10/14
【赤黒い髪】
鋭く声に気づいた軍人は
『あぁん?』と苛立ち含んだ声を出す
軍人の目の前には 気味の悪い光景。
紅い涙を流す女。
気にせず『なんだ』とだけ言って安心した。
一息ついた軍人。がそのとき
『ぐはぁっ』
いきなり血を吐いた
驚いた仲間はすぐさま『大丈夫か⁉』と駆け寄る。
すると寄った男までもが吐血。
また吐血。
まるでウイルス感染のように次々と血を吐いていた。
危険を感じた軍人はすぐにマンジュリナに銃を向けた。
『お前...何をした⁉』
だがその言葉はもう 届かなかった。
気持ち悪い早さで木々が腐り果てる。
無能そうな女の姿はみるみる内に変わり
丸い目は鋭く
短く薄茶色の髪は 長く 血に染まった赤黒い髪に。
平凡な歯は1本1本鋭く尖り
ひょろい手足は筋肉に埋まる。
『なっ...なんなんだ コイツっ』
震えながら後ろに引き下がった。
すっかり変わったその姿は醜い獣。
まだ生きている6人の軍人のうちの3人は
『ゔわぁぁぁぁぁぁっ⁉』
スパッと空気に切られるかのように
頭、腕、足、そして指までもがバラバラにされてしまった。