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1章 1話 バイト

 一人の少年が国立オーラ専門学校の門を潜る。


 しかし、この少年の目的は入るではなく唯のバイトだ。


 何しろこの学校の購買部やら食堂のバイトは物凄く金になるのだ。


 勿論厳しい面接も有ったが、普段はとある財閥のお嬢様の見習い執事をしてるので作法は(口以外は)完璧だ。


 しかし、そんな金に成りそうな執事と言う仕事をしているのに、なんでこんな超大物の超人軍団(実力、お金双方で)が跋扈する様な所に来たのかと言うと、そのお嬢様が金に物を言わせて少年のバイト先を自分の通うこの学校にしてくれたという有難い話だ。(もしかしたら古い付き合いなので惚れられているのかと少年は思っている。)


 しかも、住む場所も慣れているからとそのお嬢様が同室にと、態々担任と学年主任、後学園長に無理を押し通した。


 この強引さから解かる通り、少年の主にしてOM操作者として優秀なお嬢様の両親はOM開発の責任者の一人であり、学園の一番の出資者であり、本人自体新入生ではトップクラスの実力者だとか。(少年に自分で自慢していた。)


 主の名は綾小路セイラ。


 綾小路財閥の三女にしてオーラの奏者としては天才で、上の姉を差し置いて国の国家代表の呼び声も高い才女。


 しかし、自分はオーラを扱えて色々便利なのに態々少年に色々と世話をさせる位の面倒くさがりなのだ。


 まあ、勉強嫌いのセイラに勉強を教えるためにオーラは使えないが一通りの事は勉強しているので、意外と少年も頭は良かったりする。


 そして、その少年は現在学園の寮にて色々な作業を手伝っている。(勿論バイト)


「おーい、お嬢さんの執事さん。この味でいいか見てくれ!」


「はーい、今行きまーす。それと、お嬢さんの執事は長いんで、正也でいいですよ?」


「あいよー。んじゃ、正也、頼むわ…っていつ来た!?」


「今でございまーす(さざえでございます風)。」


「…さっきから思ってたけど、正也って流石執事って位何でも出来る奴だな?」


 少年の同僚のおじさんが正也に向かって呆れた風に言う。


 その意見に少年、加納正也も苦笑しながら頷き、理由を話す。


「ええ、俺の家庭が偶然セイラお嬢様の家の家事全般を任される使用人の家系で、俺自体もちょっとした事故で中学を中退してお嬢様の身の回りの世話を任されるくらいに鍛えたから、他のボンボンよりは色々と出来る心算だよ。…うーん、セイラお嬢様の味はもうちょっと濃口でOK。他の味は分かんないけど、上品な家系の人はもう少し濃い味の方が好みの様だよ?」


「?普通は薄いんじゃないか?」


 正也の意見におじさんが疑問をぶつける。


「いや、意外と上流階級だの金持ちだの言った家庭の人は、一流料理人の薄味を食べさされて育つから、案外一般家庭の濃口の味に憧れがあるんだよ。

 その関係で、セイラお嬢様も刺激物は苦手に成ってるし。4女のリーちゃんも甘いのは大好きだけど、辛いのが苦手だし」

「おいおい、仕えてるのにその家の家族をちゃん付けっていいのか?」


 正也の言葉遣いにおじさんが呆れた風に言った。…が、正也はその反応もなんのそので堂々と毒舌を吐く。


「良いんだよ、本人に言われてるし。旦那様からも、家族のように接してくれて良いって言われてるしな。ホンット、長い付き合いってだけのガキに馬鹿な事だと思うよ」


「…ホント、お前みたいな奴がどうして雇われているのか不思議だな。そんなに堂々と雇い主にバカって言う奴は聞いたこと無いぞ?」


「そのとーりですよ!!正也?もう少し雇い主に敬意を払いなさい。それと、リリナ姉さんのとこの海人さんがまた居ないんですけど、何処に行ったか知りませんか?」


 おじさんと正也が話してると、その話に本人、正也の主たる綾小路セイラが起伏の少ない胸を反らして命令してきた。


 女性としては平均的な身長に端正な顔を乗せた頭が銀の髪を靡かせ、腰に手を当てながらするその姿は立派だが、何故か演技のようにしか見えない。


 それはセイラが偉そうにしているにも関わらず、上品な立ち姿をしているからだろう。


 しかも姉の執事をセイラが自ら探しているらしい事から、普段でも自分から動く(自分の事は正也が居る時は正也に一任)性格の様だし。


 まあ、彼女のオーラの才能と端末の性能なら、探すのにそれ程時間は掛からない筈だが。


 しかしその筈の彼女は何故か、そんなの関係ねぇ!とばかりに正也に探す様に言いに来たらしい。


 それで仕方なく毒舌を吐きながら自らの端末をそうして、先輩執事を探す正也。


「は~、お嬢様の鋼鉄の頭には他の者に探させるとか、自分で端末を使って探すと言う選択肢が無いようですね。何故頭は良いのにそんなに応用が効かないのかいまだに分かりません。…っと、いましたが…、ちゃんとリリさんの部屋にいるようですが?」


 主に向ける物とは思えないセリフを言ったあと、自分の端末で確認した正也は、何故か次女のリリナの反応の傍に先輩の反応があるのを見て訝しげにセイラに聞く。


 そしたらセイラは「え?!なんで?!」と何も知らされていない正也を問い詰める。


 その反応でもしかしたらと思った正也は、端末から送られる情報を監視用コンパクトモニターからワイドスクリーン状に切り替え、主に見せる。

 その映像を見たセイラは、確かに探し人と依頼人の姿を確認したと頷き、次に自分のオーラ状の端末を出すと、音声を非公開(ここで公開にするほどセイラも馬鹿ではない)にしてから会話を盗む。(正也に最初に頼んだのは、謂わば証人を作る為だ。既にセイラのオーラは物質を作り出す事が出来るのだが、そこに録音機能や録画機能はない。便利な様でいて、まだまだ不便なのがオーラと言う物の現状だ。その為オーラの使えない正也の様な者が使うタイプの通常の端末も機械と化学が発達し過ぎた現代においてはオーラ型の物と同じくらい全世界に普及している。)


「……」


 そして、会話を盗み聞きする事5分。何故か顔を真っ赤にしてその場を後にしながら正也に向かって


「今日の夕食は正也が作りなさいね!私は今から初めての実技試験が有るから、結果は夕食の時に教えて上げるわ!じゃあね!」


 そう正也に告げると、セイラはオーラで形成した浮遊板(見た目筋斗雲)を使って空から実演棟に向かって行った。


 その後ろ姿を眺めていた正也たちは


「…あれ、下通る奴らにパンツ見られるんじゃないか?」

「ああ、完璧だな」

「って!お前は分かってて止めないのかよ!主のパンツを見られて良いのか?」


 正也の返答に思わず怒鳴ってしまったおじさんは、しかし先ほどの様子で「此奴なら仕方ないか…」と思う事にして作業に戻って行った。


 そのおじさんの反応に苦笑しながら正也は次の学生の授業の為のマシンの整備をする為に、一人倉庫に向かうのであった。



 ☆ 倉庫


 倉庫へとやって来た正也は、先ず一般生徒用のOMと、国家代表と予備に選ばれている生徒のOMを分け、更に未だに奏者を持たないOMを専用隔離ルームに入れると、それぞれのOMの状態をチェックする。


 正也が何故この様な専門的な事をやっているかというと、セイラの親にセイラを教える為という理由で教えて貰っている内、正也にシステムメンテナンスの才能が有るとセイラの母親である綾小路ミレイが気付いた為だ。

 それから、正也自身の知識欲も手伝って瞬く間にSMMシステムメンテナンスマスターの準資格 (資格を取るには学校を卒業し、3年間の習熟期間を熟さなければならない。)を取ってしまった正也は、そのお蔭でこの学校のバイトを出来るようになったのだ。(勿論、その前にセイラが強引に手引きをしたのは言うまでもない。)


「しっかし、このOMって奴も面倒な機械だよな~。同じようにオーラを扱える奴の中でもタイプによって受け付ける機械が違うってんだから。しかも開発者にも分からないブラックボックスが幾つもあると来てる。…っと、これで一般生徒のOBMは終了っと。後は代表と予備の生徒のだけど…ホントにこんなにこの学校に居んのか?全校生徒の数より多いんじゃねえのか?これ」


 愚痴りながらも作業する正也の前には日本にいる国家代表のOM20基とその代表に何かしらの事故が有った場合の備えとしての予備戦力としてのOM50基。


 ハッキリ言って日本にこれだけの実用レベルでOBMを扱える者がいるのかどうか怪しい限りだが、それをメンテナンスするだけでお金が貰えるっていう事が何とも美味しい儲け話だと正也は頬を綻ばせていた。


 更に、メンテナンスに必要で有るという事で、各生徒の身体データの簡単な立体画像も端末に保存させて貰えているので、自分好みの生徒が結構いる事も嬉しさの一因だった。


 しかも、何故かこのOBMは女性ホルモンに大きく作用されるらしく、男の奏者が圧倒的に少ない。


 勿論、いる事は居るが、女性ホルモンが多いという事もあり、皆美形の女顔が大半だ。


 男らしい男と言うのは本当に数える位しか居ない。


 そんな、ある意味謎ばかりのOBMをメンテナンスしていると、初の授業が終わった生徒と、次の授業の生徒が一度に倉庫に入ってきて、入り口は大混雑の展開になった。


 しかし、そんな状況も予め学園長たち大人に注意されている正也は、作業を一旦中止し、現場監督証を生徒に提示して場の安全と余計な騒乱を避けるべく行動しようとするのだが…


「なによ!アンタも歳は変わんないんでしょ?そんな奴に命令されて、はいそうですかって素直に成ると思ってんの?ばっかじゃないの!!?」

「そうだよ、バイト君?それに、見た感じ君はオーラを使えてないみたいじゃないか?そんな君の意見を聞く馬鹿がココに「いますわよ?」そういるんだ…って、綾小路さん?今なんて言いました?」


 見た目可愛い女生徒が歳の変わらなそうな正也に向かって怒鳴る。

 更に変な髪をした(所謂トサカ頭)、だが美形の男子生徒の正也に対する暴言を吐こうとするが、それを聞き咎めたセイラは、聞き直す男子に向かって再び言い放つ。


「いると言ったんです。その人は私の専属の執事です。従って、私はその彼の実力は分かっているので無駄な事はしません。貴方方も大人しく従った方が身のためですよ?オーラが使えると言ってもそれは所詮体の延長線上の一部に過ぎない。そして、身体能力に於いて彼は私が認める程の実力者です。オーラの実技で私に勝てない貴方方では初めこそ優位に成るでしょうが、時間が掛かればそれだけ身体能力の差が浮き彫りになるでしょう。争わないことは逃げではありませんよ?」

(へ~、さっきも思ったけど、皆や他の人が居る時はお嬢様の甘えん坊キャラは全然出ないんだな。何か新鮮だ)


 場の空気の割に変な感想を抱いていると、今度はトサカ頭の男子生徒が勝負を挑んで来た。

 …勿論OMで…


「そんなに言うならそいつと勝負させてくれ!勝負方法は勿論OMだ!そいつは監督者の証明書を持ってるくらい理解してるんだろ?なら、初心者の俺達とならオーラが使えない分は十分に補えるだろ?…どうですか?綾小路さん?」

(そんな勝負受けられるはず無いだろ!馬鹿じゃないのか?オーラが扱えて初めて動かせるOMを、オーラが扱えない奴がどうやって動かせるってんだ?状態の確認をするメンテと動作確認をする事が違うってのが分からんのか?)


 正也の脳内の叫びと呼応するかのように、セイラも額に手を当てて溜息を吐きながら困った様に説明した。


「はぁ~、分からないのですか?鹿沼君。貴方もさっきオーラを使ってないと反応しなかったのに、オーラを使った途端反応する様になった事に驚いていたばかりでしょう?君は恐らく家では扱わせて貰えず、この学校で始めて起動させたのだと思いますが、これはハッキリ言ってOMを扱う者としては常識ですよ?現に他の私と同じ財閥の令嬢やご子息、既に専用機を持っておられる方々は笑ってみていたでしょう?」

「…う!…」


 セイラの指摘に身を縮こまらせた男子生徒は「覚えてろ!?」とお決まりのセリフを吐くと、一般用のOMの所に無造作に自分が使用したOBMを放り投げた。

 その事に呆れながらも正也が注意しようとすると、その前に溢れんばかりにオーラを纏わせた女生徒が割り込んできた。


「おい!デリケートなOMを粗末に…「君!専用機じゃ無いとはいっても、自分の手足となるOMをそんなふうに扱うって正気!?それともお馬鹿さんなの!?」…私の言いたいことを言ってくれた意外に賢いお嬢さんに感謝しますよ。それと、彼は恐らく見た目通りお馬鹿さんですから、言葉では分かりません。…こういうやり方で教えないとね?」


 正也は女生徒に説明しながらも、殆ど瞬間移動に近い速度でトサカ(鹿沼)の背後に移動して、延髄を強打し、昏倒させると端末の操作でメディカルルームに伝えてナースを呼んだ。

 その一部始終を見た生徒は呆気に取られながらも黙って見ていたが、それから1分もしない内に来たナースは鹿沼を見て一言。


「早速馬鹿な新入生が一人脱落?まあいいか、どうせOBMをぞんざいに扱ったんでしょ?…あ、正也君。もしかして君の仕業?これ」

「ええ、あまりに馬鹿な人だったんで制裁を少し…不味かったですか?」


 正也が来たナースに一言確認すると、ナースは他の集まっている皆にも注意を促す。


「いえ、別にいいよ。丁度いいし、説明するか。……皆聞きなさい!?ココではOBMをぞんざいに扱う馬鹿は少ないとは思うけど、もしもそう言う奴が居たら先生方の評価は低いからね?勿論他の大人の評価も一緒。分かった!?分かったら未調整のボックスに入れて次の授業の生徒に場所を譲りなさい!」


 ナースが何でここまで発言の権利があるのかと言うと、ここのナースは全てココの卒業生で構成されているからだ。

 システム的にも肉体的にもOMを扱う者は過度な疲労を伴う。

 そこで、医療を専門的に詰め込んだOMを扱える者たちをここで少しずつ育てる事もここの役割の一つだ。

 しかも、そのOM自体にも色々とありナースは自ずと自らのマシンは自らで調整するようになる。

 しかし、ここでも一人の馬鹿は居た。

 その馬鹿は自分のオーラの才能に誇りを持った優秀な生徒の中でも特に優秀な各学年の中のトップクラスの中の一人だった。

 その生徒は名を石動雷太いするぎらいた


「なあ、看護婦さん!「ココのナースたちを看護婦と同じにしたら痛い目を見るよ?!」…そんな事はどうでも良いんだ!要は俺達より弱い奴が出しゃばるなって言ってんだよ!そこの綾小路さんの執事にしても、俺にはちゃんとさっきの動きは見えてたぞ?最初に一番速い速度で俺達よりも早いと思わせたかったんだろうが、上には上がいるって事だ!いい気に成ってんじゃねえよ!!俺はOBMなしでも決闘でそれを証明してやるぜ!」


 割り込んだナースの言葉もなんのその、エリートの証したるエンブレムを自慢げに見せながらその生徒は正也に決闘を申し込んだ。

 しかも、今度は正当な条件だったのでセイラも断りきれなかったのか、渋々正也に命令した。

 まあ、額に手を当てて天を仰いでいたのは言うまでもないが…


「分かりました、正也?そう言う事なので、貴方には一時だけ私の管理から外れてその男子生徒の相手をして貰います。しかし、分かってるとは思いますが…」

「ええ、負ける心算は有りませんよ?相手の力量が分からない者相手に負けていたのでは、私に勝てない方々もこの方より弱いという事になりますからね」

「分かっていれば構いません。それと、今晩少しお姉さまたちと相談事が有るので、予定は空けておくように。…良いですね?」


 セイラはそう言うと、自分のOBMを専用機の己のスペースに置くと、訓練後の己のデータを前のデータに上書きしてから次の授業に向かって行った。

 その様子に他の生徒も毒気を抜かれたのか、各々それぞれのスペースにOMを置いて次の授業に向かって行く。

 そして、次に今から実技に向かう恐らく上級生の生徒が己の専用のOMを手に取った時に次の騒動が起こった。


「何これ!?私の専用機の調子が凄い良くなってる!?何で!?」と代表予備軍の自分の専用OMを体の一部に着けた女生徒が大声で言った。


 更にその隣でも、同じように専用機を腕に付けるタイプのOBMを身に付けた女生徒も


「私もよ!?昨日の最後より格段に良くなってる!!今回のメンテは誰がやったの?!」


 と言うので正也は普通に自分がやったと名乗り出た。序に良くなった訳も述べる。


「それは俺がさっきやったんですよ。学園側から言われたのでね?要は無駄なシステムを移し替えてやればいいんです。その為の機械は予め渡されているので、特別な事はしていませんよ。俺は自分の仕事には責任を持ってやってますから、適当な仕事をしないだけです。それがお気に召したのなら良いことです」

「へ~、そうなんだ~…」


 そう言って感心している女生徒に「ありがとね!」と感謝されながらも、先ほどの未だにこの場にいる男子生徒に向かって


「さて、決闘とやらは何処でやるんだ?俺は何処でも良いが?」


 イキナリ口調の変わった正也に驚きながらも、雷太はニヤッと笑いながら周囲を見渡し


「はん!これだけ多くの観客がいるんだ!見せしめには丁度いいじゃないか!エリートとモブの違いをハッキリさせてやるぜ!…行くぞ!」


 そう言うや、雷太は正也に向かって突進してきた。

 その様子に興味深げに見ていた上級生も、先ほどのナースも止めに入ろうとしたが、正也が片手を上げて制止した事で立ち止まり事の成り行きを見る。

 その後は正に圧巻だった。

 雷太が自らのオーラを出してスピードを上げているにも関わらず、そのスピードを上回る速度で平然と、しかも後ろ向きに雷太の攻撃を躱す正也。

 傍目から見たらどう贔屓目に見ても雷太が先生や上級生に向かって行ってあしらわれている様にしか見えない。

 その内雷太が付かれて来た所で、それまでを上回る速度で移動し、先ほどの生徒同様延髄を強打して終了。

 そして、何事も無かったかの如く、ナースに振り向き


「それでは、このお馬鹿様もお願いします、恭子さん」

「…了解。それにしても凄いね、君。流石は綾小路さんの執事だ。去年のリリナさんの執事さんもそうだけど、今年の君は特に凄い。リリナさんの海人さんの時はオーラが使えるから、対して気にもして無かった資格も、その歳でオーラが使えない状態で取得出来てるのは驚異的な事だよ。本当にオーラを使えないのが気の毒に思う位だ。…っと、こんな愚痴みたいな事を君に言っても仕方ないね。それと、この後の予定はどうなってるの?君さえ良ければ色々と説明するよ?さっきから私の仕事をちらちら見てるでしょ?」

「…バレましたか…。一応其方の視線がOBMに集中した時に見ていた筈なんですが…」

「はっはっは!甘いね、君が若い割に底が見えないのと同じで、私らも卒業生としてのプライドが有るから、そう易々とは技術の漏えいはしないんだよ。君の様な子は例外だけどね?…で?どうする?その歳でSMMの準資格を取ってるって事は、興味が無いと有りえないから、興味はあるんでしょ?」

「ええ、勿論。…けど、良いんですか?」

「いいのいいの。こう言っちゃー何だけど、専門用語が多すぎて、本当に興味がある人でないとチンプンカンプンな内容ばかりだから。それに、卒業生の私らナースでさえ未だに謎なブラックボックスが有るのは君も知ってるでしょ?」

「ええ、まあ…」


 目の前のナースに言われて思わず頷く正也。

 しかし、このナースも凄まじくフレンドリーなOGだ。

 普通の卒業生は、言うまでもないがココの卒業生だから、ある種のエリート意識が有るのだが、このナースはオーラが扱えない正也に対しても、普通の生徒と同様に接している。

 思わず何処の令嬢か尋ねたくなったが、それはここでは尋ねないのが礼儀なので口には出さない。

 勿論、向こうから名乗れば話は別だが、今まで名乗ってない以上、向こうはそう言う家庭の事情的な物は気にしないのだろう。

 それはそれで正也も接しやすいので問題ないから良いのだが…

 それから、一応正也が興味があるという事で、急遽メンテナンスの仕事を手伝いを申し出てくれたナースと一緒に片づけ、このオーラ専門学校の誇る、施設の一つであるオーラ専門開発研究所に行くことになった。


 




 

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