2話 クラスメイトside
学校から帰ってきたらブックマークが二倍になっててびっくりしました(笑)
ありがとうございます!
あ、数字の大きさですが、レベル等は『1』などの大きな数字、その他は『1』などの小さなものにしたいと思います。
「皆落ち着いた?」
僕の問いにクラスメイト達が一斉に頷いた。
突然の異変から約十分、大混乱だったこの場所はようやく静かになってきた。
これも、僕の隣にいる美玲と理解のあるクラスメイトのおかげだ。
「とりあえず状況を整理したいと思う。この場所、状況に覚えのある人はいる?」
「ああ! これは間違いなく異世界転移だぜ!」
真っ先に答えてくれたのは、サッカー部の速見 達哉君。彼と話すときそういう話はよく出るから、僕も考えていたが、確証がないんだ。
「一応可能性として考えておくよ。場所に見覚えは?」
首を横に振るクラスメイト達。ない、か。
やはり異世界転移と考えて良いのか……?
「ねえ、上田君」
「ん? なんだい伊倉さん」
「異世界って……何? 私たち、帰れるの?」
「……帰れると思うよ」
はっきりとは言わない。
嘘を言っても、そうならなかった時に相手を傷つけてしまうから。
「……他に何かあるかな?」
「上田! この人数に何かヒントはないか?」
「人数? えっと……1、2、3……27人。クラスの人数にしては1人多いけど、多分匠君が居ることから恐らくあの時、3年1組に居た人がここに連れてこられた、ということじゃないかな?」
「クラスに居た人……っ!」
美玲が口を押さえて目を見開いた。普段冷静な彼女がこうなるのは珍しい。
「何があった?」
「……君」
「え?」
「裕樹君が居ない!」
「裕樹……? 稲城裕樹?」
「そう!」
改めて見渡してみると、確かにあの長身茶髪の男子が居なかった。
「ただ連れて来られなかったとかじゃないのか?」
「他のクラスの菅家(匠)君すら来てるのに!?」
「それは……一理あるけど、落ち着けよ」
「落ち着けない! 人が遭難してるかも知れないのよ!」
確かにそうかも知れないけど、それよりも重要な事があるんだよ。
前からそうだ。美玲はなぜ、そんなに裕樹個人を気にするんだ。
「稲城なら、さっきそこから出てったぞ」
「菅家君……裕樹君はどこに行ったの?」
「さあ。逃げたんじゃね? あいつチキンっぽいし」
「そんなこと……」
「それにあいつ、体弱いだろ? どっちにしろ移動には足手まといだって」
「…………」
「冗談だよ。そんな睨むなって美玲ちゃん。どうせトイレとかだろ」
「……なら良いけど……」
なんとか美玲も落ち着いて来たかな? 何だかんだで混乱してたのを隠してたんだろうな。
「じゃ、話を戻すよ。とりあえずこの遺跡みたいな場所を散策しよう。あそこから出られそうだし」
「おう! 楽しみだな!」
あまりよろしくはないけど、怖いや不安よりは楽しいほうが良いかな。
出口を出ると、直ぐに分岐路に差し掛かった。
「この分岐路はどっちに行く?」
「右だろ!」
「右で良いかな?」
クラスメイトの了承を得、右の道を進んでいくと、大きな部屋を見つけた。
金属製の箱がパッと見30個は並んでいて、手前の箱をよく見てみると、『2』と彫られていた。
なんだろう?
「もしかしてこれ、宝箱じゃね!」
と、達哉君が宝箱に飛び付く……が、開かない。確かに重そうだけど、体格がいい達哉君でも動きすらしないとなると……
「鍵がかかってるか、この番号が関係しているんじゃないか?」
「番号? ……あ、本当だ。『5』って彫ってある」
謎だな。
他に何かヒントはないのか……?
「あら? この箱も『5』よ。被ってるわ」
「5かー。俺の出席番号と同じだなー」
「出席番号……あっ!」
5が2つ、そして27人に対し、この箱も28個。
出席番号が関係しているとすると、被っているのは隣のクラスの匠君の『5』と樽井さんの『13』。
そうなると……信じられないけど、試してみようか。
「皆、それぞれ自分の出席番号が書いてある箱を開けてみて」
「おっ! それ、あり得るかもな!」
僕も試しに『2』の箱に手を書けてみると……まるで発泡スチロールの箱のように簡単に開いた。まさか本当に開くとは……
「おぉ! 開いたぞ!」
「なにこれー!」
他の人たちも開けられたようだ。
箱の中身は、麻袋と……剣と胸当て?
剣を持ってみると、やけに手に馴染んで、力がわいてくるような感じがする。
「これは……」
「あれじゃね? ほら、チートってやつだよこれ!?」
「じゃあ、この剣とかは強いってこと?」
「ああ! 絶対そうだぜ!」
でも、僕は剣道を少しやってたから良いけど、他の皆は大丈夫なのかな。
周りを見渡してみると、男子は剣や槍、女子はその他にも杖のようなものを持った人も居た。
どうやら、運動神経が良い人は中衛と前衛、比較的悪い人は後衛のような振り分けになっているけど、何故狙ったように……
「ていうかさ、この世界には魔物とか居んのかな!」
「こんな物もあるし、居るんじゃねえ?」
「えー、怖いよ……」
そうだ。もし異世界だとしたら、その可能性も視野に入れなきゃいけない。
「食料とか水も必要だぞ!」
「食料はともかく、水は海の匂いがするから大丈夫だと思う」
煮沸とろ過をすればなんとかなるはず。
とにかく、まずは容易に遠出はしないで食料調達から始めよう。
勉強があるので毎日更新はできそうにないですが、できるだけ早く投稿したいと思います。2日に一度くらい……