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『グレイス家』
『このまえも言ったでしょ?見たことないし、しかも私 上手く魔法使えないぬだから‼』
『えーケチ』
『ケチじゃないの! もっとうまい子いるでしょ? その子に頼みなさいっ』
頬を膨らませながら 分かったよ といって立ち去る子ども達。
マンジュリナは 人がいいと評判の娘。
だが又、こう知る者もいた。
『グレイスの娘は魔力が備わってない』
ずっと隠して150年。
代々グレイス家は唯一 魔力が枯渇していた。
時代を辿れば 150年前までは使えていた。
だが城で悪事を仕出かし、血液から 身体から 魂から魔力を吸い取った。
消えたのは 確実にそこからであっただろう。
あれ以来 魔法は使用出来ていないのだから
気持ちが落ちたマンジュリナはさっさと店に戻り、品をすべて置き 営業へと移った。