【国王陛下】
大きな扉を静かにノックする。
『イレイザーです。 例の者をお連れ致しました』
『入れ』
どっしりと重い声が廊下に響く。
ただただマンジュリナからは安心感が消えていった
『失礼します』
ガチャと大きな音をたて扉を開けた
視界に入ったのはとても長い部屋。
その先には 一つの大きな玉座
そこに王は座っていた。
オドオドしていたマンジュリナにオルバは『名乗れ』てでもいうかのように背中を押す
『へっ...陛下...。私はマンジュリナ・グレイスと申します。えっ...とえー...』
最後まで格好良くは終わらなかったが 王はかっかっと笑いをあげた。
『そちは面白いのう‼ 気に入ったぞ‼』
ばっと玉座から飛び降りた王は、マンジュリナの近くに歩み寄る
失礼ながら王は少々丸いお体で、まるで...風船。 洒落た髭はとてもお似合いですが。
『兵の話によるとそちが他国を追い払ったのだろう?』
やけに話を盛ってはないか?と疑ったが、追い払う穴を作ったのはまぁ...私か?と考え直す
『まぁ...多分』
はっきりしない返事だったが、王は満足したようだ。
『呼んだのにはな、国を守った感謝事と他あるのだ』
王はマンジュリナに『こっちへ』と手を動かし、バルコニーへと連れて来られた。