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ランチタイムと意外な一面

 私はそれからもカーライル公爵子息をかまいたおした。カーライル公爵子息は 私が脅さなければ嫌がらない。むしろ楽しげに会話していた。いや、案外視野も広いし悪くない。そしてからかうと面白い。

 昼食で従者が居なくなった結果困ってたから誘ってあげました。


「………天変地異?」


「ロザリンド、正直に何を企んでるのか言いなさい」


「うちの兄と兄っぽい親友の評価が酷い」


 さらっと毒を吐くアルフィージ様と、私を疑う兄様。ひどいや!私をなんだと思ってるんだ!


「ぶふっ……」


 カーライル公爵子息がプルプルしている。イラッとしたので脅かしてやった。


「笑うとバラす」


「!??すまない!」


「…まぁ、嘘ですよ。言いませんから安心してください。凛花、ラヴィータ、ディッツ君も一昨日の件は内密に」


 3人は素直に頷いた。


「…いいのか?」


「んー、できたらディッツ君への暴力は謝罪してほしいけど、カーライル公爵子息が本当に悪いと思ってなきゃ無意味だし…別に貴方を貶めたいわけじゃないから」


「…ロザリンド嬢は、何故そんなに庶民に肩入れするんだ?」


「相手は同じ人間です。敬意を払うのは当たり前。貴族としての立場で難しいときもありますが、そこを忘れればいつかは庶民に消されますよ。極論ですけどね。それに、どうせならお互い気持ちよく働きたいじゃないですか。自分が賃金を払う立場であっても、私はちゃんとしてもらったらお礼を言いたいです。感謝を忘れたらいけません。やってもらうのは、当たり前じゃないんです。今日だって困ったでしょ?それに庶民にだって尊敬できる人はいくらでも居ますよ」


 まあ、カーライル公爵子息が今日昼を食べる場所に困ったのは、私がディッツ君を引抜いたからだけどね。私のせいだけどね。


「……………」


 カーライル公爵子息はしばらく考えていた。ディッツ君の前に立つと、頭を下げた。


「これまでのこと、本当にすまなかった。今後、君にどうやって詫びるか考える。謝罪ひとつで許されるものではない」


 私以外が固まった。これが本来の彼なんだろうなぁとぼんやり見つめる。カーライル公爵が甘やかして子育てをしくじったとばかり思っていたが、どうやら違ったらしい。


「カーライル公爵子息…頭は大丈夫か?」


 さりげなく酷いよ、兄。


「ロザリンド嬢、何をしたんだ!?まさか洗脳!?」


「しません」


 できてもしないっつーの。アルフィージ様は私を何だと思ってんだ。


「いや、アルフィージ様…違うッス。ロザリンドちゃんは魔法で洗脳なんかしないッス!きっと調教したんスよ!」


「しとらんわ、ボケェ!!」


「シュミテクト!!」


 戦乙女のハリセンで凛花が宙を舞った。


「リンカ!?」

「お嬢様!?ロザリンド様、やり過ぎです!!」


「大丈夫、加減した!」


「加減してこれですか!?」


 すぐさま治癒を施すディッツ君は大変優秀な子ですね。


「くふぅ…凛花死すとも腐女子は死せずッス…がくり」


「リンカァァ!?」


「凛花、ラヴィータは本気で心配してるからやめなさい」


「はいッス」


「リンカ、大丈夫か!?」


「いや、その…ふざけてごめんなさいッス」


 ラヴィータは本気で泣きそうだったので凛花も素直に謝罪しました。


「しかし、カーライル公爵子息はどうしてしまったんだ?」


 さりげなく遮音結界を展開して、ニッコリ笑って言いました。


「操られてましたからねえ…今も解いてませんけど」



『…………は??』



 私以外の全員が硬直した。兄、兄っぽい親友、シーダ君に私が叱られるまで、あと5秒。

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