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情報を整理しようとしたが、できなかった

 腹ペコもふもふマッスル化事件は置いておくとして、何がどうなってこうなったのかマリーと凛花に聞きました。


「わかんにゃい」


 うん、そんな気はしていたよ。マリーたんだからね!というわけで凛花に聞いてみた。


「わかんねッス。そもそも自分、においをどーにかしてくれって呼ばれただけッスから。んで、ノリで魔をなんとかしたろーと思ったらこーなったッス」


「役立たずめ」


「ちょ!酷すぎねッスか!?呼ばれた途端、悪臭に苛まれたかわいそうな姪に対して!」


 凛花キャンキャンわめいたが、マリーたん魔女っ子化については不明のままだ。


「そもそも凛花はなんで呼ばれたわけ?悪臭対策係りなの??」


「そうにゃ。リンカは紫水晶の護りのくさいもの係りだからにゃん。今回もくさいのどーにかしてくれたのにゃ」


「…はい?」


「異議ありッス!それ自分、認めてないッス!」


 必死で異議を申し立てる凛花。確かにくさいもの係りとか、嫌すぎる。しかし、パーティメンバーが獣人ばかりでたまにエルンストだから…仕方ない気もする。


「とりあえず、凛花がくさいもの係りかは心底どうでもいい。ただ、なんで巫女になった」


「ちょ!自分の扱い雑すぎねッスか!?自分はノリッス。魔って要は神様だし、効くんじゃないかと」


 実際効いたようで、周囲は清浄な魔力が満ちている。


「別に凛花はどうでもいい」


 つーさんには変身能力があるからだ。むしろ今までおっさんに化けていた凛花を思えば、至極まともな姿だったと言える。

 問題はマリーたんである。風鈴にも鈴にも、変身能力はなかっ………


「まさか……マリー、ロザリンジャーブレスは!?」


 説明しよう!ロザリンジャーブレスとは、ロザリンジャー変身アイテムである!!用途により変形可能な便利アイテムなのである!!


「喰われたにゃ~」


「やっぱり!!」


 鈴め!そして変身能力も得たわけか。そこに凛花の変身を見て…か?チラリと見たら、凛花のつーさんがマナーモードになっていた。


「………お前の仕業か?」


 杖が真っ青になった。わかりやすい杖め。お前が元凶か!手をわきわきさせたら凛花が杖を守ろうとした。


「ちょ!つーさんは鈴にちょっと教えてあげただけッス!目的は果たせたし、いいじゃないッスか!それよりハッスルなマッスルをどうするんスか!?」


 凛花は目をそらしていた辛い現実を突きつけてきた。


「ぐふっ!?い、いや、それよりそもそもなんでそんな異臭が発生したわけ!?」


「そ、それは…」

「ここにいる元黒にゃんこの獣人達はろくに世話もされずにここに閉じ込められてたのにゃ。だからすげーくさかったのにゃ」


 ポッチが言いよどんだが、マリーが簡潔明瞭に説明してくれた。なるほど。


「つまり、私の敵がいると。モフモフに虐待するなんて、神が許しても私が許さん!神に代わって拷問じゃあああああ!!」


 ポッチが頭をかかえ、マリーと凛花とネックスが拍手した。

 ロザリンド、いざ!出陣!!というところで待ったがかかった。


「待ってくれ」


 さっきまで黒かったおじさんはまっしろなマッスルになっていて、話しかけてきた。


「ええと…先ずは選ばれし乙女達に感謝を。そして、奇跡の鍋を与えてくれた女神よ」

「女神じゃありません」


 勝手に人を神に昇格するのはやめていただきたい。あくまでも私は人間で、ちょっぴりお転婆でお茶目な侯爵夫人である。あくまでも普通の侯爵夫人なのだ。


「子らまで救ってくれて感謝する」

「だから女神じゃないったら」


 人の話を聞かないモフモフである。


「…女神よ」

「女神違う」


 私はぶれない心で否定を続けた。ここは譲れない。せめて人類の枠からははみ出したくない。


「そッスよ。女神よりスゴいナニかことロザリンドちゃんッス」


 余計な台詞を言った凛花に即座に制裁を加えた。神よりスゴいナニかってなんだ!失礼な!!だから私は普通の侯爵夫人だっつーの!!凛花にハンドクローをかます。


「ギブギブギブ!割れる!頭が割れるッスぅぅ!!」


 ハンドクローから解放してやると、凛花はぐったりしていた。


「…女神よりスゴいナニか…なお嬢さん」


「おじさんも素直に言わなくていいから!そしてそれも違うから!」


「そうだよ、パパ上。ロザリンドお姉ちゃんは肉の聖女だったり勇者だったりする、ものスゴいロザリンドなのにゃ」


「マリーたぁぁぁん!??」


 可愛い妹として扱ってきたマリーたんからのとんでもない裏切りに驚愕する私。

 ものスゴいロザリンドってなにさ!?私はマリーたんの中でどーなってんの!??


「ち、違うよね!?ポッチ、ネックス!違うと言って!!」


「ごめんなさい」

「…………(目をそらす)」


 味方がいないよ!可愛がってきた弟妹達に裏切られたよ!拗ねて丸くなる私に、白猫マッスルなおじさんは言った。


「ものスゴいロザリンド様」


「…………………」


 もはや反論する気力がない拗ねリンドに進化した私。ディルク…私の癒し、マイエンジェルが欲しい!!


「我らがここに幽閉されたのは、魔を病と思われたからだ。我らは隔離されていた。それは仕方ないことだ」


 伝染病で国が滅びたり傾くことは珍しくない。その判断は…理性では仕方ないのだと理解できる。理性では理解できるが、ロザリンドさんはロザリンドさんなのでモフモフを虐げる馬鹿は許しません。


「だが、我らに不当な扱いをしたバカどもは許さん!授かったこの筋肉(ちから)でこらしめてくれるわ!!」


「ぼくもやる!」

「わたちもー!」


 おや、マッスル化した子供達も殺る気ですね?ふふふ、いいですね!ならば、力を与えようぞ!!


「よし!私が許可する!殺っておしまい!凛花!」


「かしこまりッス!疾風迅雷!獅子奮迅!!」


 凛花が強化呪文を唱えた。マッスル達がスーパーハッスルマッスルになった!

 さらに私も強化魔法を重ねがけする。


「お姉ちゃん、マリーもシメてくるにゃ!変身!ウルファネアガール!!」


「…俺もおれーまいりしてくる…変身…ウルファネアボーイ5号」


 おれーまいり…お礼参り?お礼参り…神社仏閣に願を掛け、その願いが成就した時に、お礼として礼拝や布施を行なうこと…ではない。

 犯罪者などが「警察に告発した者」や「裁判で不利な証言をした者」に対して行う報復行為…でもない。

 学校の卒業生が在学中に恨みを持った教師あるいは同級生、下級生への報復、「上司と部下」「先輩と後輩」という立場で虐げられていた場合に関係解消後として行う報復行為……これ!?これか!? 


 私はウルファネアコマンダーに変身した。


「コマンダーエール!!」


 説明しよう!コマンダーエールはロザリンジャーはもちろん、他の相手も強化しちゃうのだ!!

 つまり、この場には強化MAXマッスルと、強化ロザリンジャー達がいる。


 そして、ウルファネアコマンダーな私は命令を下した。


「殺ーっておしまい!」


『殺ってきます!!』


 こうして、強化MAXなマッスル集団と強化ロザリンジャー達が放たれた。

 ポッチが頭をかかえていたが…この世は因果応報、弱肉強食…仕方ないのです。モフモフを虐げる馬鹿は、直接または間接的に私に滅されるのですよ。

 ストッパー(ディルク)がいないとロザリンドは途端に暴走します。ディルクは偉大なのです。


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