表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『うっかり邪神(ヤクザ)を舎弟にした箱入り姫の極道スローライフ〜絶品ご飯で神様たちを餌付けして城下町の事務所で暮らします〜』  作者: 月神世一


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/25

EP 5

お嬢のクッキングタイム in 邪神組

「わぁ……! 流し台もピカピカですし、大きな冷蔵庫まであるんですね! 魔導コンロも最新式です!」

先ほどまで極道邪神が凄みを利かせていたヤクザ事務所の奥。

そこには、無駄に立派なアイランドキッチンが設置されていた。

エプロン姿のリアナは目を輝かせながら、持参したマイ包丁をまな板の上にコトンと置く。

「……お、お嬢。そのキッチンは、ルチアナの野郎がテレビとセットで勝手に設置していきやがっただけで、わしは一度も使っとらんのじゃ……」

頭に光の輪を乗せたまま、正座で小さくなっているデュアダロスが、涙声で申し訳なさそうに説明した。

アルマーニのスーツはすっかりシワシワである。

「そうなんですか? もったいないですねぇ。せっかくですから、今日からどんどん使っていきましょう!」

リアナはそう言うと、ダンジョンの途中でウキウキと採取してきた、あの『食材』を取り出した。

ドンッ!

まな板の上に置かれたのは、傘の厚みが五センチはあろうかという、巨大な『肉椎茸』だった。

「ひぃっ!? それ、深淵の魔力溜まりにしか生えない猛毒の……じゃなくて、最高級のバケモノキノコじゃない!」

フレアが悲鳴を上げるが、リアナは全く気にしていない。

「はい! 本に『極上のステーキになる』って書いてありましたから! あとは……フレアさん、さっきのシャケ弁当、まだ食べられますよね?」

「え、ええ。蹴り飛ばされる前に私が死守したから、無事よ」

「良かったです! ご飯とシャケはそのまま使わせてもらいますね。ワンカップのお酒も、お料理の風味付けに少しだけいただきます」

リアナは手際よく調理を開始した。

まずは分厚い肉椎茸の傘に、味が染み込みやすいよう格子状の隠し包丁を入れていく。

そして、熱したフライパンに油を引き、肉椎茸を豪快に投入した。

ジューーーーーッ!!!

その瞬間、ヤクザ事務所に爆発的な『美味そうな匂い』が充満した。

ただのキノコのはずなのに、まるで最高級の霜降り肉を焼いているような、暴力的なまでの脂の香りと香ばしさが弾け飛ぶ。

「な、なんじゃこの匂いは……ッ!?」

何百年もまともなメシを食っていなかったデュアダロスの鼻腔を、その匂いが容赦なく強襲する。

ゴクリ、と邪神の喉が大きく鳴った。

「ここに、私が持ってきた『醤油草』の絞り汁と、『ソーリーフ』のペーストを少し。それにフレアさんのお酒を振って……フランベします!」

ボワァァァッ!

フライパンの上で炎が舞い上がる。

醤油の焦げる香ばしい匂いと、肉椎茸から溢れ出す濃厚な肉汁が完全に融合し、特製の和風ステーキソースが完成していく。

「仕上げに、ツヤツヤのご飯の上にこんがり焼いた肉椎茸を乗せて……弁当のシャケをほぐして散らして、刻み海苔とワサビを添えれば……」

リアナは満面の笑みで、二つの丼をテーブルにことんと置いた。

「お待たせしました! 『わさび乗せ・刻み海苔付き肉椎茸ステーキ丼』の完成です!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ