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【火の海】
急いで火の海から離れ、港に足を運ぶ。
だが、そこにはまだまだくる他国の戦艦。
恐怖しか感じられない軍隊の足音から逃げるように 唯一水のある噴水広場へ行った。
そこにはとっくにエルメス王国の軍隊も押し寄せていて、激しい魔法が飛び回っていた。
その影響でどんどん家々は燃えてゆく。
『あぁっ‼マンジュリナ‼』
騒ぎの中から聞き取ったアンネの声。
走り寄ってきてそのまま抱きつく
『無事で良かった....‼』
『ばっちゃんもよかった...。これはどうゆうことなの...っ⁈』
上がりそうにないアンネの腰にあわせて目線を下げた。
そうするといつもの張り切った声ではなく 気力の抜けた声で言った。
『戦...争...なんだよ...‼』
涙を流しながら震えた声で呟いた。
『戦争⁉どうしてっ...?』
相手国は容赦なく国民を殺す
近くのパン屋のおじさんも
お世話になった薬屋さんも
昨日レモンを買った店の人も
元気に遊んでいた子ども達...みんな
ここは危ない、せめてアンネだけでも助けたい。
『ここを離れよう!...森、森に身を隠そう』
マンジュリナはアンネに肩をかし、森へ身を隠した。