第3話 ステータス見てみた
食事を終えゆっくりと食後のお茶を飲んでいるときに、カリンが私の両手を見ながら、「その両手についている腕輪を見せてもらってもいいかしら?」と聞いてきた。
初めて気づいたが確かに両手に綺麗な腕輪がはまっている。
自分で取ろうとしたが、上手くできなかったので、両手をカリンにさしだす。
カリンが片手ずつ腕輪を見ていると、横からドラク爺が口を出してきた。
「そりゃレティシア様の紋章じゃないか?」
「そうね、両方ともにレティシア様の紋章が小さく入っているわ。良く見ないと解らない様になっているわね」
目を細めながらじっくりと見ている。
「私の鑑定では右手の腕輪はアイテムボックスになっているようね。時空魔法と空間魔法の気配があるからボックスの中は時も止まっているでしょうね。桃子の魔力量によって中に入る容量も大きくなるみたい。左手の腕輪は従魔の腕輪ね。桃子の魔力で屈服させたものや桃子の事が好きになった物を従魔にできるようになっているわ。従魔をこの腕輪に入れることもできるようね。2つとも桃子以外は使用不可になっているわね。多分これはレティシア様からの贈り物よ。大事にしなさい」
「はい、解ったでしゅ」
「じゃあ、桃子のステータスを確認しましょうか。ステータスって念じて見て」
ステータス………あ………なんか見えた。
名前:桜ノ宮桃子
年齢:3歳
レベル:1
スキル:異世界言語・錬金術・全属性魔法・気配遮断・気配察知・即死耐性・鑑定・地図作成
加護:座敷童の加護・創造の女神レティシアの加護
装備:白いワンピース・アイテムボックスの腕輪・従魔の腕輪
見えた事を2人に報告する。
二人ともスキルの多さ(3歳児が持つスキル)に驚いていたが女神レティシアの加護もある事で納得したようだ。
「錬金術に魔法は全属性ね、これからは私が魔法の使い方を教えてあげるわ、家事も出来るだけ教えてあげるから、独り立ちする迄はしっかり教えてあげるからね」
「儂は桃子の身体を鍛える事にしよう、身体強化なんかを覚えると、魔物に殺られにくくなるからのぉ。あとは鍛冶や木工に興味があったら教えてやるからの」
「ありがとうでしゅ、宜しくお願いしましゅ」
これからの事に安心していると、カリンが私の右手をとって、鑑定の練習をしようと言う。
「桃子も鑑定のスキルを持っていたでしょう、だからちょっとだけ練習してみましょう」
練習と言われても、魔法とかスキル自体がまだピンと来ていないので、どうすれば良いのかわからないが、カリン婆がニコニコしながら見ているので、嫌だとは言えない。
真剣に右手の腕輪を見ていると、何かが見えてきた。
《レティシア特製アイテムボックスの腕輪》
「桃子のために作った腕輪よ。桃子の魔力に応じて空間の大きさが変わってくるから、時空魔法もかかっているから生ものを入れても大丈夫。熱いものは熱いまま、冷たいものは冷たいまま取っておけるから、大事にしてね。あなたの成長に合わせて腕輪の大きさも変わってくるからずっとつけていても大丈夫よ。中に良いもの入れてあるから、楽しみにしててね」
「カリン婆ちゃん………なんか、レティシア様のメッセージみたいな説明が出てきたでしゅ」
「チョットレティシア様ってお茶目さんなのよね………」
カリン婆の乾いた笑いが出たのでした。
読んで頂きありがとうございます