱんつをはいたおじいちゃんが降りてきた。相変わらずの魔法少女風衣装。ハートモチーフでゆめかわいくリニューアルしたらしい。


「ロザリンからの救援(レスキュー)信号(シグナル)、受け取ったわ!」


「クラリィィン!!」


 光輝く魔法(マジック)少女(ジイチャン)クラリンが降臨!まさか本当に来ると思わなかったとは言えない…。


「ロザリンド…いつからクラリンを召喚できるようになったのかな?お兄様に説明してもらおうか」


 兄からのウメボシをくらいながら必死で返答した。


「いだだだだ!すいません!まさか来るとは思ってませんでしたあああああ!!」


「え」


「ノリで言ってみただけなんですぅぅ!!」


 ウメボシからは解放されたが、兄は説教モードだ。


「多分ッスけど、クラリンがこっちに来れる条件が揃っちゃったんじゃないッスかね?」


「「条件?」」


「クラリンはまだ完全に神化してないッスけど…(かみ)の介入と助けを求める神に愛された巫女(ゆうしゃ)…神が介入する条件としては問題ないかと思うッス。神になってもクラリンがちょくちょくこっちに来てた理由も魔なんじゃないッスか?」


 確かに。納得してしまった。神は基本こっちに介入してはダメだが、例外はある。魔…すなわち他の神の介入があった場合だ。

 私はクラリンを見上げた。にゃんこ柄のぱんつが見えた。


「世界の(ラブ)を護るため、(ラブ)(ゴッド)クラリン、降臨(フォールダウン)!!アナタも一緒にフォーリン☆ラブ☆合言葉は、ミラクルクラリン☆」


 投げキッスをするクラリン。成長したね!!


「ブラボー!ブラボークラリン!!」

「きゃわゆいッス!素敵ッス!!」


 全力で拍手する私達と、ついていけない皆さん。ロザリンドコールも止まったぜ!


「皆さん、クラリンコールをお願いいたします!魔を完全無力化させるため、愛の神が来てくださいました!さあ、叫ぶのです!!クルクルミラクル☆マジカルクラリン☆☆と!!」


「くるくり?」

「バカ、くるくるミラ栗だろ?」

「違うよくるくるまわって??」


「ロザリンド、解りにくいみたいだよ」


 ロザリンドコールが無くなったのはいいが、微妙に魔が活性化している。


「じゃあ、ミラクルクラリンで!」


「みらくり?」

「くらくら??」

「みくみく???」


 最後、原型をとどめてないよ…みっくみくにしてやろうか?

 しかし、このままどうにかクラリンにすげ替えないとロッザリンドになってクラリンが……


「面倒だからロッザリンドでよくね?」


『筋肉肉肉!!』

『ロッザリンドォォ!!』


『肉肉筋肉!!』

『ロッザリンドォォ!!』


 このままではクラリンが…すでに縦ロールにって、私は縦ロールドリルは装備してないっちゅーの!!

 考えろ!諦めたら試合終了だってムッチムチに肥えたおじいちゃん先生が言ってた!


「凛花!」


「はい?」


 凛花の耳に内緒話をする。凛花は頷いた。


「任せるッスよ!じゃ、叫びをよろッス!」


 凛花が隠れ、私は全力で叫んだ。



「お、応援団長ぉぉぉ!!」



「押ー忍っ!

行くぜ、3・2・1・GO!!」



 凛花は学ランを羽織ったおっさん??に変身していた。


「フレー、フレー、ク・ラ・リ・ン!」

「フレッフレッ、クラリン!フレッフレッ、クラリン!!」


 古きよき応援団である。凛花に続いて私も学ラン姿でクラリンを応援する。


「頑張れー、頑張れー、ク・ラ・リ・ン!!」

「頑張れ頑張れ、クラリン!頑張れ頑張れ、クラリン!!」


 マリーも参加したのでチアガールに着替えさせようとした…が学ランを希望したので学ラン姿で一緒にクラリンを応援した。


「これなら俺らにもデキそうだな!」

「んだ!!」


「フレー、フレー、ク・ラ・リ・ン!!」

『フレッフレッ、クラリン!フレッフレッ、クラリン!!!』


「頑張れー、頑張れー、ク・ラ・リ・ン!!」

『頑張れ頑張れ、クラリン!頑張れ頑張れ、クラリン!!!』


 今回はわかりやすかったらしく、一人…また一人とクラリンを応援する。皆の心が一つになった時、奇跡が起きた。


「オッケー!皆の(ラブ)、確かに受け取ったわ!!」


「クラリィィン!?」


 クラリンが…クラリンが………


「肥えたッスね。ラブ貰いすぎッスか?」


 物理攻撃力は上がったが、敏捷性が大幅に下がった感が否めない。でかくなって太くなった。ヴァルキリーサイズクラリン、ただし力士体型になってしまった。魔法少女風衣装が贅沢なお肉により弾け飛びそうだ。


 クラリンはヨタヨタと空を飛んだ。身体に対して羽が小さく墜落するんじゃないかと心配したが、よたよたしつつも無事大海嘯へとたどり着いた。


 そして、クラリンが叫んだ。




 

「秘技!バット☆サンダァァァァァ」





 クラリンはロケット噴射のごとく尻から黄色く輝く煙を噴出しながら天へ昇っていった。そして、消えた。


「クラ………くっっさああああああああああああい!??」


 クラリンが噴出した煙によって視界が一瞬で黄色に染まり、ものすごい異臭に襲われた。


 くっっさああああああああああああい!!

 バットサンダーって、よく考えたらおならじゃないかああああああ!!


 シャムキャッツは、もはやカオスとなってしまった。

クラリンって使い勝手が良すぎるんですよ。すいません…書いてて楽しかったです。

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