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【手紙】
森にはかなりの人が隠れていて、幼い子が泣き声を強く堪えていた。
大きな傷を負った男は大勢いて 治癒魔法で癒していた。
『ごめん、マンジュリナ』
弱々しい声で呟くアンネ
なんで謝るのよ とハの字眉毛をしたアンネの肩を優しく抱いた
するとだんだん周りの声が薄くなってきた。
考えれば分かる。
他国が潔く帰国するはずがないので、国民がほとんど殺されたか エルメスの軍隊が勝利したかと考えていいだろう。
どっちにしろ死んだ命は戻っては来ない。
いつの間にか眠りに入ったアンネ。
静かな寝息をたてるアンネをそっと石段にのせ、着ていた上着を掛けた。
『今日...誕生日なのにな...』
ポケットから そっと出したもの。
それは一通の手紙
封筒の表には“dear anne”と書かれている。
手紙をアンネの頭のすぐ横に置いた。
起きた時に読んで欲しい。
これが私の気持ちなんだ と知って欲しかった心理行動だった。
するといきなり
バリぃぃぃぃぃぃぃっっっっっ‼‼‼‼
周りの木が突然倒れた。
その間からは
相手国の軍隊の姿。